表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw) -18ページ目

『川は静かに流れ』 ジョン・ハート 早川ミステリ文庫


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本書のベストセリフ


「えらそうに言わないで!


自分ひとりが世の中で傷ついてるつもりになって、


怒りをぶちまける権利があなたにあるの?


なぜあなただけが特別なのよ、アダム。


あなたはずっとそうやって生きてきた。


自分はルールの対象外だという態度で。


怒りさえすれば特別扱いされると思ってるのか、


いつでも怒りを抱えてる。


でもね、言わせてもらうけど、


つらいのはみんな同じなのよ」



文学寄りだが、一応意外な真犯人ということで及第点は付けられる。


もうちょっとテンポが速いと更に良かった。


年間ベスト1クラスではないだろうw


原発問題を含む社会派なのは良いが、


ジェンダー観がやや古いのはマイナス。


苦悩する金持ち青年の物語としては、


カート・ヴォネガット・ジュニア の「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」


「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」 の方が遥かに傑作。


嘘つき一人称の物語としては、


ディーン・クーンツ の『オッド・トーマスの霊感』 の方が遥かに傑作。


つまんない箇所や反感を覚える箇所は


文学なのでワザとやってるのは理解出来るが、


ジョン・ハートには普通にエンタメに徹して欲しい。


単純な苦悩する純文学と、暴れまわるノワールを、


相対化して超克しようとしたのだと思うが、


微妙に失敗してる感じ。


これは大傑作ではないが、他の作品も読みたいと思わせるだけの、


微妙な個性はありますw


『忍法さだめうつし』 荒山徹 祥伝社


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「以蒙攻倭(イモンコンウエ)」

「忍法さだめうつし」

「怪異高麗亀趺」

「対島はおれのもの」


忍法さだまさしと言うギャグを期待したが、


それは無かったが、ガンダムネタとガメラネタが出て来たのは良かった。


1275年から1450年までの朝鮮史が語られます。


四篇のオムニバスだが、日本人が出て来ずに、


朝鮮妖術師同士の戦いもあります。


高麗時代の安巴堅と李氏朝鮮時代の安巴堅が


互いに『処刑御使』 を飛ばしあって戦うエピソードが一番面白かったです。

『太陽系最後の日』 アーサー・C・クラーク 浅倉久志 他訳 早川文庫SF


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「太陽系最後の日」
「地中の火」     
「歴史のひとこま」 
「コマーレのライオン」
「かくれんぼ」     
「破断の限界」     
「守護天使」      
「時の矢」       
「海にいたる道」   
「貴機は着陸降下進路に乗っている-と思う」


女登場率0.01以下!


男女のラブラブファイヤーも


男の面子も軍の権威も


人類の存在意義も超克した、


宇宙と物理法則に萌える珠玉の中短編集!


「幼年期の終り」の原型の「守護天使」が


無意味な哲学視点を排した


SFミステリに純化されていてお値打ち。


長編版よりこっちの方が良い。


トム・ゴドウィン より先に「冷たい方程式」 を、


『銀河ヒッチハイク・ガイド』 より先に不確定性航法をやっていた


アーサー・C・クラーク の天才性を再発見!!

『妖虫戦線〈1〉バビロン・プロジェクト』 山田正紀 中央公論社C・NOVELS

超絶の経済ホラーファンタジーSF。


デリヴァティブ(金融派生商品)の舞台となる


仮想空間を飛び交う電子マネーを


人類の共通言語と解釈した神は、


バベルの塔をバラルしたように、


デリヴァティブをウィルス化し、


人類への粛清を開始した!


コンピュータモニターから実体化して


人間を襲うデリヴ(ァティブウ)ィルス=妖虫!


人類と妖虫の戦いが始まった!



コンピュータネットワークに神や悪魔が寄生するという話は、


アルフレッド・ベスター の「コンピュータ・コネクション」 があったし、


佐藤史生 の「ワン・ゼロ」 があったが、


どうして寄生するのかという理由が上記の二作は弱いと思ったが、


天才山田正紀 の理由付けは見事!


