こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!![]()
私がネット通販でよくお酒を買うお店のひとつに、広島県の「大和屋酒舗(やまとやしゅほ)」さんがあります。とにかく品揃えが素晴らしくて、たくさんの銘柄が取り揃えられているのですが、メルマガを購読していると激レア銘柄がひょっこり登場することもしばしば。目移りしてしまって、いつも「あれもこれも」と目が泳いでしまうのです![]()
こちらのお店、13,200円以上の購入で送料が無料になるんですね。となると下戸の心理としては、「せっかくだから送料無料まであと少し……」と、ついついポチポチと買い足してしまうわけです(笑)。そんなわけで前回は、「雁木 みずのわ 純米吟醸」や「五橋 ねね 発泡純米酒」と一緒に、今回ご紹介する「雁木 純米 無濾過生原酒 ノ壱」をお迎えした次第です。
この「雁木 ノ壱」、うれしいことに300mlの飲みきりサイズ。いろんなお酒を少しずつ試したい下戸にとっては、まさに理想的な容量なんです。大きな瓶だと飲みきる前に鮮度が落ちてしまわないか、いつもソワソワしてしまうので、この小ぶりなサイズ感は本当にありがたい![]()
じつは同じタイミングで飲んだ「雁木 みずのわ 純米吟醸」は、下戸の私にはすこーしだけ強く感じるお酒でした。だからこそ、この「ノ壱」がどんな表情を見せてくれるのか、期待と少しの緊張が入り混じります。しかも今回は無濾過生原酒。搾ったままの、いちばん生命力あふれる状態のお酒です。果たして下戸の私に、その力強さを受け止めきれるのでしょうか。いざ、開栓です!
ちなみに、この「雁木」という銘柄。日本酒好きの方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。山口県は近年、獺祭をはじめとして全国区の人気銘柄を次々と生み出している、いま最も熱い日本酒どころのひとつ。そんな山口の実力派のなかでも、雁木は「食事に寄り添う旨口」として、根強いファンを持つ蔵なんです。私自身、「みずのわ」で一度その世界に触れて、すっかり気になる存在になっていました。今回の「ノ壱」で、雁木というブランドをもう一歩深く知れるかと思うと、下戸ながらワクワクが止まりません![]()
雁木 純米 無濾過生原酒 ノ壱とは?
まずは造り手のご紹介から。「雁木」を醸すのは、山口県岩国市の「八百新酒造株式会社(やおしんしゅぞう)」さん。錦川(にしきがわ)の河口近くに蔵を構える、明治10年(1877年)創業の歴史ある蔵元です。錦帯橋で知られる岩国の地で、140年以上にわたって酒を醸し続けてきた、由緒正しき造り手なんですね![]()
そして、ブランド名の「雁木(がんぎ)」。これがまた素敵な由来なんです。かつて錦川では、船で運ばれてきた原料米を、階段状になった船着場で荷揚げしていました。この船着場のことを「雁木」と呼ぶのだそう。蔵の目の前にあった、川と米と人をつなぐこの場所の名を、そのままお酒に冠したというわけです。八百新酒造さんのスローガンは「水際にいのち生まれる」。まさに、川のほとりで生まれる命——お酒への想いが、その名に込められているのですね。
雁木というブランドは、全量が純米酒。米の力を最大限に引き出すため、余計な処理をせず、まっすぐに米と向き合う——そんな哲学が貫かれています。目指すのは「おいしさの終着駅」、つまり「もう一杯飲みたくなるお酒」。飲み疲れせず、食事とともに何杯でも楽しめる、そんな酒を理想としているそうです。この考え方、下戸の私にはとてもありがたく感じられます![]()
さて、今回の「ノ壱」。この名前にも意味があります。「ノ壱」とは、その年に最初に搾られる「初搾りの新酒」のこと。一年の造りのスタートを飾る、いわば「原点回帰・新たな出発」を象徴する一本なのです。この後に「ノ弐(純米/純米吟醸)」と続いていくシリーズ展開になっていて、その第一号がこの「ノ壱」というわけ。新酒ならではのフレッシュな生命力が楽しめる、季節を感じる特別なお酒なんですね。
スペックを見てみると、原料米は最高峰の酒米「山田錦」を100%使用、精米歩合は60%。日本酒度は+3.5とやや辛口寄りで、酸度は2.0としっかりめ。アルコール度数は無濾過生原酒らしく17度と高めです。「のびやかで、しっかり味がのった生命力あふれる酒」というのが蔵元の表現。フレッシュな香りに、程よい甘みと柑橘系の酸、そして後味のキレ——芳醇でありながらキレの良い、food-friendlyな食中酒として仕上がっているのが特徴です。もちろん要冷蔵の、繊細な生酒ですよ![]()
「無濾過生原酒」という言葉、日本酒好きにはたまらない響きですよね。ざっくり説明すると、「無濾過」=雑味を取る濾過をしていない、「生」=加熱殺菌(火入れ)をしていない、「原酒」=水で薄めていない——という、いわば「三拍子そろった、いちばん搾りたてに近い状態」のお酒のこと。手を加えていないぶん、米の旨味も、フレッシュな香りも、お酒本来のパワーがまるごと詰まっているのが魅力です。そのぶんアルコール度数も17度と高めで力強い。だからこそ「無濾過生原酒=濃くて強い」というイメージを持つ方も多いはず。私もまさにそう身構えていたのですが……その先入観を、この雁木は見事にくつがえしてくれました。その顛末は、次の評価パートでたっぷりお話しします![]()
雁木 ノ壱をチェック!
