かつても記したとおり、
剛柔流空手道の最大の特徴は
呼吸法と円運動です。
なかでも呼吸法は、
数千年の伝統をもつインドの
ヨガを源流とし、
中国大陸、沖縄を経て
連綿と受け継がれているもの。
代表的なものには、
日本の禅、能や狂言があり、
剛柔流空手道も
それらと同じ系譜のなかにあるのです。
剛柔流空手道の呼吸法は
息吹と呼ばれ、
陰の息吹、陽の息吹とあり
いずれも、
心身を徹底して内に締める、
質を高め、深めていくという
武道の本質に直結しているもの。
そして、人生をよく生きるための
哲学的な思考とも
ガチッと重なり合うものです。
この呼吸法を学ぶうえで
最もシンプルな稽古の一つが、
気合いです。
気合いとは「えいっ」という
掛け声を入れること。
基本技の稽古や組手での攻防など、
入れるべきときに気合いを入れないと、
「声を出せ」と幾度となく、
恩師から発破をかけられたものです。
気合いは、
瞬発的な発声に過ぎませんが、
一朝一夕に成るものではありません。
日々の修養を重ねて初めて
自分のものとすることができるもの。
恩師はその声の出し方、
全体像としての身体の遣い方について
見本を見せてくれたりしながら、
繰り返し繰り返し教えてくれました。
この気合い一つから始まり、
重心の取り方や心身の軸の持ち方まで。
稽古のすべてが
人としての本質を
学び深めていくものであると
いま、私も理解することができます。
私たちの稽古には、
先人たちの意志と
受け継がれてきた良き伝統がある。
これをおおもととして、
これからも取り組んでまいります。
意志と伝統を継承する
本日、恩師の家に行き、
これまでの道のりと足元を改めて確認し、
広く考えることができました。
5つ、再掲します。