『虎の首』 ポール・アルテ 早川ポケミス


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ツイスト博士シリーズ6作目。


偶然の要素が入ったのは惜しいが、


密室トリックと凶器の謎が見事に融合している


物理トリックはエレガントで好みでした。


もっと凝れば「オリエント急行」の素晴しい別解になったと思う。

『孟嘗君と戦国時代』 宮城谷昌光 中公新書


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史書を鵜呑みにするのではなく、


どこまで参考するかという宮城谷氏の史観に萌え。


確実でないと切り捨て重視のアプローチでは


無味乾燥な本になるよねw


虚構も史実もエンタメのネタとして意義があるざんすww

『歩く影』 ロバート・B・パーカー 菊池光 訳 早川ミステリ文庫


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スペンサーシリーズ21作目。


本書のベストセリフ


「真の演劇、どんな芸術も、


ほかの方法では表現できない文化の衝動を表現しているのだ。


芸術は集団の意識に活力を与える。


芸術は社会の福祉にとって、


ミサイルや政府の医療保険制度などより


はるかに重要なものなのだ」



芸術の光と闇を照射した素晴しい演劇ミステリ。


社会や他人を慮る能力が無い


自己陶酔してるだけの犯罪者体質の演劇人もちゃんと描写されています。


量子力学の観測問題のギャグもサイコー!


自己チューの演劇人は誰も観客の居ない森の中で芝居汁!

[1年で何ページ読める?] 6月篇

6月計       26作29冊 9732P

1~6月累計   116作124冊41299P

2009年の月平均 19作20冊6883P

6月の内訳


『夜更けのエントロピー』  ダン・シモンズ

『オフェーリアの物語』  山田正紀

『晩秋』  ロバート・B・パーカー

『月は幽咽のデバイス』  森博嗣

『カーテンの陰の死』  ポール・アルテ

『マヂック・オペラ --二・二六殺人事件』  山田正紀

『ダブル・デュースの対決』  ロバート・B・パーカー

『最後のプルチネッラ』  小島てるみ

『タンゴステップ』 ㊤㊦ ヘニング・マンケル

『氷雨』  山田正紀

『リンカーン弁護士』 ㊤㊦ マイクル・コナリー

『夢・出逢い・魔性』  森博嗣

『狂人の部屋』  ポール・アルテ

『SAKURA―六方面喪失課』  山田正紀

『オーロラの向こう側』  オーサ・ラーソン

『林達夫芸術論集』  林達夫

『十年目の対決』  ヒラリー・ウォー

『魔空の迷宮』  山田正紀

『ペイパー・ドール』  ロバート・B・パーカー

『数学的センス』  野崎昭弘

『二壜の調味料』  ロード・ダンセイニ

『篠婆 骨の街の殺人』  山田正紀

『赤髯王の呪い』  ポール・アルテ

『魔剣天翔』  森博嗣

『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 ㊤㊦ スティーグ・ラーソン

『おとり捜査官 4 嗅覚』  山田正紀


あれま、月30冊いかんかった。


スティーグ・ラーソンに詰まったのが敗因。


大森が絶賛してるのは、やはり私には地雷どすw

『おとり捜査官 4 嗅覚』 山田正紀 朝日文庫


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リカちゃん人形連続殺人事件w。


犯人がリカちゃん人形を偏愛しているサイコパスなので、


事件の真相は誰にも推理出来まい。


遠回しに天皇制批判しているのがさすが正紀!

『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 スティーグ・ラーソン 早川

プロローグが日常の謎的で、


これは個性あるなと期待したが、


本編は普通でちょっと拍子抜け。


エンタメに徹してワザとだと思うが情景描写がほとんどなくて、


リーダビリティは良いが深みが足りない。


ヘニング・マンケルやオーサ・ラーソンより


セクースシーンの描写が多くて上品さに欠けるのは気になった。


下巻でミステリとして大トリックの炸裂を望んだが…。


ミステリとしてのトリックはヒラリー・ウォーやコリン・デクスター以下。


本格推理小説として期待すると脱力します。


プロットも描写もヘタな方だな。


社会的問題意識が高いのはいいが、


殺人事件の謎解きをメインにする必要は無かったのでは?


あせって読むほどの傑作ではない。


2と3は文庫落ちするまで待ちます。