白地に墨文字で「雁木」と大胆に書かれた、凛としたラベル。
300mlの茶瓶がなんとも粋です。
隣のお猪口は、私の大好きな「花陽浴」柄。
蛇の目のきき猪口に注ぐと、透明感のある綺麗な液体。
無濾過生原酒とは思えないほど澄んでいて、これはもう期待が高まります。
裏ラベル。日本酒/雁木ノ壱、純米・無濾過生原酒。
原料は山田錦100%、精米歩合60%、アルコール分17度、300ml、要冷蔵。
製造者は八百新酒造株式会社(山口県岩国市今津町)です。
| 銘柄名 | 雁木 純米 無濾過生原酒 ノ壱(GANGI NOICHI) |
|---|---|
| 分類 | 純米酒・無濾過生原酒(その年最初の初搾り新酒) |
| 蔵元 | 八百新酒造株式会社(山口県岩国市今津町/明治10年・1877年創業) |
| 原料米・精米歩合 | 山田錦100%/60% |
| 日本酒度・酸度・度数 | 日本酒度+3.5/酸度2.0/アルコール17度 |
| 容量・参考価格 | 300ml(720ml約1,870円・1800ml約3,465円/特約店流通) |
雁木 ノ壱を飲んでみての評価
さて、いよいよその年最初の初搾りを味わうときが来ました。無濾過生原酒で17度、しかも日本酒度+3.5の辛口寄り。下戸の私にとっては、正直「みずのわ」で少し苦戦したこともあり、身構えてしまう要素が揃っています。
まずはよく冷やして、そのままの姿を確かめるところから。搾りたての生命力、下戸の舌はどこまで受け止められるのか。緊張の一口目です![]()
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甘酸旨の三重奏、余韻の苦みが心地よい
まずは香りから。グラスに鼻を近づけると、かなりもったりとした、強そうな米の香りがふわり。「これは……ヤバいかも」と、正直ちょっと身構えました(笑)。いかにも無濾過生原酒らしい、濃密で力強い米の存在感です。ところが——です![]()
おそるおそる口に含んでみると、あら不思議。想像とはまるで違って、口当たりはほど良い甘さと酸味がきいていて、とても飲みやすいのです!香りの重厚感から覚悟していた強さは、味わいには意外なほど出てこない。むしろ米の旨味がじんわりと広がり、そのあとに来る余韻のほどよい苦みが、なんとも気持ちいい。甘み・酸味・旨味、そして締めの苦み。この四拍子が絶妙なバランスで踊っていて、「あれ、無濾過生原酒ってこんなに飲みやすかったっけ?」と嬉しい驚きでした。
香りは強そうなのに、口に含むと驚くほど飲みやすい。この「ギャップ」こそが、雁木ノ壱のいちばんの魅力かもしれません。日本酒度+3.5の辛口寄りのはずが、まったく辛さでツンとせず、酸度2.0のしっかりした酸が、甘みと旨味を上品にまとめあげている。「みずのわ」で少し苦戦した下戸の私でも、するすると盃が進んでしまう飲みやすさ。これは造りの丁寧さと、絶妙なバランス感覚のなせる業なのでしょうね![]()
そして、この雁木はやっぱり食事と合わせてこそ本領発揮。まず試したのが牛すじ煮込み。これがもう、ばっちり。こっくりした煮込みの旨味と、雁木の甘酸っぱさ&キレが、口の中で見事に手を取り合います。さすが「おいしさの終着駅」を掲げるだけあって、料理を邪魔せず、それでいてしっかり寄り添ってくれる![]()
さらに面白かったのが熱燗。温めてみると、酸味が余韻までスーッと伸びていって、苦味を調和させ、感じづらくしてくれるんです。これがめちゃくちゃ旨い!そしてこの熱燗を、鰻の白焼きと合わせたのがもう最高でした。温かい鰻の身と、温かいお酒。鰻の旨味と酒の旨味、そして鰻にふった塩と酒の酸味が、絶妙に手を結んで、しみじみ幸せな味わいに![]()
冷やしても十分に旨いのですが、温かい料理と合わせるなら断然、熱燗がおすすめ。ひとつのお酒で冷やと燗、二つの表情を楽しめて、しかもどちらも料理を引き立ててくれる。下戸の私が思わず「もう一杯」と言いたくなる、まさに理想の食中酒でした。評価は迷わず★★★!自信を持っておすすめできる、素晴らしい一本です![]()
今日は映画でペアリング!
