こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!![]()
今回のお酒との出会いは、前から気になっていた一軒のお店でした。さいたま市中央区、与野駅西口から徒歩5、6分のところにある「くずし割烹 sawa」さん。最近は健康のために、移動はできるだけ徒歩や水泳を心がけているので、この日も北与野から15分ほどかけててくてく歩いて向かいました。お酒を楽しむために、その分しっかり身体を動かす——下戸なりの帳尻合わせです![]()
「くずし割烹 sawa」さんは、ランチタイムはコースのみ、そして日本酒ペアリングコースがあるのが大きな特徴。下戸の酒好きにとって「料理に合わせてプロが選んだ日本酒が少しずつ出てくる」というのは、夢のような仕組みです。その日は、運よく私以外にお客さんがいない貸切状態。あまり量が食べられない体質なので、中間の3,000円コースを選び、お酒は自分でチョイスして頼もうとメニューを見渡しました![]()
すると、目に飛び込んできたのが『花陽浴 純米大吟醸 彗星 無濾過生原酒』の文字。花陽浴といえば、これまでも「吟風」「THE PREMIUM 八反錦」「備前雄町」と飲んできましたが、「彗星」というお米のものはまだ未体験。これはちょうど良い、と迷わずオーダーしました![]()
メニューには他にも、臥竜梅、鶴齢、英君など、まだ飲んだことのない銘柄がずらり。最近はSNS映えするレア銘柄やモダン系の派手な日本酒ばかりが注目されがちですが、こちらは店主のこだわりが伝わってくる骨太なラインナップで、とても好感が持てました。自分ではなかなか手に取らない銘柄を、ちゃんと料理と一緒に楽しめる——こういうお店に足を運ぶ価値って、まさにここにあるんですよね![]()
そんなお店で出会えた花陽浴の「彗星」。花陽浴ファンとしては未飲の酒米に出会えるだけでテンションが上がりますし、それをプロの料理とのペアリングで味わえるとなれば、もう言うことなしです。それでは、運ばれてくる一皿一皿を楽しみながら、念願の「花陽浴 彗星」をじっくり味わっていきましょう![]()
花陽浴 純米大吟醸 彗星 無濾過生原酒とは?
『花陽浴(はなあび)』を醸すのは、埼玉県羽生市上新郷にある『南陽醸造株式会社』。創業は万延元年(1860年)、150年以上の歴史を誇る老舗蔵です。ただし、その規模は驚くほど小さく、年間生産量はわずか200〜250石ほど。しかも蔵人はたった3名——5代目蔵元の須永崇春さん、実姉の渡辺泰代さん、杜氏の渡辺亮策さんという、まさに家族経営の極み![]()
3人それぞれが全工程に精通する「作業分担制」を採り、徹底した手造りで品質を最大化する——その姿勢が、あの唯一無二の味わいを生んでいます。生産量が少ないため、花陽浴は「幻の酒」と称されるほどの入手困難ぶり。特約店でも抽選・予約が当たり前で、定価で出会えれば僥倖というレベルの人気銘柄です![]()
「花陽浴」ブランドは2003年デビューの主力銘柄。最大の特徴は、完熟パイナップルに例えられる華やかな香りと、トロピカルフルーツのようにジューシーで濃厚な甘味。無濾過生原酒を中心に展開していて、グラスに注いだ瞬間に立ち上がるあの南国香に、世界中のファンが虜になっています。私自身も、初めて飲んだときの「日本酒でこんなに果実みたいに香るのか!」という驚きは、今でも鮮明に覚えています![]()
そして今回のキーワードが、酒米の『彗星(すいせい)』。これは北海道生まれの酒造好適米で、「北海278号(初雫)」×「空育158号(吟風)」の交配から育成され、2006年に酒造好適米として採用された比較的新しい品種です。タンパク質含有量が低く高品質、美山錦や吟風よりも大粒で多収、しかも耐冷性が高いという、北の大地らしい頼もしいお米。生み出す酒質は淡麗で軽快、爽やかな方向だとされています![]()
北海道の三大酒米でいうと、吟風が濃醇・甘口寄り、彗星は淡麗・キレ寄り、きたしずくはその中間という位置づけ。花陽浴はこの彗星のほかにも、八反錦・美山錦・雄町・山田錦・五百万石など実に多彩な酒米を使い分けていますが、「あの濃厚甘やか花陽浴を、淡麗系の彗星で仕込んだらどうなるのか」——これは飲む前から興味が尽きません。スペックは精米歩合48%、アルコール16度。彗星版を彩るのは、紫のグラデーションが美しいステンドグラス調のモザイクラベル。光を集めたような幾何学模様が華やかで、花陽浴の香り高さを視覚的にも予感させてくれます。さて、いよいよ実飲です![]()
花陽浴 純米大吟醸 彗星 無濾過生原酒をチェック!
