表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw) -19ページ目

『魔剣天翔』 森博嗣 講談社文庫


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Vシリーズ5作目。


空中密室ネタはエドワード・D・ホック にもあるが、


それよりは捻られているが、


トリックは短編でもいいような小粒なネタに思えるが、


理系ミステリとして解析学の逆解析ネタがあったのは良かった。


理系の美学論としても楽しめるかもしれない。


キャラのカガミ・アキラって、鏡明やかがみ♪あきらから苦情来ないか?w。


ヨコジュンはいつ出て来るのだろう?ワクワク(出るか!w)


期待する人はいないと思うが、


山田風太郎 の「魔界転生」 とはたいして関係ありません。


完全に無関係ではないです。


詳しく書くとネタバレになるのでこのへんで終了。


『赤髯王の呪い』 ポール・アルテ 早川ポケミス


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ツイスト博士シリーズ13作目。


幻の第1作、55部の私家版「赤髯王の呪い」と


短編3編を収録したもの。


「赤髯王の呪い」は150Pあり、短めの長編とも言えるので、


短編集と言うのは厳密には違う。


「赤髯王の呪い」は150Pだが、6件も密室殺人事件が出てくる!


全部違うトリックにするにはページが足りないせいか、


最初の4件はアイザック・アシモフ の短編のアレと同じトリックでまとめて一刀両断!


いっその事6件全てまとめて解決した方が衝撃度は高くなったかもしれない。


短編ならともかく、長編と言ってもいい長さで、


アイザック・アシモフ のアレと同じ究極のトリックを堂々と書いたら凄かったと思う。


短編なら許すが長編だと怒り狂う人も出そうだが、


あのネタに怒る人は本格マニアではありません。


本格マニアの試金石となる好作。

『篠婆 骨の街の殺人』 山田正紀 講談社ノベルス


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探偵チームにテレポーターとサイコファイヤーがいる謎が解決してない。


正紀はトラベルミステリだと主張しているが、


伝奇SFの可能性も残っている。


これだけでは中途半端。続き出て欲しい。

『二壜の調味料』 ロード・ダンセイニ 早川ポケミス


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ダンセイニだからもっとファンタシィ系ホラー系の話があるかと期待したが、


ほとんどが真っ当なミステリで期待外れでした。


トリックのネタが古過ぎて脱力します。


50年前に訳されていたならまだ判るが、


21世紀に、凶器は氷だったので溶けてなくなり完全犯罪!


などというベタな話読まされてもなぁ…。


リーダビリティは良いが読んでも何も残らない小品集です。

『数学的センス』 野崎昭弘 ちくま学芸文庫


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めぞん一刻ネタはメジャーだからまだ判るが、


平井和正 の「超革中」ネタまで出てくる数学エッセイ。


ラマヌジャンは天才だが数学的センスは悪いという考察は数学マニア必読。


で、ラマヌジャンはこう言った。


「1729=1の三乗+12の三乗=9の三乗+10の三乗」


xの三乗+yの三乗=pの三乗+qの三乗になる一番小さい自然数を計算したんだね!


で数学的センスのあるものは、ラマヌジャンの方程式をどう拡張すべきか?


①N=xの四乗+yの四乗=pの四乗+qの四乗


②N=xの二乗+yの二乗=pの二乗+qの二乗


③N=xのn乗+yのn乗=pのn乗+qのn乗


④N=xの二乗+yの二乗+zの二乗=pの二乗+qの二乗+rの二乗


⑤N=xの三乗+yの三乗+zの三乗=pの三乗+qの三乗+rの三乗


⑥N=xの四乗+yの四乗+zの四乗=pの四乗+qの四乗+rの四乗


⑦N=xの三乗+yの三乗=pの三乗+qの三乗=uの三乗+vの三乗


⑧N=xの三乗+yの三乗=pの三乗+qの三乗+rの三乗


⑨N=xの三乗=pの三乗+qの三乗


⑩N=xの三乗=pの二乗+qの二乗


①~⑩の方程式の中で、


N=xの三乗+yの三乗=pの三乗+qの三乗という方程式の次に


研究するなら何がベストかという問題です。


答えは買って確認してね。


数学的センスとは問題を解くセンスではなくて、


どの問題を解こうとするかというセンスが重要だと言う話です。


πやεが複雑に絡む連分式をもラマヌジャンは一瞬で解くが、


ラマヌジャンのセンスは悪いざんすよ。

『ペイパー・ドール』 ロバート・B・パーカー 菊池光 訳 早川ミステリ文庫


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スペンサーシリーズ20作目。


本書のベストセリフ


「人々が不快感を抱いているかどうか、


ほとんど一瞬にして判るんだ。


あんたは不快感を抱いていない。


あんたはおれがまともであろうとゲイであろうと、


全く気にしていない」



ホモ刑事キタ━━(゚∀゚)━━!


