宮城県の仙台市で開催されている、第9回仙台国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。
6月28日は、ファイナルの第3日、ついに最終日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、第9回仙台国際音楽コンクールについてのこれまでの記事はこちら。
なお、以下の協奏曲は高関健指揮、仙台フィルハーモニー管弦楽団との共演である。
第3日 6月28日(土)
36 島多 璃音 SHIMATA Riito (日本 2001年生まれ)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 ニ短調 K466
ピアノはスタインウェイ。
セミファイナル同様、ロマン的に解釈したモーツァルトで、短調の曲でもありいっそうサマになっている。
終楽章コーダ、最後の最後でここぞとばかりに装飾をたくさんつけるのも楽しい。
42 エリザヴェータ・ウクラインスカヤ Elizaveta UKRAINSKAIA (ロシア 1996年生まれ)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 ハ長調 K467
ピアノはカワイ。
こちらもセミファイナル同様、ロシアの音が美しい。
軽やかな音質もモーツァルトに合っているが、アレクサンドル・クリチコや天野薫の同曲演奏と比べると、音階音型などでペダルを少し濁らせがちではある(それほどは気にならないが)。
29 ヤン・ニコヴィッチ Jan NIKOVICH (クロアチア 2001年生まれ)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23
ピアノはスタインウェイ。
この強靱な音!
音の存在感だけで見るならば、迷うことなく彼が優勝だろう。
この曲にふさわしいスラヴ風の連綿たる情緒もある。
技巧的には完全に洗練されていると言えないのは確かで、チャイコフスキーコンクールでのAngel Stanislav WANGくらい鮮やかなら文句なしだったが(その記事はこちらなど)、それでもここまで弾けていたらまずまず許容範囲か。
01 天野 薫 AMANO Kaoru (日本 2013年生まれ)
矢代秋雄:ピアノ協奏曲
ピアノはヤマハ。
この難解な曲を小学生で弾きこなすだけでもものすごい。
終楽章など技巧的にも大変鮮やか。
ただ、ヤン・ニコヴィッチを聴いた後だけに、音圧が弱く感じられてしまうのも確か。
けっこうなパワーを要する曲であり、どちらかというとリリシズムで勝負する曲のほうが彼女には合っていたかもしれない。
そんなわけで、ファイナル第1~3日の6人の演奏を気に入った順に並べると
1. 29 ヤン・ニコヴィッチ Jan NIKOVICH (クロアチア 2001年生まれ)
2. 36 島多 璃音 SHIMATA Riito (日本 2001年生まれ)
3. 20 アレクサンドル・クリチコ Aleksandr KLIUCHKO (ロシア 2000年生まれ)
4. 01 天野 薫 AMANO Kaoru (日本 2013年生まれ)
5. 10 ユリアン・ガスト Julian GAST (ドイツ 1999年生まれ)
6. 42 エリザヴェータ・ウクラインスカヤ Elizaveta UKRAINSKAIA (ロシア 1996年生まれ)
といったところか。
私の中ではヤン・ニコヴィッチと島多璃音の一騎打ちといった様相なのだが、一体どうなるだろうか。
さて、ファイナルの実際の結果は以下のようになった。
【ファイナル結果】
1位: エリザヴェータ・ウクラインスカヤ Elizaveta UKRAINSKAIA (ロシア 1996年生まれ)
2位: アレクサンドル・クリチコ Aleksandr KLIUCHKO (ロシア 2000年生まれ)
3位: 天野 薫 AMANO Kaoru (日本 2013年生まれ)
4位: ユリアン・ガスト Julian GAST (ドイツ 1999年生まれ)
5位: 島多 璃音 SHIMATA Riito (日本 2001年生まれ)
6位: ヤン・ニコヴィッチ Jan NIKOVICH (クロアチア 2001年生まれ)
審査委員奨励賞: ペ・ジヌ BAE Jinwoo (韓国 2001年生まれ)
聴衆賞: エリザヴェータ・ウクラインスカヤ(6月20日)、アレクサンドル・クリチコ(6月21日)、天野 薫(6月22日)
以上である。
前回同様(その記事はこちら)、むしろ逆から並べた方が近かったという結果であり、お恥ずかしい限り。
しっかりと丁寧にまとめた演奏が高く評価されているか(私は派手目の演奏を好みがちなのかもしれない)。
天野薫は第3位、島多璃音は第5位、ともに優勝はならなかったが、見事な入賞である。
今後のさらなる活躍を楽しみにしたい。
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