紫グラデーションのステンドグラス調モザイクラベルに「花陽浴」の赤い文字。
くずし割烹 sawa のカウンターに置かれた姿が、もう美味しそう。
よく冷えて表面が白く曇ったグラスに、透明感のある花陽浴を。
グラス越しにも花陽浴らしいフルーティな香りが伝わってきます。
側面ラベルには酒米「彗星」の文字と「要冷蔵」「無濾過のためオリが沈澱しております」の注意書き。生原酒らしい丁寧な案内です。
裏ラベルには「純米大吟醸 無濾過生原酒/清酒」「内容量720ml/アルコール分16度/精米歩合48%/彗星100%使用」「製造者 南陽醸造株式会社(埼玉県羽生市大字上新郷)」の表記。製造年月は2026年3月。スペックがそのまま実物で確認できます。
| 銘柄名 | 花陽浴 純米大吟醸 彗星 無濾過生原酒 |
|---|---|
| 種類 | 日本酒(純米大吟醸・無濾過生原酒) |
| 蔵元 | 南陽醸造株式会社(万延元年1860年創業/埼玉県羽生市上新郷) |
| 原料米 | 彗星(北海道産酒造好適米) |
| 精米歩合 | 48% |
| アルコール | 16度 |
| 容量 | 720ml/1800ml |
| 保管 | 要冷蔵 |
| 販売 | 特約店限定/抽選・予約中心(極小生産で入手困難) |
花陽浴 純米大吟醸 彗星 無濾過生原酒を飲んでみての評価
これまで飲んできた花陽浴は、どれも完熟パイナップルのような濃厚甘やかさが主役でした。でも今回は、淡麗・キレ寄りとされる北海道の酒米「彗星」。「あの花陽浴が、爽やか系のお米でどう化けるのか」——期待と、ほんの少しの「いつもの濃厚さは控えめになるのかな?」という予想を胸に、料理の合間にそっとグラスを口元へ運びます![]()
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やっぱり花陽浴、華やかに弾けて、どっしり沈む。
まず香り。グラスを近づけた瞬間、間違いなく花陽浴らしいフルーティな香りが立ち上がってきます。今回特に感じたのは、メロンやライチを思わせる芳醇さ。これまでのパイナップル系の濃厚な香りに比べると、彗星版はどこか瑞々しく上品な果実感で、淡麗な酒米のキャラクターがちゃんと香りにも出ているのかな、と感じました![]()
そして、ひと口含むと——おっと、これはしっかり花陽浴!淡麗な彗星でも、花陽浴の真骨頂である濃厚な甘みが、華やかに口の中いっぱいに広がっていきます。香りの上品さから「軽やかなのかな」と予想していた分、この甘みのボリューム感は嬉しい裏切り。淡麗系のお米を使っても、ちゃんと花陽浴を花陽浴たらしめている、蔵の造りの個性の強さを実感します![]()
面白いのは、その甘みの「重心の低さ」。華やかに広がったあと、舌の上にどっしりと旨味が沈んでいくような、濃厚で深い存在感があります。軽やかに消えるのではなく、しっかりと舌に居座って、旨味の余韻を主張してくる。無濾過生原酒ならではの、濃密でパワフルな味わいです![]()
そしてアクセントになっているのが、微かなチリチリとした微発泡感と、苦味と認識するかしないかギリギリの、ほんのりとした苦味。この2つが、濃厚な甘みと旨味をきりっと引き締めてくれて、ともすれば甘さに飲み疲れしそうなところを、最後まで心地よく飲ませてくれます。甘いだけじゃない、ちゃんと骨格のある純米大吟醸![]()
くずし割烹 sawa さんの繊細な料理と合わせると、この花陽浴の華やかさと旨味が、口の中で料理を優しく包み込んでくれて、まさに「ペアリングコースの主役級」の働き。一皿ごとに花陽浴をひと口、また料理、またひと口……と、貸切空間でゆっくり味わう時間は、本当に贅沢でした。レアなだけじゃなく、ちゃんと感動できる美味しさ。「彗星、初めましてだったけど、やっぱり花陽浴は裏切らないな」と、ひとり静かに頷いた次第です![]()
今日はアニメ映画でペアリング!
