薔薇のない花屋 第1話「北風と太陽」
脚本:野島伸司
監督:中江功ほか
プロデューサー: 関卓也ほか
音楽:菅野よう子
主演:香取慎吾
助演:竹内結子
出演:池内淳子、釈由美子、寺島進、八木優希、松田翔太、三浦友和、本仮屋ユイカなど(五十音順)
放送まで大部分が秘密のままだった分、サプライズがあって楽しめたと思う。
基本的には暗い話だけど、汐見雫(八木優希)や菱田佳子(池内淳子)など明るいキャラがいて、それほどどんよりとしていなくてほっとした。
内容では、雫が仮面を被ってなかなか素顔を見せないところとか、野島伸司ぽくて笑った。今さらパペットマペットが出てくるのも含めて。でも、一番野島伸司ぽいのは竹内結子の役名の白戸美桜じゃないだろうか(笑)
あとは、美桜と安西輝夫(三浦友和)の関係とか、まだまだ物語を転がせるように複線もあるので、うまく歯車がかみ合って動き出せばいいものになる予感が。ただ、そうならなければ、いよいよ彼の賞味期限が近づいているのかもしれない。
個人的にはフジではなく、TBSでやってほしかったりする。
世にも奇妙な物語 秋の特別編(2007)
※あらすじは著作権に配慮して削除しました。フジテレビのホームページ を参照して下さい。
『未来同窓会』 脚本 ブラジリィー・アン・山田、演出 松木創、主演 石原さとみ
ありがちなオチで何の新鮮味もなく、大しておもしろくもなかった。ストーリーの肝である春香と一ノ瀬省吾(大高洋夫)が再会し、愛を確かめ合うところさえもっとしっかり描いていればなんとかなったのに、それができていなかったので石原さとみが女優として泣き損した感じがする。特に廊下で春香と省吾が出会い、部屋へ戻る春香を省吾が睨みつけるあたりは、もはやわけがわからなかった。世にも奇妙な物語は名作以上に駄作が多いことを再確認した。
『カウントダウン』 主演 阿部サダヲ、脚本 森ハヤシ、演出 城宝秀則
5つの中で最もひどかった。要は0の次は-1になり、なんだそれーってオチだが、オチてなかったのがすごい。脚本と演出の思惑が食い違ってたと思われても仕方がないくらい、演出が脚本に歩みよっておらず、結局何がしたかったのかわからなかった。
『自販機男』 主演 城嶋茂、脚本 加藤公平、演出 植田泰史
前2作に比べればよかったと思う。直樹の営業成績が悪いのは自分自身のせいであるということを、川井田さんを通して気付くという道徳的なストーリーで、珍しくハッピーエンドだった。自動販売機が川井田さんの生まれ変わりという人らしい一面だけでなく、電源が切れても動く自動販売機という奇妙な一面を描いたことで、世にも~のドラマとしても違和感がなかった。さすがに川井田さんが娘の結婚式を見届けて壊れる辺りはちょっと笑えたけれど、悪くはなかったと思う。
ちなみに、このドラマのおかげで次の『ゴミ女』の結末が意外なものになったかな、と。
『ゴミ女』
続く…。
下妻物語
脚本・監督:中島哲也
原作:嶽本野ばら(『下妻物語』小学館、小学館文庫)
音楽:菅野よう子
主演:深田恭子
助演:土屋アンナ
出演:阿部サダヲ、荒川良々、岡田義徳、樹木希林、小池栄子、篠原涼子、宮迫博之、矢沢心
興行収入:6.2億円
CMディレクターでもある中島哲也がメガホンを取り、ロリータファッションを愛する竜ヶ崎桃子(深田恭子)と田舎のヤンキーである白百合イチゴ(土屋アンナ)の友情を描いた。カンヌJr.フェスティバルにて邦画初となるグランプリを獲得している。
評価は分かれそうだけれど、個人的にはありだとは思う。序盤は中島哲也らしい怒涛のおちゃらけ攻めで視聴者を引き付けといて、中盤から友情をテーマにしっとりした雰囲気になっていった。もともと演出自体があまり感動ものには向いていないと思うけれど、なんだか新鮮な感動(?)は味わえた。
脚本に関しては、わかりやすいし、要所は押さえていると思う。骨格となる二人の生い立ちもちゃんと描いていたし、出会ったきっかけやら友情を築く過程やらも丁寧に進めていた。だからこそただのおちゃらけただけの映画にはなってなくて、監督自身も気を使ったところだろうと思う。
とはいえ、やっぱり中島哲也はショートフィルム向きだと思う。個人的にはSmap Short Filmの「ROLLING BOMBER SPECIAL」がよかった。
【名作シリーズ】 お金がない 第9話「義理も人情もない!」
プロデュース:塩沢浩二
脚本:両沢和幸
演出:若松節朗、木下高男、本広克行(今回は木下高男)
音楽:服部隆之
制作:フジテレビ(制作協力:共同テレビ)
