映画にドラマに気ままにドレミ! -5ページ目

フラガール

プロデューサー:石原仁美

監督:李相日

脚本:羽原大介

音楽:ジェイク・シマブクロ

企画・制作:李鳳宇

提供:シネカノン、ハピネット、スターダストピクチャーズ

主演:松雪泰子

助演:蒼井優

出演:池津祥子、岸部一徳、高橋克実、寺島進、徳永えり、富司純子、豊川悦司、山崎静代(五十音順)


フラガールメモリアルBOX フラガールスタンダード

メモリアルBOX(左)とスタンダードエディション(右)


現在の福島県いわき市にある常磐ハワイアンセンターにまつわる実話を描き、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作に選ばれた映画。

全体を通して言えるのは、脚本がちゃんと練られているということ。ほとんどの村人が炭鉱に従事する中、新たに常磐ハワイアンセンターをつくろうとすれば、それぞれ思惑も異なるけど、みんなの色んな思いをうまく描けていたと思う。

まず、物語の基盤となる平山まどか(松雪泰子)が嫌々常磐に来た理由も谷川紀美子(蒼井優)や木村早苗(徳永えり)がダンスに熱中する理由も丁寧に描かれていたので、物語に入り込みやすかった。ダンスに熱中したせいで母親の谷川千代(富司純子)と喧嘩し、紀美子は実家を追い出されてしまったけど、谷川洋二朗(豊川悦司)のお陰で単に悲しい場面にはなっていなかったのはよかった。

ようやく雑誌に紹介されるなどしてフラガールも形になりかけてきた時に、早苗が父親の木村清二(高橋克実)に殴られる場面は衝撃だったけど、炭鉱をクビにする会社に対して猛烈に抗議した村人を描いていただけに、炭鉱で30年も働いたのにあっさりクビにされた清二ばかりを責めることはできなかった。でも、まどかだけは清二に怒りを禁じえず、お風呂の中にまで殴り込んで行ったのは、教え子へ特別な思いが伝わって来て良かった。その場面があったおかげで、すぐに早苗は夕張市に引っ越すわけだけど、別れ際の場面が映えたし、フラガールたちが団結する流れができた。もちろん、紀美子とのやりとりも、別れ際の「じゃぁね」をより引き立たせていて良かったと思う。

続く熊野小百合(山崎静代)がダンスを始めるきっかけをつくってくれた父親の熊野五郎(志賀勝)の事故死を伝えられた場面では、まどかが帰ろうと言っても小百合が踊りたいと言うことで、いつの間にかプロ意識を越えるほど教え子たちが本気でダンスに取り組んでいる姿が伝わったと思う。実家に帰ると、まどかが村人に責められる展開になり、村を出て行こうとするまどかを教え子たちが追いかけて、手話で感謝の気持ちを表す場面は感動だった。

そして、早苗からの郵便を純子が紀美子に届ける場面では、紀美子たちがダンスに熱中する原因となったまどかの踊りを、紀美子が純子に見せつけることで純子の気持ちを動かしたので、思わず笑みがこぼれた人も数多いのではなだろうか。これで、純子が紀美子の生き方を受け入れ、常磐ハワイアンセンターに協力的になり、ついにはオープン初日の舞台に純子がこっそり顔を出して、家族の仲違いも一応は決着がついた。舞台では紀美子が一人で例の踊りを再び披露し、フラガールが勢揃いして踊った後、頭に早苗の送ってくれた花をつけていたのは、最後の場面としてうまく締まったと思う。

また見たいと思う映画だった。

視聴日 2007/6/8/Thu


演出:李相日

幸福のスイッチ

エグゼクティブプロデューサー:二宮清隆

プロデューサー:伴野智・林哲次

演出:・脚本:安田真奈

音楽:原夕輝

制作:林田洋・松下晴彦・岡林可典

主演:上野樹里

出演:本上まなみ、沢田研二、中村静香、林剛史ほか(五十音順)

幸福のスイッチ

和歌山県の田辺市を舞台に、JTB西日本と松下電器産業が協力し、関西テレビを交えつつ、関西で活躍する安田真奈が関西出身の俳優人で撮った関西尽くしの映画。

稲田玲(上野樹里)がわずか一年で自主退社するところから全てが始まるわりに、社内の場面が短くてしっかり描けてなかったり、父の誠一郎(沢田研二)の不倫疑惑を引っ張るわりに、母との思い出を描いてなかったりと、突っ込みどころは結構あった。

