日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -284ページ目

娘との時間

暑さで目が覚めた。

妻はすでに起きていて、食事の準備を始めているらしかった。

それでも起き上がれずに、妻が立てている物音を聞いていた。

体がべたついていた。

口の中が痛い。

舌や唇が炎症を起こしていて、ものを喰うときに痛たかった。

今は、唾を飲むだけで痛む。


「おかあちゃん」


寝室から声がした。

寝室へ行くと、娘はまだ眠っていた。

うつ伏せに寝ている娘の顔を覗き込んだ。

目を開けている。

娘と一緒に横になって、布団に押し付けられたその顔を見つめていた。

エアコンが効いていて心地よい。



あまりの愛くるしさに、無理やり抱きしめたり、頬擦りなどをしてしまう。

だから、娘は嫌がるのだと妻が言っていた。

たしかに、俺がそうしたとき、娘は腕を突っ張って、俺を引き剥がそうとするのだった。


3人で食事をした。

娘はちょっと食事をすると飽きてしまい、甘いものを喰いたがった。

ヨーグルトをスプーンで上手に喰っていた。

いつも手掴みで喰っているので、こんなに上手にスプーンを使えるのかと、しばし驚いた。

妻は食事終えて出掛けていった。

習い事である。

それが終わると、今度は娘の習い事である。

俺は口内炎のせいで、なかなか食事が進まず、まだ食べ続けていた。

娘が、にこにこしながら足に抱きついてくる。

抱きしめたくなる衝動に駆られたが耐えた。

かわりに、頭をそっと撫でた。

冷蔵庫を開けて、一口サイズのゼリーをつかみ出し、微笑みながら俺に差し出す。

どうもありがとう。


そう声をかけたが、首を横に振っている。


蓋を開けろということなのだった。

「うまいか」

そう言うと、ちょこんと頭をさげた。


娘を車に乗せて、妻の元へ行った。

そこで、娘をひろってプールへつれて行く。

「今日は花火大会だからね」

妻が言った。


俺は仕事だと言うと、ちょっと驚いたような顔をした。


仕事だとは思っていなかったようだった。

「それじゃあ○○と一緒に行って来るから」(○○は娘の名前)


そう言って、こちらを探るような視線を向けて、ちょっと笑った。


家に戻り、娘たちと同じおにぎりを箱に詰めた。





カーテンが揺れている。


それを、ぼんやりと見つめていた。


ノンアルコールビール~感謝の言葉

弁当を詰め込み、家を出た。

車の中が冷えるまで、少し時間がかかった。

それくらい、暑いという事なのだろう。

小さな車内なので、いつもならすぐに冷えてしまう。


それでも、気分は悪くなかった。

頭痛薬もゆっくりと効き始めている。

薬のせいだけなのか。

それだけではないのかもしれない。


少し時間があったので、途中、コンビニに寄って漫画雑誌を立ち読みした。

それから、店内をぶらつく。

喉が渇いていて、何か飲みたいと思った。

思わず、ドリンクの棚に手が伸びていた。

ノンアルコールビール。

130円。

俺は、手を引いて車に戻った。



はっとして、携帯を開きメールを打った。

「おかずありがとう。感謝です」

妻に送信する。

妻はこれを読んで、どう思うのだろう。

しばし考えた。



職場に着いて、水を飲んだ。

お茶のサーバーが設置されていて、冷えた水も飲むことが出来た。

荷物をロッカーに放り込もうとしたとき、俺は床に光るものを見つけた。

100円が落ちていたのだった。

俺は周囲を見回して、すばやくそれを拾った。

あの時、コンビニでノンアルコールビールを買わないでよかったと思った。

これで本物の酒が買える。

少しも悪びれることなく、俺はそんなことを考えているのだった。

NO MORE WAR!!「ランボーfast blood 」

「国のために戦って、国に戻っても駐車場の管理人にもなれやしない」
ランボー(fast blood一作目)の主人公が、悲しみを湛えた瞳で言っていた。
最初に観た時は、そのアクション性に心惹かれたが、実はベトナム帰還兵から観た反戦映画であったと後にして思ったのだった。
孤独なランボーは帰国して、戦友をたずねてまわるが、みな枯葉剤の影響などで病死していた。
そして、町の中をただ歩いていただけで(軍服を着ていた)警官に連行され様々な嫌がらせに遭う。
その後は、皆さまもご存知のとおり、たった一人で戦争を始めてしまう。
最初に仕掛けたのはお前たちだと言って。
皮肉なことに、彼を理解する家族のようなものが、元上官であったというのも悲しすぎる。


シルベスタースタローンの、筋肉隆々お馬鹿映画だと思っていた方、是非一度観てみてください。
私的には、好きな映画の中のひとつなのでした。
※続編2、3がありますが、あまりお勧めできません。



TBステーション映画 「NO MORE WAR!! と思える映画」へTB