コロナに罹患した東京の友人。
順調にすっかり回復したようで、
本当に良かったです。
昨日のメールでは、
参加者(会員)は大人ばかりの、
「絵本の会」というのが月一回あるのだそうで
それに参加してきたとありました。
絵本の会では、
自分の好きな絵本を持っていって読み合うのだそう。
毎年八月は、(事前の打ち合わせなく)だれかが必ず
戦争や平和を考える絵本を持ってくるそうですが、
今年に入ってからは毎回
平和を願う話、ウクライナの民話などが登場しているそうです。
で、友人がその会で、
思わず最後にため息が出てしまったという絵本が
『せかいいち うつくしい ぼくの村』というお話。
作者は小林豊さんという方。
それほどのラストとは?
これは最後どうなるんだろうと知りたくなりました。
で、ググってみましたら、
こんなレビューが…👇
せかいいちうつくしいぼくの村|絵本ナビ : 小林 豊 みんなの声・通販 (ehonnavi.net)
衝撃のエンディング
1995年の作品。
作者の小林豊さんが、訪れたアフガニスタンの村を元にしており、
小4の教科書(東京書籍)に掲載されているようです。
アフガニスタンと言えば、1979年末のソ連軍侵攻以来、
タリバン、アメリカの侵攻を受けて国土の破壊が進行し、
米軍が今も「対テロ戦争」を続けています。
現在も大量の難民(周辺国合計で約260万人)が発生している他、
テロ、麻薬の問題など、懸念事項が未解決のまま残っているのですが、
最初は、そんな国であっても人々は前向きに生きているというメッセージなのかと思って読みました。
物語は、
「すもも、さくら、なし、ピスタチオ。
はる。パグマンの村は、はなで いっぱいに なります」
との書き出しで始まります。
夏になり、兄さんが戦争にいってるので、替わりに弟のヤモが、ロバのボンパーとお父さんと町に果物を売りに出かけます。
アフガンの喉かな光景があり、町も町人も実に大らかであって、異国風情を思う存分満喫できます。
ヤモが一人でさくらんぼを売るのですが、これなんか、同じ年代の子が商売をしてるのですから、感銘を受けることでしょう。
戦争で足を無くした人が出てきたり、町の食堂では、隣の人と戦争の話をしたりと、戦争の影は盛り込まれてはいるのですが、絵としては描かれておらず、あまり気にも留めませんでした。
果物を売った対価で、子羊を買い村に戻るのですが、夕日に照らされた帰り道も、実に美しい光景だと思います。
物語は、これで終わりと思いきやさにあらず。
最後のページに絵はなく、一文で終わるのですが、衝撃的な終わり方です。
大どんでん返しとは、正にこのこと。
あまりに強烈過ぎて、言葉を失ってしまう、そんな表現がピッタリ。
読んで感じて頂くしかないのですが、この作品は、その一文を伝えたいがために、それまでの文章が存在しているとさえ言える作品なのです。
続編として「ぼくの村にサーカスがやってきた」「せかいいち うつくしい村にかえる」がありますので、あわせて読むことをオススメします。
対象年齢は、小学校中学年以上が適切だと思います。
(ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
・・・・・*
で、やっぱり「最後の一文」は分からないままです。
どういう展開なんだろう?
さらにググっていたら、ついに見つかりました!
★読み聞かせ動画が見つかりました。
・・・・・*
いや~、ほんとうにこのエンディングは衝撃です。
友人に
「最後の一文とはどんなの?」というメールを送っていたところ、
その部分について返信をくれました。
そして、さらに以下のように書き足してくれました。
村の少年がお父さんと一緒に、市場へ行きます。
初めて果物を売ることを任されます。
ドキドキしながらも、全部売り切ることができたこと。
一日の儲けでお父さんが真っ白な山羊を買ってくれたこと。
気持ちのいい達成感に満たされ、
ぼくのいるところはなんて美しいんだろう
と思いながら家路につきます。
少年の目線で、少年の感覚で淡々と語られるある一日が描かれています。
その最後にある一文。
「なんで?」「何があったの?」という子どもの問いかけに
なんと答えましょう。
・・・・・*
ほんとうに、なんとこたえましょう。
ついこの間まで、私たちは
人間は歴史からしっかり学んで
戦争というのは二度としないものだと
信じ込んでいました。
たかをくくっていたのかもしれません。
ところが、ウクライナで、いともたやすく
戦争が起きました。
れ れ れ・・・。
美しいとは言えなくなりつつある世界だけれど、
それでも、大人はできるだけのことをして、
この地球をできるだけ今のままで、
もしくは少しでも良くして次の世代に
引き渡せないものでしょうか。
・・・・・*
お付き合いいただき
ありがとうございました