欠けた月
駆け出した
いつまでも抜けられない闇へと
廻る青い月僕を照らす
見上げた空の上は
怪しい仮面を被った道化師
おいでと手招きする
枯れた森の中永遠に堕ちて行く
見果てぬ夢に眠ったまま
神の居ないこの地上から飛んでしまおうよ
この両手を羽に見立て
風を摑むように広げ
雲の切れ間から伸びる彼の手は
僕の頭をなでて
いくら駆け回っても
逆らえない運命と
判っていながら足掻き続ける
欠けた月に響き渡る
怪しげな息遣い
笑顔の仮面を被った道化師は
時折哀しみの仮面を
その笑顔に重ねて
悲しそうに
ただ僕を見守るだけ
また手招きを繰り返すだけ・・・
without resistance
身体の凍るような目線
冷たい微笑を湛えた
「あなたの望むもの
私は何でも知ってる」
聞こえたのは傲慢で
孤独な自身の声
独り薄暗い場所で
迷い立ち尽くしている
「ここがどこだかわかる?
あなたは怖いかしら」
禁断の場所
触れてはいけない何か
近づきすぎた
後戻りはできない
「眠りなさい」
内側に広がる世界
理想を追ったはずが
真っ暗なこの場所には
望んだものなんて無い
閉ざされていく
醜くも美しい
世界の扉
光が消えていく
なのに身体は・・・
無反応
「あなたの望むもの
私は何でも知ってる」
「眠りなさい」
冷たい手が
瞼をそっと
閉ざしていく
それなのに
僕の身体は・・・
無抵抗
Missing person
捨てきれない思い出を抱いて
月影揺らめく道を
行く当ても無く歩いている果てしなく
振り返れば君が笑っていた
あの日と変わらぬ姿のままで
僕を呼んで
つかの間の夢
つかの間の夢・・・
耐え切れない哀しみに溺れ
胸の奥も満たしてしまう
溢れそうな届かない愛の行き場
身体は闇に深くまで捕まれて溶け合う
幻想という砂に埋もれたままの言葉も流れて
君が夢になってしまった孤独に駆られる
広げた翼 風を掴む
間違いでもいい 君へ・・・
振り向いた君はとても綺麗だった
壊れそうなくらい
両手を差し伸べ僕を呼んで
涙も包む
間違いでもいい
あの日と変わらぬ姿のままで
夜空を君と泳ぐ
永遠に時を止めてずっと
繋がっていたい
間違いでもいい
もし夢でも・・・
やっと会えたね
間違いでもいい
嘘でもいい
もし夢でも・・・
やっと会えたね