Goodbye Again -66ページ目

君はいつだって、勝手だ(前編)

君は、いつだって勝手だ。


でも、きっと君も同じことを私に言うだろう。


約2ヶ月前、
今のこの状態から脱却する為に思い出の地へと向かった。


君にメールしたよね。


「 今から行くよ。逢いたい。待ってる。 」


君の予定なんてお構いなし。

ううん。

きっと、来てくれないって分かってた。

でも、

もしかしたら、来てくれるかもしれないって、願ってた。



ねぇ、知ってた?

あの街は、少しだけ変わってしまったけど、

一緒に過ごしたあの時の空気が、残っていたよ。



君と突然連絡が取れなくなって、
毎日毎日通っていた神社があった。


そこから見る夜景がとってもキレイで、
とっても切なくて、
月を見上げて泣いていた。



残念ながら、その日はお祭りをしていて長居は出来なかった。



あの時ね、いつだって私は空色自転車に乗っていた。



久しぶりに、駅から住んでいたマンションまで歩いてみた。


あの空色自転車、無くなっちゃったんだよね。

「 あれは、絶対君のせいだ。 」


なんて、そんな会話したいな。


自転車なんて、無くたってどうにかなるけど、
君の変わりはいないんだ。


ひとつひとつ、

君と過ごした思い出の場所で

鳴らない電話を気にしながら

気持ちの整理をしたんだよ。



本当は、 君が許せなかった。


でも、それが間違いだと気づいた。


許せなかったのは、自分だった。



それに気づいた時にね、

君を解放してあげなくちゃって思った。


いつだって、傷つくのは私だと思ってね、
悲劇のヒロインぶってたんだね。


ごめん。


そして、君にメールを送った。


「 今、思い出の場所にいるよ。
  沢山思い出の詰まった土地、居心地が良いよ。
  
  ひとつひとつ整理しないといけないね。
  忘れるためじゃなく、始めるために…。

  今までありがとう。
  本当に本当に大好きだった。
  
  どこかで逢える期待をしてしまったけど、
  これで良かったと思えるし、
  来てくれなかったこと、感謝出来る。

  君に負けない位、笑顔いっぱいで頑張るよ!
  お互い、幸せになろう。

  さよなら。
 」



不思議な位、涙が出なかった。


空を見上げて、大きく深呼吸。

次、この街にいつ来るんだろう…。

いや、もう来ないかもしれない。


 ありがとう 

心の中でつぶやいた。



そして、車に乗り込んだ。

大好きな音楽を聞いて、とても清清しい気持ちでちょっぴり長い旅に出た。




それなのに…。



いつだって、君は勝手だ。

画面の中の君。

彼と、私、

出会った時から 離れていた。



彼は、中国。

私は、日本。




飛行機乗れば、数時間で行けるけど、

そう簡単ではなかった。




そして、私は一度も彼の住む 中国 へ 行くことも出来なかった。




遠距離恋愛



連絡手段なんていくらでもあったし、時差だってほとんどない。

ただ、

会いたいのに会えない

それが、つらかった。



でもね、

寂しい とか

つらい とか

そういう言葉で、君を困らせたくなかったから、言わなかった。



電話で話すにも、通話料が高すぎた。

何時間話したって、毎日話したって、

足りなかった。



そして、私たちはルールを作った。

・どうしても話したい時だけ電話する
・すぐに連絡しなければいけない時に電話する


それ以外は、メッセンジャーで話そうと。



君と話した会話の数々。

ひとつひとつ、とても大切だったんだ。

どんなに喧嘩したって、

本当に大切だったの。



だから、私は毎日のように会話を保存した。



あの時はね、

いつか、時間が経った時にね、
思い出として、二人で笑いながら話せると思ったの。

懐かしいね。って



あれから何年経っただろう。

もう5年以上の歳月が経っているんだね。



やっぱり君の笑顔が、

君のくれる言葉が、

大好きだ。



今は、仕事上メッセンジャーを使うことがある。

オンにする度、君の名前を眺めてた。

ログインすればいいのにって・・・。


でもね、

君が来ないこと、分かってた。



それなのに、今日何気なくつけてみたら・・・


君がいた。



すごくすごく、焦ってしまった。

どうしてだろう。


でも、

私はオフラインでログインしていたんだった。



ホッとした。

どうしてだろう。



息が出来ないんじゃないかってくらい、
ドキドキした。

一気に涙が溢れてきた。


でも、話しかけられない。


無視されることも怖い。


「 お前は 強いから 」


君はよく、そうに言ってくれた。



でも、

本当の私は・・・

機械の前で、一人泣いているよ。

ただの、画面なのに・・・


君がそこに存在しているという事実が、

嬉しくも辛くもある。



ねぇ、

今、何してるの?

幸せ?

心の調律

人にはそれぞれ

独自のストレス発散法やリフレッシュ法がある。


私は、ピアノを弾くこと。
無になれる。


何年か振りに弾いたピアノは、
所々音が狂っていた。


沢山の思い出が詰まっている大切なものなのに、気づかなかった。


今日は無になるどころか落ち込んだ。


私のポッカリ空いた心の穴は、


いつになったら満たされるのだろうか。


それを望むこと自体、間違いなのかもしれない。