椙山フィルハーモニー・オーケストラ
第57回定期演奏会
毎年その年の締めの演奏会として楽しみに出かけています。中学生と高校生による混成チームのオーケストラですが、毎年対局に果敢にチャレンジしています。2022年はマーラーの交響曲第7番 ホ短調 (夜の歌(Lied der Nacht))、2023年はショスタコーヴィチの交響曲第5番が演奏されています。毎年大人数ですが今年は122名がステージに乗りました。壮観です。
前半はプーランクの「牝鹿」です。元々は1幕もののバレエ音楽として作曲されたものをのちに5曲選び出して管弦楽組曲としてはっぴようしたものです。標準的な3間編成の曲ですが、今回はこの大所帯で演奏されました。多分こちらの曲をメインで練習したのでしょう、管楽器の部分もそれほど破綻なく演奏され、中村氏の指揮のリードも巧みでまとまった演奏になっていました。
- 第1曲 ロンドー (Rondeau,Largo-Allegro)
- 第2曲 アダージェット (Adagietto)
- 第3曲 ラグ・マズルカ (Rag Mazurka,Moderato-Allegro molto)
- 第4曲 アンダンティーノ (Andantino)
- 第5曲 フィナーレ (Finale,Prest)
前半も後半もメインのような曲目編成でしたが、後半は名曲だけにちょっとアラが目立ちました。ラヴェルの編曲は金管楽器の使い方に特色がありますが、冒頭のトランペットから音が不安定でプロムナードから道を外れてしまいそうでした。
特にタンギングが伴う箇所では全く対応できていないという不安定さで、終焉日に指揮者がミスを多めに認めてほしいとわざわざ断りを入れていたほどです。今年はちょっと選曲にミスがあったような気がします。木管はまずまずの出来だっただけに金管のソロやアンサンブルの乱れは余計耳についてしまいました。
恒例のアンコールは今年もエルガーの「威風堂々第1番」でした。これもそろそろ第2番とか第3番を演奏してもいいような気がしました。そうそう、近年はアンコールは2曲演奏されるのが常でしたが今年はこれ1曲でした。あまりのレベルの低さに中村氏も一曲でやめてしまったのでしょうかねぇ。来年も12月27日に演奏会があるようですが、来年こそは珍しい曲に果敢にアタックすることに加えてレベルアップした演奏を期待したいものです。