だから、それほど感動できる物語に仕上がってはいなかった。でも、見ればのほほんとする感じは、嫌いじゃなかったりする。あまり制作費がない中で、派手な演出はできないけれど、こういう地に足の着いた作品は今後ますます必要になってくると思う。

UDON

製作:亀山千広

脚本:戸田山雅司

監督:本広克行

音楽:渡辺俊幸

製作:フジテレビジョン・ROBOT・東宝

主演:ユースケ・サンタマリア

出演:片桐仁(ラーメンズ)、要潤、木場勝己、小西真奈美、小日向文世、鈴木京香、トータス松本、升毅ほか(五十音順)


UDON プレミアム・エディション    UDONスタンダード・エディション

プレミアム・エディション(左)とスタンダード・エディション(右)

サマータイムマシンブルースに引き続いて本広克行監督の出身地である香川を舞台にソウルフードであるうどんを題材にした映画。

前半と後半では雰囲気ががらりと変わった映画だった。前半は宮川恭子(小西真奈美)が何度も事故って毎回色違いのマーチに乗り換えたり、鈴木庄介(トータス松本)がバンザイを歌ったり、良くも悪くも本広克行監督らしいお遊びの場面が目立った。個人的には香川の個人が経営する小さなうどん屋さんのうどんのうまさを知ってるだけに、まじめなものを期待していたけど、ちょっと甘かったみたい。

しかも、サマータイムマシーンのメンバーだった永野宗典、与座嘉秋、川岡大次郎、ムロツヨシ、本多力、真木よう子、佐々木蔵之介に演技指導をした升毅までが登場して、さすがに瑛太や上野樹里は出番がなかったけど、佐々木蔵之介が出てきた時はおもわず笑ってしまった。踊る~からの登場もあったけど、寺島進が出てくる松井香助(ユースケ・サンタマリア)の夢の場面は絶対にいらなかったと思う(笑)。他に有名どころでは監督と同じ香川出身で日本映画学校卒の南原清隆も出てきた。

後半は一転、父が急逝してから香助がニューヨークに旅立つまで感動的なつくりになっていた。前半にお遊びしながらも、松井拓富(木場勝己)のうどんに対する想いをしっかり描いていたので、香助と拓富のやりとりで思わずしっとりした人もいたのではないだろうか。その後、拓富の四十五日までうどんを打って見事に藤元万里(鈴木京香)を納得させるわけだけど、そこで香助が家を安易に継がず、夢を追いかけてニューヨークに旅立ったのは良かった。代わりに藤元良一(小日向文世)がうどん屋を継いで一応は村の人も納得しているし。

結果として香助も恭子も夢を叶えてハッピーエンドになったけど、全体を通して恭子の存在は中途半端だった気がする。香助もキャラが確立できていなかったんじゃないか、と。そういう意味でイマイチ脚本がうまくいってなかったんだろうと思う。

視聴日 2007/6/7/Wed

ただ、君を愛してる

「いま、会いにゆきます。」で有名になった市川拓司の「恋愛写真 もうひとつの物語」の映画化。

全体的に見て、瀬川誠人(玉木宏)と里中静流(宮﨑あおい)だけでなく、富山みゆき(黒木メイサ)を交えて二人の関係を描いた構成は良かったと思う。いくらか筋書き上みゆきが都合よく使われた気はしたけど。

結局、物語は最後まで誠人と静流の関係が燃焼仕切れないままで、それが狙いなんだろうけど、理想の恋愛のカタチを表現しようとすると、恋人の死として描くしかないのは辛いところ。長く続くとロクなもんじゃないのか…と。

にしても、なぜ配給が東映なんだろう。個人的には「ただ、君を愛してる」って題はイマイチだと思った。

セレソンDX

テレビ大阪が製作した実験的ドラマ。とは言うもののドラマ以外にコント等あって番組として全体的にまとまりがなかった。

まず、ヤンキーのドラマに関しては、主人公たちが馬鹿だという設定だけど、馬鹿が常識の範囲を逸脱してて話がすんなり受け入れにくく、なかなか入り込めなかった。

喫茶店でのアドリブの芝居に関しては、時間が短かくて盛り上がる前で終わっていたと思う。そもそもCBC(中部日本放送)のスジナシのパクリなんではないかと。

おじいちゃんのコントは回を増すごとに面白くなっていった。でも、多数決をする場面は、個人的におじいちゃんが手を挙げず、一対一で勝負が決まらないという展開にして欲しかったが(笑)

でも準キーでこういう番組がつくれるのはいろんな意味ですごいと思う。