『突然の災禍』 ロバート・B・パーカー 菊池光 訳 早川ミステリ文庫
スペンサーシリーズ25作目。
本書のベストセリフ
レイチェル・ウォレス「セクシュアル・ハラスメントとは、
性的な誘い、性的な好意の強要、性的な性質の言動で
(a)そのような誘い、強要あるいは言動に対する服従あるいは拒否が、
明白にあるいは暗黙に、雇用の期間、条件あるいは雇用に関する判断のもとになる場合。
あるいは(b)そのような誘い、強要、あるいは言動が、
脅迫的、敵対的、屈辱的、あるいは性的に不快な勤務環境を作り出すことによって、
個人の職務遂行を不当に阻害する目的あるいは効果を有する場合」
好意による行動でも相手が不快に感じれば犯罪だと理解出来ない哀れなおっさんが多いよなw
ジェンダーミステリとしておっさんは必読。
普通のミステリとしては結末が中途半端だが、
無駄に長い小説にしない為のパーカーの良心だと好意的に解釈する。
北上おじが言うところの「情痴小説」でもある。
顔しか取り柄の無いダメ男が出てくるが、
不思議と憎めないw
スーザンは実は、だめんずウォーカーであったと、
レイチェルが精神分析するシーンは傑作ww
『おとり捜査官 5 味覚』 山田正紀 朝日文庫
おとり捜査官が誕生した本当の驚愕の理由が明らかになる!
正紀 のあの日本人論も語られる。
「生まれながらの被害者」とは誰なのか…。
本当の敵は誰なのか…。
味方を全て失って、
政財官全てを敵に回し、
北見志穂は日本国民の為に駆ける!
『裏切りの国』 ギャビン・ライアル 早川ミステリ文庫
主人公は売春婦買っても殺人事件に巻き込まれてセクースする暇が無く、
メトロポリタン美術館の美人キュレイターと知り合いになっても、
売春婦を買った事がバレて嫌われてまたもセクース出来ず、
相変わらずエロ無しで上品なのがいい。
女性の未婚既婚情報の開示問題というジェンダーテーマも埋まっているのも良い。
結末は一番シビアでハードだろう。
他の作品の主人公にも祖国に裏切られ捨てられた男がいたのだから、
ユダたちの国という題にした方がよかったと思う。
『悪党』 ロバート・B・パーカー 菊池光 訳 早川ミステリ文庫
スペンサーシリーズ24作目。
本書のベストセリフ
「魚は自転車が必要ないのと同じように、女に男は必要ないよ」
もう一丁!
「怒りは表現する必要はないのよ。自分が怒っていることを知り、
その理由を知っていて、自分を欺かなければ、それで充分なの」
悪党は毎巻出ているのにこの巻が悪党なのは、
自分の手を汚さず金の力で他人に悪い事させる金持ちが一番の悪だということだね!
悪も正義も単純な怒りの発現はない、
生きる姿勢に矜持を持ち、浅はかな自己表現を戒める素晴らしいハードボイルド!
この巻でスペンサーとスーザンが子供を持たない事が明確にされたのは凄い!
長期人気シリーズで、主人公の子孫の可能性を排除して、
家庭の幸福を問題外にするのは凄いよね。
自分は子供を持つ資格は無いと自認しているスペンサーがデラかっちょええ!
愛する我が子の為ではなく、
正義の為にスペンサーは戦い続けるのだ!
前科三犯の強姦魔を助け、
国会議員にも知り合いのいる金持ちの家族を刑務所に叩き込み、
自分に全治8ヶ月の重傷を負わせた殺し屋を訴えず見逃すのが、
スペンサーの正義!
己の信じる正義であり、
世の為人の為ではないのが、
正義漢とピカレスクを巧くブレンドしていて魅力的。
自己責任で己の信じる道を行くのが一番かっちょええよな。
『妖虫戦線〈4〉分岐点』 山田正紀 中央公論社C・NOVELS
ジャンボジェット機に匹敵する巨大蜘蛛も登場!
お尻にキュウリ突っ込んで首吊ってゾンビになった男とか、
鼻糞を穿る神とか、
ぶっとんだキャラが次から次へと現れて、
未完かよ!w。
ミトコンドリアの叛乱ネタが「パラサイト・イヴ」と同じだが、
共に1995年の発表だが、瀬名と正紀どっちが早かったのだろう?
『パンタとレイニンの反戦放浪記』 パンタ&椎野礼仁 彩流社
本書のベストセリフ
「フランコ政権に反対して演奏活動を中止していたパブロ・カザルスが国連で演奏したときに、
私の国では鳥たちがピースピースと鳴いて飛んでいくとスピーチをした情景を思い浮かべると、
平和も随分と安っぽくなったもんだなぁと思ってしまうのも事実なんだ。
政治オタクの論客達が言葉遊びに興じてる合間に、
現実はさらに歩みを早め、心をも蝕んでいく」
アメリカがイラクに侵略戦争仕掛ける一ヶ月前に
バグダッド入りした反骨のロッカーPANTAの軌跡を編集者礼仁が書いたルポ。
塩見孝也や鈴木邦男や雨宮処凛の言動も語られています。
イラクで反戦活動していたNGO(実質はイラク政府だがw)が主催した
「イラクへの戦争と侵略に反対する国際会議」に、
PANTA達は招かれたのだが、
反戦活動家としてのPANTAと言うより、
歴史オタクのPANTAの言動が面白い。
バグダッドのミュージアムをマイペースで鑑賞するPANTA。
PANTAが観ようとしない展示品にガイドが何故かと突っ込むと、
PANTA「東京の展覧会で観たし、これはそもそも偽物だろ!」
ガイド「本物は(略奪美術館)ルーブル美術館にあります。我がイラクの文化遺産なのに…」
PANTA「元々はイランの物じゃないか!」
命を賭けてイラク行って漫才するPANTAに萌えw
空爆始まったらさっさと逃げられるように、
重いギターなんて持たずにイラク入りしたPANTAの現実感覚も素晴しい!
ミュージシャンとして自己陶酔して、
他人に踊らされる奴なら絶対ギター持ってイラクで歌ったよなw
暴力革命の理想を捨てた自然体の大人のPANTAに惚れ直しました。