米の旨味をじっくり味わい、温かい料理と寄り添わせて楽しんだ雁木。この滋味深い一杯に合わせたいのは、沢田研二さん主演の映画『土を喰らう十二ヶ月』です。信州の山あいで独り暮らす作家が、畑で育てた旬の食材を、自らの手で丁寧に料理し、味わっていく——そんな静かで滋味あふれる一年を描いた、水上勉さんの原作をもとにした作品です。
なぜこの映画かというと、まず「手仕事で生まれる食の尊さ」という一点で、雁木と深く響き合うから。作中では、土を耕し、芽吹きを待ち、収穫し、手間を惜しまず料理する——その一連の営みが、丁寧に映し出されます。これはまさに、錦川のほとりで米と向き合い、余計な手を加えずに米の力を引き出す、八百新酒造さんの酒造りの姿勢そのもの。食材(米)に真摯に向き合い、その生命力を一杯に込めるという点で、映画とお酒が同じ方向を向いているのです![]()
そしてもうひとつ。この映画で描かれる料理は、どれも季節の恵みを味わう、温かく素朴なものばかり。派手さはないけれど、滋味がじんわり心にしみてくる。それはまさに、私が雁木を熱燗にして、牛すじ煮込みや鰻の白焼きと合わせたときに感じた、あの「しみじみとした幸福感」と同じもの。温かい料理と、温かいお酒。素材の旨味と、米の旨味。画面の中の食卓と、私の晩酌の食卓が、そっと重なっていくのです。
それに、この映画に漂う「暮らしのなかの手仕事」の空気感も、雁木の世界観と地続きです。錦川の船着場で米を荷揚げしていた時代から、脈々と受け継がれてきた酒造りの営み。派手ではないけれど、実直で、丁寧で、季節とともにある——そんな時間の流れが、雁木という一杯にも、この映画にも共通して息づいているのです。飲みながら観れば、きっと「豊かさって、こういうことだよなあ」としみじみ感じられるはず![]()
四季の移ろいを、食を通じて慈しむ映画を眺めながら、雁木ノ壱の熱燗をゆっくりと。「その年最初の初搾り」という、季節を映したこのお酒には、めぐる季節を丁寧に生きる物語がぴったり。慌ただしい日々にこそ、こんな滋味深い夜を過ごしてみてほしい——そう思わせてくれる、素敵なペアリングでした![]()
下戸の酒好き評価点
※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。
下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。
★★★
★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい
★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる
★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい
雁木 ノ壱の価格&どこで買える?
さて、気になるお値段と入手先です。「雁木」は基本的に特約店流通のお酒。つまり、蔵元と信頼関係を結んだ酒販店でのみ扱われる銘柄で、スーパーやコンビニでは基本的に見かけません。だからこそ、私が今回利用した広島の「大和屋酒舗」さんのような、品揃え豊富な地酒専門店・ネット通販が頼りになります。価格の目安は、720mlで約1,870円、1800ml(一升瓶)で約3,465円ほど(税込・実売)。無濾過生原酒・山田錦100%という中身を考えれば、じつにお値打ちだと思います。
今回私が飲んだ300mlサイズは、「まずは試してみたい」「いろんな銘柄を少しずつ楽しみたい」という方に本当におすすめ。生酒なので要冷蔵、そして開栓後はお早めに——という点だけ気をつければ、飲みきりサイズは鮮度の面でも安心です。まずは冷やで、雁木ならではの甘酸っぱくキレのある味わいを。そして温かい料理を用意して、ぜひ熱燗も試してみてください。ひとつのお酒で二度おいしい、贅沢な体験ができますよ![]()
「ノ壱」はその年の初搾りなので、基本的には季節限定・数量限定の一本。見かけたときが買いどきです。気になった方は、下記のリンクから雁木シリーズをチェックしてみてくださいね。まずは飲みやすいこの「ノ壱」から入って、気に入ったら「みずのわ」や「ノ弐」など、他の雁木も飲み比べていく——そんな楽しみ方が、きっと山口の地酒の奥深さを教えてくれるはずです。
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