腹の中の、むかつき
努力しているなどと言ったところで意味はなかった。
それを認めるかどうかは、相手かたの主観であり、客観性などありはしないからだ。
こちらも、客観的にみたら何もしていないに等しいかもしれない。
出来る事はしているつもりだった。
子守や犬の世話。
食事の後片付けに、風呂の掃除。
布団の上げ下ろしや、時には食事なども作る。
最近は、自分の衣類は自分で洗っているのだった。
雑務を一通り終え、食卓に着く。
無言で箸を口へ運んだ。
先に食事を終えて、汚れた皿を洗う。
間もなく妻も食器を重ね始める。
「洗っておくよ」
「自分で洗うから、いい」
声をかけなけば、よかった。
そう思っただけで、腹は立たなかった。
嫌になってきた。
自分の事か、妻の事かもよくわからない。
ただ、嫌な気分が腹の中に渦巻いていた。