劇団プラネットカンパニー アトラクションステージVol.1
Sailing of Star Ship
セイリング・オブ・スターシップ
【日時】
2018年7月28日(土) 開演 14:00 / 19:00
【会場】
長浜文化芸術会館 第一展示室 (滋賀)
【プログラム】
『Sailing of Star Ship セイリング・オブ・スターシップ』
作・演出 北澤あさこ
【キャスト】
シーナ:北澤あさこ
ロビー:岩口浩平
アンジュ・シーベル:北村智子
リリア・ジョーンズ:北村雅子
オロン:中川昌美
先日の記事で、「惑星」の演奏会を聴きに行ったことを書いた(その記事はこちら)。
そんなわけで、今度は木星に遊びに行ってきた。
というのは冗談だが、以前の記事でもご紹介した(その記事はこちら)、劇団プラネットカンパニーによる宇宙旅行のお芝居を観に行った。
私は、お芝居については全く詳しくないのだけれど、劇団プラネットカンパニーは初めて観たときから気に入ってしまったのだった。
劇団プラネットカンパニーは、滋賀県を中心に活動している、5人メンバーの劇団である。
結成して14年にもなるそうだが、私が知ったのはつい一昨年のこと。
私がこれまでに観た公演の記事はこちら。
2016年4月 「TEN」 in Kyoto (記録のみ)
2016年7月 「人魚姫」「フランケンシュタイン」
2016年8月 「アレクサンダとぜんまいねずみ」
2016年12月 「王国夜物語 〜魔法使いと眠れるドラゴン〜」
今回の公演も、とても面白かった。
まだ公演期間中なのでネタバレは書けないけれど、あらすじを簡単に言うと、舞台は近未来で、宇宙船「スターシップ」に乗り旅行先の木星から地球へ帰る途中、事件が発生!?というもの。
ハリウッドのSF映画のような、本物さながらの宇宙空間のCGだとか、精巧に作られた宇宙船内部のセットだとかはもちろんないけれど、それでも物足りなさは全くなく、ハラハラドキドキの舞台である。
大切なのは、イマジネーション、ということか。
劇団プラネットカンパニーの、良さは何か。
まず第一に、「幸せになるお芝居」ということである。
彼らのお芝居は、笑い7割、真面目3割、といった感じで、笑いの要素が多い。
しかもそれは、毒気のない、清々しい笑いなのである。
だから、どの公演であっても、観終わった後には必ず幸せな気分になる。
こういう笑いって、意外と難しいのではないだろうか?
第二に、どの公演にも何か一つ、問題提起が含まれている、ということである。
その問題とは、最強のエイリアンにどう立ち向かうかということでもなければ、特殊能力を持ってしまったスパイダーマンの悩みということでもない。
誰でも経験するような、身近な問題である。
今回の公演にも、それがあった(ネタバレになるので書かないけれど)。
多くの笑いに包まれながらも、こういうことをふと考えさせられるのが、面白い。
そして第三に、彼らの演技力である。
私は、お芝居について全然知らないのだけれど、ドラマや映画では大抵、美男美女が美男美女の役(いわゆる主役)をやり、そうでもない人がそうでもない役(いわゆる脇役)をやっている。
また、オペラやミュージカルでは、声域や声質に合わせて役が決定される。
だから、例えば「ばらの騎士」の元帥夫人におけるエリーザベト・シュヴァルツコップのような、いわゆる「当たり役」も出てくる。
しかし、劇団プラネットカンパニーの場合は、5人とも、どんな役でもできるのである。
「ばらの騎士」で喩えると、元帥夫人であろうと、オクタヴィアンやゾフィーやオックス男爵であろうと、ヴァルツァッキやアンニーナであろうと、全員がどの役でもできてしまう。
本番を観ていると、それぞれのメンバーにぴったりのキャラクターを設定して台本を書いたように見えるのだが、実際には誰がどの役になるか全く決まっていない中で稽古が始まり、稽古の途中で何となく配役が決まっていくようなのだ。
誰もがどんな役でもできるというのは、可能性が限りなく広がってすごいことのように思うのだが、お芝居ではこういったことは普通なのだろうか?
逆に言うと、全然別の配役もあり得たということになり、役が入れ替わったバージョンも観てみたくなる。
例えば今回、香川照之ばりの「顔の演技」を見せてくれた岩口浩平さんの役を、他のメンバーがやったらどうなるのだろう?
公演は、まだあと3回残っている(8月7日(火)19時、8月19日(日)14時/19時、いずれも米原での公演)。
ご興味がおありの方は、ぜひ!(公式サイトはこちら)
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