腹の中の、むかつき
努力しているなどと言ったところで意味はなかった。
それを認めるかどうかは、相手かたの主観であり、客観性などありはしないからだ。
こちらも、客観的にみたら何もしていないに等しいかもしれない。
出来る事はしているつもりだった。
子守や犬の世話。
食事の後片付けに、風呂の掃除。
布団の上げ下ろしや、時には食事なども作る。
最近は、自分の衣類は自分で洗っているのだった。
雑務を一通り終え、食卓に着く。
無言で箸を口へ運んだ。
先に食事を終えて、汚れた皿を洗う。
間もなく妻も食器を重ね始める。
「洗っておくよ」
「自分で洗うから、いい」
声をかけなけば、よかった。
そう思っただけで、腹は立たなかった。
嫌になってきた。
自分の事か、妻の事かもよくわからない。
ただ、嫌な気分が腹の中に渦巻いていた。
俺は間違っていないか
読者の皆様。
ご主人または奥様の実家へ行かれた時、どの様に過ごされますか。
いつかの、出来事。
義母も妻も、食事の準備を始めた。
妻の実家である。
俺はテーブルに座り、テレビを観ていた。
娘も一人遊びをしていて、何もすることが無くなってしまったのだ。
間を持て余し、テーブルの上に置かれた新聞に手を伸ばそうとした時、妻の声が心の静寂を破った。
「私はあなたの親戚の家で、新聞など読まないから」
妻の声が痛かった。
義母は、何を怒っているのというような事をいい、俺を気にかけてくれた様だった。
釈然としないまま、俺は手を引き戻した。
妻の実家に来ることは、嫌いではなかった。
何故かリラックス出来た。
いや、くつろいではいけないのか。
妻の眼に映る俺は、よそ様の家で気も使わず、横柄に振る舞っていたと言う事なるのかもしれない。
今もこうして、キーを叩きながら考え続けている。
俺は、間違っているのかと。
読者の皆様は、どう思われますか?
ご主人または奥様の実家へ行かれた時、どの様に過ごされますか。
いつかの、出来事。
義母も妻も、食事の準備を始めた。
妻の実家である。
俺はテーブルに座り、テレビを観ていた。
娘も一人遊びをしていて、何もすることが無くなってしまったのだ。
間を持て余し、テーブルの上に置かれた新聞に手を伸ばそうとした時、妻の声が心の静寂を破った。
「私はあなたの親戚の家で、新聞など読まないから」
妻の声が痛かった。
義母は、何を怒っているのというような事をいい、俺を気にかけてくれた様だった。
釈然としないまま、俺は手を引き戻した。
妻の実家に来ることは、嫌いではなかった。
何故かリラックス出来た。
いや、くつろいではいけないのか。
妻の眼に映る俺は、よそ様の家で気も使わず、横柄に振る舞っていたと言う事なるのかもしれない。
今もこうして、キーを叩きながら考え続けている。
俺は、間違っているのかと。
読者の皆様は、どう思われますか?
反撃のシナリオ
相変わらず、妻は五月蝿さ過ぎる。
車の助手席でがなりたてるのだ。
俺が交差点手前で、新しく出来たらしいラーメン屋を覗く様に眺める。
少しスピードも落ちた。
助手席で腕組みをして、踏ん反り返っている妻が空かさず言った。
「交差点の手前でチンタラしていたら、信号変わっちゃうでしょ」
素直な俺は、悪かったと思ってしまう。
そして、置かれた状況を冷静に考え、ふざけるなという思いで腹が煮える。
間もなく、怒りさえ忘れてしまう。
忘れてはいけないのだ。
反撃すべきだった。
思ったがもう遅い。
同じ事の繰り返しだった。
頭の中で、今起った状況を分析し反撃のシナリオを書く。
いい加減にしろ。隣で腕組みして、何様のつもりなんだ。チンタラってお前、俺は舎弟か何か。
そんなに気に食わなかったら、自分で運転しろ。
そう言って、車を降りる。
次にまた言ってくるに違いない。
こう反撃しよう。
思ったが、妻は何も言ってこなかった。
悪いのは俺なのだと思い続けてきた。
これからは、違う。
そもそも、どちらがいい悪いなどない。
先に折れた方が、悪いということになる。
それだけだ。
車の助手席でがなりたてるのだ。
俺が交差点手前で、新しく出来たらしいラーメン屋を覗く様に眺める。
少しスピードも落ちた。
助手席で腕組みをして、踏ん反り返っている妻が空かさず言った。
「交差点の手前でチンタラしていたら、信号変わっちゃうでしょ」
素直な俺は、悪かったと思ってしまう。
そして、置かれた状況を冷静に考え、ふざけるなという思いで腹が煮える。
間もなく、怒りさえ忘れてしまう。
忘れてはいけないのだ。
反撃すべきだった。
思ったがもう遅い。
同じ事の繰り返しだった。
頭の中で、今起った状況を分析し反撃のシナリオを書く。
いい加減にしろ。隣で腕組みして、何様のつもりなんだ。チンタラってお前、俺は舎弟か何か。
そんなに気に食わなかったら、自分で運転しろ。
そう言って、車を降りる。
次にまた言ってくるに違いない。
こう反撃しよう。
思ったが、妻は何も言ってこなかった。
悪いのは俺なのだと思い続けてきた。
これからは、違う。
そもそも、どちらがいい悪いなどない。
先に折れた方が、悪いということになる。
それだけだ。