Goodbye Again -67ページ目
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本当はね・・・

男友達Yからの電話。


「 最近どう? 」


いつもの台詞。


まだ、出会って1年ちょっと。

それでも、何か似ているものがあって、すぐに仲良くなった。

今では、大切な「 友達 」だ。



相変わらず、お互い変わらない生活を送っている。


変化のない生活を、 幸せ だと思えた時もあった。

それは、どん底から脱出した暫くの間だけだった。



たわいもない会話をして、そろそろ電話を切ろうとした時だった。

ふっと電話越しに感じる何か・・・



本当なら、言葉にしない方が良かったのかもしれない。

でもね、自然と出ちゃったの。



「 本当は、寂しかったんじゃない? 」


そう、

無性に寂しくなって、誰かの声を聴きたくなる時がある。

きっと、Yもそうだったのかなと思った。・・・そうに感じてしまった。



それからまた、いろんなことを話した。


わざと明るく振舞う必要も、

無理して合わせなくても、 いいじゃない。

分かってくれる人はね、自然とつながっているものだよ。


本当はね、
つらいって言いたい。


本当はね、
寂しいって言いたい。


本当はね、
声を出して泣きたい。



だけど、その術を忘れてしまうんだよね。


Yは、少しだけ泣いた。

そして、笑ってくれた。

 
「 救われた 


そう、Yは言ってくれたけど。



本当はね、
君に伝えながら、
自分に言い聞かせていたのかもしれない。



「 お前は、大丈夫か? 」


その問いに、元気よく応えた私は・・・ 嘘つき だね。


本当はね、
本当は・・・


認めてしまうことが、怖いんだ。


だけど、

君が笑ってくれて嬉しかった。



恋する気持ちは忘れてしまったけど、

笑い方は忘れていない。



明日も笑顔になれますように。






その瞬間、時は止まった。

忘れられず、今でも鮮明に思い出す光景がある。



空港で再会した瞬間の あの笑顔。



大喧嘩した後、約束の場所で会えた瞬間の あの笑顔。



その瞬間、


私たち二人だけの間に流れた独特の空気・・・


まるで時がそこだけ止まっているかのようだった。



思い出す度、懐かしく。


あの空気も、あの笑顔も、愛おしくなる。



いつだって、私に 安心感 を与えてくれた、彼の笑顔。



今は心の中でしか見られない。



写真を見返す程、 まだ強くなれない。



そして、



今日もまた、彼に連絡しようか迷う私がいる。



でも、


やっぱり怖い。



繋がらなかったら・・・


その前に、受け止められない現実があったら・・・



いや、


たとえ彼が私を受け入れてくれたとして、


私は彼の全てをまた受け止められるのだろうか・・・



彼の幸せを思うなら、連絡しない方がいい。



そしてまた、思い留まる。



そんなことを何度となく繰り返している自分がいる。



分かっているのに。



いつも最後に思うことがある。




きっと、どこかで


とびきりの笑顔で、幸せに過ごしていてくれていると・・・




そう思える度、


ちょっと心は痛いけど、前向きになれる。




また今日も、あなたへと続く空を見上げる。

どうしたら、分かるのだろうか。

自分の気持ちが分からない。



また、私は彼を愛しているのか、思い出に縋っているだけなのか・・・




友人との恋愛トーク。


決まって繰り広げられる、いつもの光景。


キライじゃないの。


笑ったり、怒ったり・・・そんな顔を見ているのも話を聞くのも好き。




でもね、いつだって



「 羨ましい 」



そう、思ってしまうんだ。




いつからだろう。


彼の話を素直に言えなくなったのは・・・




話せなくなったのは、彼が原因ではない。


そう、原因は私にあった。




やっぱり、私は自分が可愛かったんだ。



当時の私なら、傷つくことをこれほど恐れなかっただろう。


いや、傷ついていることすら気づかなかったかもしれない。


どんなことだって、 「 愛情 」 だと思えた。



彼の一番の理解者で有りたかった。


ただ、ただ、



彼を愛していた。



私の未来に彼がいること、疑いもしなかった。


それが当たり前だと思っていた。


いなくなるなど、考えもしなかった。




しかし、



今、彼はいない。




変わらないのは、私の描く未来にまだ 彼がいるということだけ。




それでも、



私は彼を想っているのか、




分からない。

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