伝統の剛柔流空手道、
その真髄は円運動と呼吸法にあります。
その修練法は、
身体の軸と左右に展開する軌道を
呼吸法と伴に自在とするもの。
始点から終点までを
弧を描くように
無数の点に沿わせていく。
すべては、
自然と円の動きに収れんされるというのが
全体にイメージできる。
単純で直線的に見える
正拳突きひとつをとっても、
身体運動として
複数の円の動きから成り立っているのです。
その要となるのが
基本の稽古です。
三戦の構えから転掌へ
ここに、一歩一歩、
着実に培われるものがあり、
多様な向上が図られる。
これこそが源泉です。
そして、
これらの取り組みは、
自分の軸とも背骨ともなるような
形(かた)をつくることにつながり、
軽々に言葉には表せませんが、
その広がりは、
想像を遥かに大きく上回るものとなるのです。
「恩師に出会ったからいまの私がある」
私の恩師・矢部師範から
何度も伺っている感慨。
私も、脈々と受け継がれてきた
その伝統のなかに在ることに
疑いはありません。
長年の仲間の言葉に
次のようなものがあります。
人に誇示するためでも
見せるためでもありません、
自分と仲間たちが人として
成長するため。
本気でそう思っています、 と。
ここを
ガチッと押さえていれば、
物事をきちんと
考えて取り組むことができる。
絶対に外すことはない。
これからも
確かな道を歩んでいくことができると、
そう確信しています。
追記
先日、少し立ち寄った取引先のオフィスで
仕事の話を終えたあとに、
ちょっと紹介します、と言われて
笑顔で現れたのはなんとも屈強な体格の方。
長年、首都圏のゴールドジムでトレーニングを
続けているのだという。
その方の話ぶりから、
考え方やその取り組みもしっかり
されていることが充分に伝わってきました。
その要点は、
トレーニングは科学的であること、
重要なのは、交互に連なる
スタビリティとモビリティの
意識とトレーニングで、
全身と軸の遣い方、呼吸法を学びながら、
自己研鑽に取り組んでいること。
そして、
すべては継続でしかないということ。
少しのつもりが立ち話で
30分ほど教えていただきました。
話の最後に、
仮説をたてて、実践し、
達成できたことできなかったことを
検証して、
また、次に生かして取り組んでいく。
この過程が愉しいんです、と
穏やかな口調で話されました。
仮説をたてる重要性は
企画や生産、営業、研究職などに
限ったことではなく、
健康や体力づくりはもちろん、
心や精神力を養う面においても同様。
その方の飾り気のない様子と
自然体な人柄がとても素敵でした。
今回の仕事は、
多数の関係者との協議調整に
やや手数のかかるものであったなかで、
その最後に、
自分を顧みて余韻のようなものも感じられる
よい出会いとなりました。
私もたくさんの方々に支えられている。
改めて、感謝の気持ちです。
4つ、再掲します。
