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SCANレポート by 高見澤孝志

このプロジェクトは外国車や国産車を展示・販売するショールームである。

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ハードや内装の仕上げ等まではあらかじめ決定された条件でのプロジェクトであった。
OSBで出来た立体フレームをワンルーム空間に縞状に連続させ、そのフレームに起伏をもたせた家具=建築である。

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完成したScanを訪問し次のように感じとった。(あくまでも僕の個人的な感想なので、GENETOから大きな批判を浴びるかもしれないが)彼らは実はメタファーとして車を家具的な感覚や精度で作りたかったのではないか?しかも彼らのつくった車は、店主や顧客ばかりでなく展示する車やカタログまでも覆い尽くすような巨大な車を作ってしまった。だから車を展示するスロープと融合するような起伏が必要だし、形態として車のような流線形となる起伏が必要だ。運転席は打ち合せスペースと称する部分にイスと机が設けられ、それらはボディーから突出しているのである。
まさに車ではないか?
[車]は[器]とも言い換えられ、恐らく彼らはそのようなものを目指しているのだろう。以前彼らは建築と家具との境界をなんとかしたいと語っていた。境界を曖昧にし家具がもつやわらかさやスケールそして自由度を、相対するハード(建築)に置換することを狙っているのではないか?それを見事に実現させた作品ではないかと思います。
僕はエンジニアとして参加しているため、多少エンジニアリングについて述べておきます。当初の計画では約2m程度の’[‘型フレーム(コの字)をOSBで出来ないかという難題をヤクザの如く突きつけられ泣きながら考えたのが、12mmのOSBを3枚使用して厚み36mmのストラクチャーを作る案である。

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中央のOSBをL型のフレームにカットし、それを上下に配置する。それを挟むように両側面からOSBを接着すれば[型フレームが出来るのではないか?人間が載っても耐え得る強度が確保できるのではないか?と考えた。しかもGENETOでは接着剤として、通常構造用集成材に使用するイソシヤネートを使用するとのことでストラクチャーは決まった。紆余曲折があり[フレームは門型フレームへと変わったが、そのシステムは継承され門型のラーメンをOSBで実現している。起伏のあるフレーム同士は床面と背面でOSBによって緊結され安定した架構となっている。
最後に僕個人としてはやはり俯瞰することが大切だと感じているため、プロジェクト当事者だが第三者的な表現になってしまったことそしてSCANを勝手に再定義したことをお許しいただきたい。
そして、このようなプロジェクトに参加できたことをGENETOの皆さんに感謝します。


レポート:構造家 高見澤孝志

奄美へ

奄美大島へ行ってきました。

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鹿児島県と沖縄のちょうど真ん中くらいに位置する奄美大島は、年間を通して温暖な亜熱帯気候の島で、大空を映しだす透き通った海から深々と生茂る樹木に包まれた山まで、色鮮やかな熱帯魚や花々に目前で触れることができる豊かな自然に囲まれています。

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奄美大島はGENETOの木工職人である白栄一郎さんの故郷です。仕事で関西に渡って来られてから久々の帰郷となる白さんは、島で暮らすご兄弟やご親族の方々と23年ぶりの再会を果たしました。

また、滞在中に奄美大島の大自然を心行くまで味わうことが出来たのは、ご兄弟やご親族の方々の恩恵があったからに他なりません。

島のガイドから郷土料理のおもてなしまでして頂いたことにとても感謝しています。

天気にも恵まれた5日間、自分達で釣った魚や獲った貝を持ち帰って食べたり、マングローブの木々をカヌーを漕いでくぐり抜けたり、

潮の満ち引きで移り変わる島の景色や手が届きそうなくらいの満天の星空、普段では味わうことのない貴重な体験を数多くすることが出来ました。

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大自然と関わり合う中で感じた心地よいゆるやかな時間の流れは今でも忘れられません。

また来年、まだ見ぬ奄美の美しさに会いに行けたらと思います。

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岡田拓也

From Sweden

お久しぶりです。こちらへ越してきてようやく1年が経とうとしています。すっかり北欧は夏になり、爽やかな季節にやりました。今はほぼ日が沈みませんので、夜(?)遅くまで子供も大人も一緒になって外で 今の季節を堪能しています。
今月初めにノルウェー、デンマークへと行ってきました。同じ北欧内の国とはいえ、スウェーデンとは言葉(微妙に異なります)、街並、空気等などまたちょっと異なります。食べ物に関しては、やはり気候が大体似ていますからほぼ同じですけど。。

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今回行った都市はベルゲン、オスロ、コペンハーゲンでしたが、どの街も海辺の近くで、生活において常に水の風景がつきまといます。ベルゲンは入り江を山に囲まれた小さな港街で、山の斜面に家がへばりつくように点在しているのが特徴です。
オスロは首都だけのことはある大きな街ですが、有名なヴィーゲラン公園などやはり人々が憩える緑の空間があるのは北欧の特徴でしょうか。
コペンハーゲンはよりヨーロッパ的というか街並がノルウェー、スウェーデンとは確実に違います。

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これら北欧の国々に関して共通して言えることはやはり自然の豊かさではないでしょうか。フィヨルドを始め、北欧には世界有数の自然鑑賞スポットが数多くあります。生活の場と常に自然が日本と違って密接なので、人が余暇の時間に求める物は常に自然です。自然と上手に付き合う、自然の中で楽しむ術をここの人たちは無意識でやっています。自然の中で過ごすということは、結局「無理をしない」、つまり「自然のままに過ごす」ということになります。

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余暇における時間を上手に使えるというのは、日本ではなかなか難しいかもしれません。しかし余暇の時間を上手に使えるということは、如何に快適に過ごせるかということにも繋がり、そういう意味でも北欧のデザインが人々に好まれる理由にもなっているのではないでしょうか。

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山下麻子