SCAN OPENING EVENT



作品名:SCAN
カーショップ(GLOBAL GALLERY社)の新築工事に伴うショウルームスペースの設計+施工をGENETOが行っており、この程完成致しました。
つきましては、クライアントのご厚意によりオープニングイベント(見学会)を行う運びとなりました。
ご都合が合う様でしたら是非お越しください。
住所:大阪府四条畷市上田原547-5
北緯34度42分56秒7/東経135度41分53秒6
マップコード:11458803*36
行方:車→駐車場がございますので来て頂いても構いません。
公共の交通→ 近鉄東大阪線 生駒駅 生駒駅南口2番乗り場
よりバスに乗車 池谷下車 徒歩5分
日時:7月23日(日) 13時から18時まで
当日の連絡先:090-7113-4084(山中)
SCANについてその他の資料はこちら
常岡邸家具 遠藤康一レポート
はじめまして。今回、はじめてGENETOさんと一緒に仕事をさせてもらいました、遠藤です。山中悠嗣さんは東工大の研究室での仲間でもあり、日頃から建築や家具の話を頻繁に交わす間柄です。そんなこともあって、いつかコラボレーションしようという話のながれで、自然とこの仕事をお願いすることになりました。詳細は以下に記しますが、このレトリカルな家具をコ~ジさんや職人の白さんとともに丁寧に収めて、また東京まで徹夜で納品・設置にきてくださり、大変感謝するとともに、とても楽しい時間となりました。ありがとうございました。


また、設計するなかで考えたことをまとめてみましたので、ご覧下さい。


常岡邸リビングボード「スケールのきざみかた」
マンションのリビングを飾るシンプルなオーディオボードです。決して広くない室内の窓際に置かれるため、圧迫感を感じずに収納量を確保できるスケールのコントロールがテーマとなりました。そのために、収納量と存在感を要求されるために大きなものになりがちな家具のヴォリュームを、一体的なものでありながらも形態的には部分をつくることでスケール的な刻みをあたえ、軽やかなオブジェクトとすることを考えました。
具体的には、背の低いローボードと背の高い棚の部分に分割して、それらふたつの部分が噛み合って一体となるようなあり方としました。さらにそのふたつの部分はそれぞれの形状に応じて異なるレトリックで構成されています。
壁に沿って折れ曲がりながら横に長く伸びるローボードは、窓台を背にしても違和感のないプロポーションとするために、高さを45センチに抑えるとともに、天板が勝ったディテールとすることで、水平方向を強調したデザインになっています。(この中にはオーディオセットやDVD、TVチューナー、ウィスキーのボトルなどが並び、天板はTVや花瓶が置かれる台として、またベンチとしても使われることを想定しています。)
また背の高い棚の部分は、曲線を介して天板にシームレスにつながる側板に囲まれて、3つの棚が入れ子状に納まります。側板勝ちのディテールとすることで、入れ子の構成が強調されています。(入れ子の棚はCDラック、電話帳や本が納まり、入れ子の隙間は飾り棚となるように想定しました。)
そしてこれら水平材と側板をそれぞれ強調した部分が、一体的な家具において並列的にあつかわれながら噛み合うことで、双方の存在を保持しつつも干渉し合わない全体をかたちづくっています。

この家具ではこのように、箱を組み合わせる基本的な家具づくりの方法のなかで、その箱の分割のしかた、箱ごとのプロポーションと材のあつかいかたの関係を調整し、全体としての家具のスケールをコントロールすることでスケールに「きざみ」をあたえることを考えました。このことは、家具に、その視対象としてのオブジェクトの役割を容認しながら、同時に、使われ方や置かれる環境との関係により有機的な存在として、新たに意味を付与しようとする試みと考えています。

遠藤康一(HACCHOBORI DESIGN OFFICE/東京工業大学)