酒米の名前が「彗星」と聞いて、合わせない手はないな、と思った作品があります。2007年公開、新海誠監督のアニメーション映画『秒速5センチメートル』。3つの短編から構成される、淡く切ない恋と時間の物語で、新海監督の初期を代表する名作です![]()
第1話「桜花抄(おうかしょう)」は、転校で離ればなれになった少年・遠野貴樹と少女・篠原明里が、雪の降る夜に一度だけ再会する物語。タイトルの「桜花」、そして降りしきる雪と桜の花びらが舞うあの美しい情景は、まさに「花」の物語。第2話「コスモナウト」では、種子島を舞台にロケットの打ち上げが、第3話「秒速5センチメートル」では、夜空を流れる星や宇宙のイメージが繰り返し描かれます![]()
そう、この映画には「花」と「星(宇宙)」のイメージが全編に散りばめられているんです。これって、まさに『花陽浴 彗星(=星)』というこのお酒の名前と、ダブルで響き合うじゃないですか。新海作品ならではの、息を呑むほど美しい背景描写——光、雲、夜空、舞う花びら——を眺めながら、グラスの中で華やかに香り、どっしりと旨味の沈む花陽浴を味わう。視覚と味覚の「美しさ」が、静かに重なり合う夜になります![]()
そしてもうひとつの共鳴が、「余韻の残り方」。『秒速5センチメートル』という作品は、派手な事件もハッピーエンドもなく、ただ静かに、観た人の心の奥にじんわりと切なさを残していく映画です。一方の花陽浴 彗星も、華やかに広がったあと、舌の上にどっしりと旨味の余韻を残していくお酒。「広がって、消えるのではなく、留まる」——映画と日本酒が、同じ余韻の作法でこちらの心と舌に語りかけてくる、不思議な一致なんです![]()
幻の酒として知られる花陽浴の、しかも未体験だった「彗星」を、与野の名店でゆっくり味わえた特別な一日。家でこの記事を書きながら、もう一度あの華やかな香りと余韻を思い出すために、『秒速5センチメートル』を静かに再生する——そんな夜の過ごし方を、心からおすすめしたいです。花も、星も、余韻も。すべてが美しく溶け合う組み合わせでした![]()
下戸の酒好き評価点
※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。
下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。
★★★
★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい
★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる
★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい
花陽浴 彗星はどこで買える?飲める?
『花陽浴 純米大吟醸 彗星 無濾過生原酒』は、南陽醸造の特約店限定流通。蔵の生産量自体が極めて少ないため、特約店でも抽選や予約販売が中心で、常に品薄。定価で店頭に並ぶこと自体が稀で、見かけたら即確保が鉄則の「幻の酒」です。要冷蔵の無濾過生原酒なので、購入後は冷蔵管理&早めに飲み切るのが基本![]()
楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングでも稀に在庫が出ることがありますが、人気銘柄ゆえにプレミア価格になっていることも多いので、購入の際は価格と販売元をしっかり確認しましょう。要冷蔵の無濾過生原酒という性質上、信頼できる温度管理をしてくれる販売元を選ぶことも、美味しく飲むための大事なポイントです。確実に手に入れたいなら、まずは南陽醸造の特約店を探して、入荷情報やSNSの抽選告知をこまめにチェックするのが王道。地元・埼玉のファンとしては、地元の名酒がこれだけ全国で愛されているのは、なんだか誇らしい気持ちにもなります![]()
そして、今回の私のように「飲食店で味わう」のも、実はとても賢い選択。ボトルで買うのはハードルが高くても、日本酒に力を入れているお店なら、グラス一杯から花陽浴に出会えることがあります。今回お世話になった「くずし割烹 sawa」(与野駅西口徒歩5〜6分)のように、日本酒ペアリングコースのあるお店なら、料理と一緒に少量ずつ、しかもプロの選んだ組み合わせで楽しめます。「自分では買わない銘柄に、料理とともに出会える」——これこそ、下戸の酒好きにとって最高の体験です![]()
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