娘に「理系マウント」する父親 | アラフィフ親父の戯言

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文系学部出身ですが仕事は理系寄りです。アラフィフで中高年転職しました。妻と中高一貫校に在学中の娘の3人家族です。

多くの父親は、娘さんに算数を教えていると、「なんでこんなにできないんだっけ?」と思うはずです。

 

しかし、こちらの記事にも書かれていますが、

  • 女子は言語脳→理数脳
  • 男子は理数脳→言語脳
の順に知能が発達するのだそうです。


自分が小学生の時と比較して娘さんの算数の出来が悪く感じられるのは、ある意味仕方ないことなのです。
 
それを理解せずに勉強を教えようとするとトラブルになりますが、難関校志望男子のTO BE像をそのまま自分の娘さんにあてはめようとするお父さんもいるようです。
奥さんや娘さんがそれに反論しても、特にご自身が国立大学、あるいはトップ私大の理系出身だと、「算数ができない奴は黙ってろ」と聞く耳を持たないケースもあるようです。
 
中学受験において算数が重要科目であることは否定しませんが、それを自分の都合のいいように拡大解釈しているのが問題です。

「理系科目が得意」であることをいいことに、娘さんのためを思ってというよりは、もはや奥さんや娘さんに対し「算数」を利用して承認欲求を満たすことが主目的になってしまっているとしか思えません。


しかも、女子校の算数の入試問題は男子校に比べると易しめです。


大切なのは、受験する学校の入試問題に合ったレベルで勉強すること。中堅校を目指す女子に対し、難関校を目指す男子が解くような算数の難問を無理矢理解かせようとするのは有害無益です。

さらにひどいケースだと、こうした「理系マウント」に飽き足らず、「国語なんて漢字以外勉強しても無意味」といった「文系蔑視」的な発言を娘の前で平気で繰り返すこともあるようです。
 
算数ができないことをけなし続けるだけで、国語ができることは1ミリも褒めようとしません。自分の娘に「受験で一番重要なのは算数。 算数ができなければ他の科目ができてもダメ」という劣等感をただひたすら植え続けているにすぎません。

が、女子校の国語の入試問題は男子校に比べると難しめです。中堅校であっても記述問題が多く、まともな文章すら書けない父親には手も足も出ないことも少なくありません。
 
筑駒や開成の算数の過去問を解いてドヤ顔する父親に、理数系に偏った勉強を(頼んでもいないのに)教えてもらっている、というか押しつけられている娘さんがいるとしたらかなり気の毒です。
 
息子ならその方法で筑駒や開成に合格できるかもしれませんが、同じ方法を娘に無理強いすると、御三家どころか中堅校にすら合格できなくなる可能性が高くなります。算数が大幅なオーバースペックになる反面、他の科目、特に国語の勉強がおろそかになるリスクが高くなるからです。
実際そういうブログ見たことありませんか? 上の息子さんが筑駒・開成にダブル合格した後に、下の娘さんも「同じ方法」で御三家入れようとして頑張ってたけど、途中で更新が止まったパパブログとか。

算数が出来ないと将来大学受験で苦労する、などという刷り込みも厳禁です。そんなことをすればするほど、娘さんは算数も数学も毛嫌いするようになり、高校で私立文系コースを無条件に選択する可能性が高くなってしまいます。

そもそも、中学受験の「算数」と、大学受験の「数学」は別物です。「算数」をマウントの道具として使うべきではありません。

父親が娘に勉強を教える場合、理数系に偏り過ぎないように全体バランスを取ることが大切だと思います。