また、設計するなかで考えたことをまとめてみましたので、ご覧下さい。


常岡邸リビングボード「スケールのきざみかた」
マンションのリビングを飾るシンプルなオーディオボードです。決して広くない室内の窓際に置かれるため、圧迫感を感じずに収納量を確保できるスケールのコントロールがテーマとなりました。そのために、収納量と存在感を要求されるために大きなものになりがちな家具のヴォリュームを、一体的なものでありながらも形態的には部分をつくることでスケール的な刻みをあたえ、軽やかなオブジェクトとすることを考えました。
具体的には、背の低いローボードと背の高い棚の部分に分割して、それらふたつの部分が噛み合って一体となるようなあり方としました。さらにそのふたつの部分はそれぞれの形状に応じて異なるレトリックで構成されています。
壁に沿って折れ曲がりながら横に長く伸びるローボードは、窓台を背にしても違和感のないプロポーションとするために、高さを45センチに抑えるとともに、天板が勝ったディテールとすることで、水平方向を強調したデザインになっています。(この中にはオーディオセットやDVD、TVチューナー、ウィスキーのボトルなどが並び、天板はTVや花瓶が置かれる台として、またベンチとしても使われることを想定しています。)
また背の高い棚の部分は、曲線を介して天板にシームレスにつながる側板に囲まれて、3つの棚が入れ子状に納まります。側板勝ちのディテールとすることで、入れ子の構成が強調されています。(入れ子の棚はCDラック、電話帳や本が納まり、入れ子の隙間は飾り棚となるように想定しました。)
そしてこれら水平材と側板をそれぞれ強調した部分が、一体的な家具において並列的にあつかわれながら噛み合うことで、双方の存在を保持しつつも干渉し合わない全体をかたちづくっています。

この家具ではこのように、箱を組み合わせる基本的な家具づくりの方法のなかで、その箱の分割のしかた、箱ごとのプロポーションと材のあつかいかたの関係を調整し、全体としての家具のスケールをコントロールすることでスケールに「きざみ」をあたえることを考えました。このことは、家具に、その視対象としてのオブジェクトの役割を容認しながら、同時に、使われ方や置かれる環境との関係により有機的な存在として、新たに意味を付与しようとする試みと考えています。

遠藤康一(HACCHOBORI DESIGN OFFICE/東京工業大学)
scan、制作を終えて
約1ヶ月間に渡って現場での制作に取り組んだこの大きなプロジェクトもついに完成しました。




SCANの主体になっているのは、玄関から部屋の奥の方まで断続的に連なる床から直立した20本の縦のフレームです。その縦のフレームの間を連結するように横の板が、棚や机などの色々な役割をもった形となって全体を組み立てています。
制作で苦労したのは、全体を構成しているそれぞれのパーツに直角や平行といった単純な形のものが少ないことです。また、斜めにカットされた部材を複雑な角度に組み合わせて立体的な面を作り出すというような、難しい加工技術を必要とする場面も多々ありました。それでも建築にぴったりと収まるように、頂点や稜線や面の繋がりを常に考えながら制作を進行してきたので、クオリティの高い仕上がりになったと思います。

今ではパソコンやコピー機などの設備も配置されて事務所スペースは仕事をする空間となり、カタログや展示車両のディスプレイも着々と進んできて、店舗としての雰囲気も感じられるようになりました。
玄関を抜けて、階段を上り、約2Mの高さから車を俯瞰しながら回廊を歩きます。そして、緩やかなスロープを下りながら徐々に車に近づいていきます。ベンチにゆったりと腰を下ろせば車を見上げる姿勢になります。このようにSCANの中をぐるりと移動することによって様々な視点から車を眺めることができるのです。それは、止まっている車があたかも動いているように見える錯覚を引き起こしてくれます。
是非、みなさんにもここで体感して頂きたいと思っています。
GENETO
岡田拓也




SCANの主体になっているのは、玄関から部屋の奥の方まで断続的に連なる床から直立した20本の縦のフレームです。その縦のフレームの間を連結するように横の板が、棚や机などの色々な役割をもった形となって全体を組み立てています。
制作で苦労したのは、全体を構成しているそれぞれのパーツに直角や平行といった単純な形のものが少ないことです。また、斜めにカットされた部材を複雑な角度に組み合わせて立体的な面を作り出すというような、難しい加工技術を必要とする場面も多々ありました。それでも建築にぴったりと収まるように、頂点や稜線や面の繋がりを常に考えながら制作を進行してきたので、クオリティの高い仕上がりになったと思います。

今ではパソコンやコピー機などの設備も配置されて事務所スペースは仕事をする空間となり、カタログや展示車両のディスプレイも着々と進んできて、店舗としての雰囲気も感じられるようになりました。
玄関を抜けて、階段を上り、約2Mの高さから車を俯瞰しながら回廊を歩きます。そして、緩やかなスロープを下りながら徐々に車に近づいていきます。ベンチにゆったりと腰を下ろせば車を見上げる姿勢になります。このようにSCANの中をぐるりと移動することによって様々な視点から車を眺めることができるのです。それは、止まっている車があたかも動いているように見える錯覚を引き起こしてくれます。
是非、みなさんにもここで体感して頂きたいと思っています。
GENETO
岡田拓也