さすがジェンダーミステリでもある素晴しいスペンサーシリーズ。


ホモ刑事がアメリカの理想家庭のWASP家族の欺瞞を暴く傑作。


ホークの出番はほとんどないが、


スペンサーがホークの持ちネタのギャグをやるサービスシーンがあります。


美術ネタはフェルメールとレンブラントとジョージ・スタッブスとモネ。


モネは否定的に貧相と同義w


画家名が特定出来ないネタもあるが、


ルイス・メレンデスだと嬉しいなぁ(たぶん違うw)

『魔空の迷宮』 山田正紀 中公文庫 


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異常な事をしたヒトラーは実は正常人だった


という謎をメインにした方が良かったと思う。


一応SFなのか?

『十年目の対決』 ヒラリー・ウォー 勁文社文庫

敵がお馬鹿過ぎると言うか、


偶然の要素が多すぎると言うか、


プロットがこなれてない。


ウォーのファンでも読まなくていいでしょう。

『林達夫芸術論集』 高橋英夫 編 講談社文芸文庫


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本書のベストセリフ


「政治くらい、人の善意を翻弄し、実践的勇気を悪用するものはない。


真のデモクラシーとは、この政治のメカニズムから来る必然悪に対する


人民の警戒と抑制とを意味するが、


眉唾ものの政治的スローガンに手もなくころりとだまされるところに


どうでも人が頼らねばならぬ政治のおぞましい陥穽があるともいえよう」



芸術以外に文芸も哲学も歴史も教育も語学も園芸も政治もネタにしてます。


収録作は以下の通り。


①思想の文学的形態

②デカルトのポリティーク

③思想の運命

④歌舞伎劇に関するある考察

⑤一高時代の友だち

⑥フランス語事始め

⑦『タイス』の饗宴

⑧『思想』の思い出

⑨作庭記

⑩私の家

⑪父と子との対話

⑫歴史の暮方

⑬新しき幕明き

⑭三木清の思い出

⑮いわゆる剽窃

⑯再生芸術家は必要

⑰上品な笑い 健康な笑い

⑱ヴォルテール『哲学書簡』あとがき

⑲編集長という椅子

⑳精神史

21遊戯神通の芸術


「林達夫セレクション〈1〉反語的精神」 に③⑨⑩⑪⑬


『林達夫セレクション(2)文芸復興』 に④⑤⑦⑧⑲21


『林達夫セレクション(3)精神史』 に①⑫⑭⑰⑱⑳


「林達夫評論集」 に②


「思想の運命」 に⑮が収録されているので、


⑥と⑯の2編だけに俺は1500円も払ったのかw


セレクション全部読んでる人は買わなくてよい。


林達夫 を読んだ事が無い人は必読。


なんで今年にこの本が出たかを邪推すると、


林達夫 の没年は1984年、


そして今年は1Q84とかいう小説が大ヒット!


良識者なら1Q84=1984で、


オーウェルネタに留まらず、林達夫 を思い出せ!ということだと思う。


まあ1Q84はどうでもいいが、


林達夫 の私の一番のお勧めは実は『思想のドラマトゥルギー』 です。





『オーロラの向こう側』 オーサ・ラーソン 早川ミステリ文庫


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糞が口癖の暴力女弁護士とシッコが口癖の妊婦刑事が、


宗教団体の偽善を暴く痛快なスウェーデンジェンダーミステリ。


舞台の都市は北極圏内。


鼻毛が凍り、髭に氷柱がはえる!


美しいオーロラが常に背景にあるが、


自然の美しさと人間の卑しさの対比が見事。


ありふれた愛と友情の物語ではないのが良い。


二大ヒロインがどっちかと言うとブス系なのはさすが女性作家!


綺麗な女性はおつむ空っぽの妖精みたいに描写されているのが傑作!


これは男には書けない小説ですな。