2018年ピティナ・ピアノコンペティション特級が終わって | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

東京で開催されていた、2018年ピティナ・ピアノコンペティション特級(公式サイトはこちら)が、終わった。

ファイナルの記事では少しムキになってしまったけれど(その記事はこちら)、そのコメント欄でもご指摘いただいたように、コンクールの順位は水物である。

結果がどうあれ、もとよりコンテスタントの方々には何の罪もないし、懸命に音楽に向き合い、力の限りを尽くして演奏を聴かせてくれた彼らには、感謝しかない。

これからも、ずっと応援していきたく思う。

演奏者の皆様、ありがとうございました、そして入賞者の方々、おめでとうございます。

 

 

今大会でネット配信により演奏を聴くことができたピアニストについて、忘備録的に記載しておきたい。

ちなみに、2018年ピティナ特級についてのこれまでの記事はこちら。

 

(1次予選 結果)

(2次予選 結果)

(3次予選 結果)

セミファイナル

ファイナル

 

 

古海行子 ふるみ・やすこ (20歳)

 

今大会の第3位。

私の中での個人的な今大会のMVPは、彼女である。

いま、日本のピアニストで、メジャーな国際コンクールで上位入賞する実力のある人はと言われたら、彼女はその筆頭格だと思う。

卓越した技巧と高い完成度、クールでありながらも自然でみずみずしい情感を備えたピアニスト。

ペダルを濁さない、明瞭度の高い音楽づくりが特徴である。

今回彼女が弾いた、ショパンの練習曲Op.10-2、タネーエフの前奏曲とフーガ、ハイドンのソナタ第41番、徳山美奈子のムジカ・ナラ、メンデルスゾーン/ラフマニノフのスケルツォ、リストの「ペトラルカのソネット第123番」、シューマンのソナタ第3番、そしてラフマニノフの「パガニーニ狂詩曲」。

これらはいずれも本当に名演だと思う。

 

 

沢田蒼梧 さわだ・そうご (19歳)

 

さらっとした、表現の少し控えめな、あくまで柔らかな音を保持したピアニスト。

技巧的にも、シューマンの謝肉祭など、なかなかスムーズな演奏。

 

 

鈴木美穂 すずき・みほ (23歳)

 

細部まで凝った、豊かで繊細な表現力を持ったピアニスト。

ラフマニノフの「ショパン変奏曲」、ハイドンのソナタ第48番、リストのソナタあたりが印象的。

 

 

角野隼斗 すみの・はやと (22歳)

 

今大会の優勝者。

力強く充実した音と、スムーズな技巧を持ったピアニスト。

ショパンのスケルツォ第1番、ラヴェルの「水の戯れ」、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番あたりが印象的。

 

 

秋山紗穂 あきやま・さほ (20歳)

 

安定した技巧と、あっさりめの穏やかな表現をもつピアニスト。

ヘンデルのシャコンヌ HWV435、プロコフィエフのソナタ第7番第2、3楽章あたりが印象的。

 

 

上田実季 うえだ・みき (21歳)

 

今大会の第2位。

美しい音色と、しっとりと歌うような表現が魅力のピアニスト。

バッハのトッカータ BWV914、シューマンの謝肉祭、ベートーヴェンのソナタ第30番とピアノ協奏曲第4番あたりが印象的。

 

 

武岡早紀 たけおか・さき (22歳)

 

今大会の第4位。

ゆったりとした抒情的な表現をもつピアニスト。

ショパンのバラード第4番、バーバーのソナタあたりが印象的。

 

 

以上である。

最後に、ピティナのネット配信は高音質なのが嬉しい。

高松コンクールの配信も、今後はこれくらいの音質でお願いしたいところである。

 

 


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