主演:織田裕二
助演:財前直美
ゲスト:財津一郎
出演:東幹久、石橋凌、井ノ原快彦、今井雅之、梶原善、金田明夫、高樹沙耶、高杉亘、田口浩正、富田樹央、松崎しげる、森廉、芳本美代子(五十音順)
視聴率:19.1%
今回は長尾修二(財津一郎)が、上野格次(今井雅之)、田端大助(高杉亘)らと組んで大沢一郎を騙し、保険金詐欺を行うというわかりやすいものだった。前回の萩原健太郎(織田裕二)と大沢の仲違いを引きずりつつ描かれていたが、なぜか逆に彼らの仲の良さが伝わってくるのがおもしろい。
長尾らはイタリア製と偽った服を保管している倉庫に火をつけ、それを事故だと言い張って損害賠償を要求するが、明らかなモラルハザードだった。しかし、大沢は一人で解決できずにいて、結局は健太郎が助けるわけだけど、それがラストシーンで大沢が自分の不甲斐なさを感じて辞表を提出するシーンにつながっていく。事件は自分のミスだと責めて安易に自殺を図る筋書きではなく、会社を辞職して、しかも神田美智子(財前直美)に「一人前になって帰ってきたら結婚してくれ」と言い放つ展開はよかったし、またまた今後が気になってしまう演出でもあった。まぁ、徳川家安(梶原善)には気の毒だが(笑)
事件の経緯についても、健太郎が長居のもとを訪れ、保険のかかった自らの小指と引き換えに損害賠償を引き下げるよう訴えたが、上野が「俺たちには失うものはない。でもお前たちには失うものがある」と言って後に出頭する流れはちょっと感動的でよかった。ちょっと嘘みたいな臭過ぎる話ではあるけれど(笑)
全体を通すと、これまでの話で芽生えた彼らの絆のようなものが感じられる演出になっていて、最終回に向け、これまた盛り上がってきた。
【名作シリーズ】 お金がない 第8話「血も涙もない!」
プロデュース:塩沢浩二
脚本:両沢和幸
演出:若松節朗、木下高男、本広克行(今回は木下高男)
音楽:服部隆之
制作:フジテレビ(制作協力:共同テレビ)
主演:織田裕二
助演:財前直美
ゲスト:財津一郎、大河内浩
出演:東幹久、石橋凌、井ノ原快彦、今井雅之、梶原善、金田明夫、高樹沙耶、高杉亘、田口浩正、富田樹央、松崎しげる、森廉、芳本美代子(五十音順)
視聴率:20.7%
前回に引き続き、お金と引き換えに失うものについて描かれていた。しかし、前回のキャッスルコンツェルンに関しては一区切り。色々ともめたわりに契約が取り消されることもなく、健太郎の強運というだけで片付られてしまった。
そして、次にスポットが当てられたのは柏木で、氷室の命令で大沢に代わって健太郎が彼女に付くことで健太郎は柏木の苦労を知るという流れだった。柏木だって苦労してるんだという部分を健太郎を通して視聴者に見せておいたのは後々効いてくると思う。
柏木は契約のためなら枕営業もするけれど、ビジネスの汚い部分をお金のためと割り切れない健太郎は、結局前回と同様、契約を放棄してでも自分の信念を貫いた。やはりこのドラマのメッセージはお金よりも大切なものがあるということだろう。メッセージ自体は単純なものだけど、それを伝えるには複雑な人間模様が必要なのがおもしろい。
今回秀逸だったと思うのは、徳川が明かした氷室と柏木の恋愛の経緯。氷室が実力主義を掲げることで柏木は女性ながら地位を得ることができ、その感謝の気持ちが二人の恋愛につながったので、彼らにとって恋愛と仕事は一緒だという話は納得できた。最近は二人とも仕事に生きていて、恋愛の感情が薄らいでいるみたいだけど、お互いに何かに飢えている感じがする。それが、お金と引き換えに失ったもの、つまりお互いを思いやるありきたりな恋心なわけだけど、実際、終盤に柏木が氷室に「男としては萩原の方が上」(健太郎が枕営業を阻止したため)と言ったあたりからその辺は読み取れるのではないだろうか。氷室もその言葉を笑い飛ばせずにいるし。健太郎がこの二人の価値観を塗り替えるところに、ドラマのゴールを持っていくかどうかはわからないが、健太郎は氷室と柏木に変化をもたらす辺りはしっかり描いてもらいたい。
あと一つ気になったことは、子供たちの脚本上の扱い。やっぱり都合が良すぎる感が否めない。ドラマが佳境に入ってきてから、健太郎が残業し続きでも子供たちは文句も言わないし、問題も起こさなくなった。というかほとんど描かれなくなった。今回に限っては前半にちょろっと出ただけ。とりあえず病気で倒しとけみたいに便利に活用しようって考えが見え見えでなんか嫌だ。確かに全てを同時進行で描くのは難しいし、描かない方がいいことだってあるけども。
