中堅女子に算数難問対策は不要 | アラフィフ親父の戯言

アラフィフ親父の戯言

文系学部出身ですが仕事は理系寄りです。アラフィフで中高年転職しました。妻と中高一貫校に在学中の娘の3人家族です。

 こんな動画を見つけました。


この中で、YN偏差値別の算数の出題難易度比率について説明されています。


四谷合不合、日能研模試で、

A問題 正答率50%以上

B問題 15~50%

C問題 15%未満

で分けられているようです。



この表に従うと、入試本番での合格安全圏を得点率80%とした場合、YN58以下(男女別に偏差値を出すYだと女子は60以下)までの学校であれば、C問題は無理して手を出さなくても合格できる、ということになります。

四谷合不合の算数の試験は60分ですが、半数以上の受験生にとって、問題の3分の1は「捨て問」と言われています。
解ける問題だけを20分くらいでさっさと解いて、おしまい。
つまり、四谷合不合の算数は、半分以上の生徒が半分以上の時間をただ座っているだけのテスト、といっても過言ではありません。

それでも計算間違いをしなければ偏差値50は超えます。
A問題が解ければ偏差値50、B問題が解ければ偏差値60のテスト。
これは、「B問題が解ければ(C問題が解けなくても)YN60くらいまでの学校なら受かる」とする上記分析とほぼ一致しています。

その意味において、四谷合不合は、「母集団の中での相対的な位置づけ」を把握するには確かに適した模試と言えます。

しかし、YN60以下の子の受験対策として捉えた場合、制限時間の半分以上をボーッと過ごすだけの出題パターンに慣れてしまうのは全く好ましくありません。
制限時間ギリギリまで頑張るのが本来のあるべき姿。そういう訓練をしない子は、この模試でそこそこの偏差値が取れていても、入試本番で失敗するリスクが高くなってしまいます。

YN60以下の子は、首都圏模試を受けた方が、偏差値はともかく、単元別の理解度は(合不合よりも)正しく理解できるかもしれません。

志望校がYN60以下であれば、
・難問に手を出すよりも典型題を確実に解けるようにする
・受験予定校の過去問対策をちゃんとやって、出題傾向(クセ)に慣れる
勉強法が効果的と言えます。

このレベルであれば、オプション講座なんて取る必要は全くありません。「親世代の開成の入試問題が今では中堅校でも出題される」というのはウソではありませんが、ここ数年で算数の出題レベルが受験校全体で上がっているという話は聞きません。「算数の入試問題が全体的に毎年難化し続けている」というのはウソです。

中堅女子には中堅女子の闘い方がありますが、成績上位層に照準を合わせている大手塾はそんなことは教えてくれません。中堅女子が算数男子の勉強を真似ようとしても無理です。


大変恥ずかしい話ですが、我が娘の場合、6年生の年末になっても、
  • 0.125(小数)⇔ 1/8 (分数)の即時変換ができない
  • 典型的な最小公倍数、最大公約数を即答できない(たとえば、18と24の最小公倍数が即答できない)
というレベルでしたので、とにかく入試直前まで、基本的な計算訓練を繰り返していました。こんな低レベルの子であっても、入試直前の訓練で大幅に改善できます。YN50台の子が算数の難問に手を出すのは時間の無駄です。


ボリューム層には、サピはもちろん、改訂後の予習シリーズですらレベルが高すぎます。日能研のテキストのレベルが低すぎなんて言っているのは一体誰? 我が家なんて、日能研どころか、それよりも更に平易だと言われる「新演習」テキストでしか勉強してませんけど、それが何か?


ネットに載っている情報も、サピに通塾していると思われる男子難関校向けの情報ばかり。受験生の8割に無縁なC問題が解けてドヤ顔しているツイやブログ情報なんて、ボリューム層には有害無益です



娘の場合、図形問題は比較的得意でしたが、抽象概念を伴う問題(N進法や数列)は全くダメでした。

が、娘の受験校ではこういった問題は出題されないことが判明したため、年明け以降は、出題の可能性が低い不得意分野は捨てる、という戦略を採りました。

 

ただし、

  • 食塩水の濃度の問題
  • 売上・仕入値の問題
は不得意分野ながらも頻出でしたので、これは徹底的に特訓しました。

入試に出題されるレベル以上のことをやる必要はありません。入試問題が入試当日に解ければそれで十分です。実際にこの方法でYN50台の4教科入試と算数1教科入試に合格できましたし。

秋あたりから、過去問で解けなかった問題を繰返し解かせるだけで、かなり解けるようになります。