没後15年 平山郁夫展 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

没後15年 平山郁夫展
久遠の理想を追う―佐川美術館コレクション-

 

 

 

   名都美術館は昭和62年に開館し、横山大観、平山郁夫、堀文子など近現代の日本画を収集・展示し、なかでも上村松園、鏑木清方、伊東深水の美人画が充実しています。

 

 仏教伝来やシルクロード、日本文化を象徴する歴史文化遺産などをテーマに作品を手がけ、日本画壇にその名を刻んだ平山郁夫氏。母校の東京藝術大学で二度にわたって学長を務め多くの後進を育てたほか、文化財保護や国際交流にも積極的に取り組み、平成10年(1998)には文化勲章も受章しました。没後15年にあたる今年、全国屈指の平山郁夫コレクションを誇る佐川美術館(滋賀県守山市)より、本画と素描70余点を借り出して、この展覧会が開催されています。近年の彼の作品は、毎年松坂屋美術館で開催されていた院展で鑑賞していましたが、こういったまとまった作品展は2020年が生誕90年に当った「平山郁夫が描く 世界遺産展」についで2度目です。

 

 

 

 

《平和の祈りーサラエボ戦跡》(1996年)

 

 平成8年、サラエボを訪ねた平山は廃墟化した街の様子を目のあたりにし、自身も被爆した原爆投下直後の広島を重ねたという。子どもたちの表情は明るさを帯び、広島と同様にこの地も必ず明るい未来が訪れるという平山のメッセージが込められている。

 

《ナーランダの月 インド》2007年

 

 夜景に浮かぶ上がるたーら寺院の遺跡。その堂々たる姿を包み込むように空には星々が、煌めき、満月は神々しい光を放つ。

素画《アンコールワットの遺跡 カンボジア》1992年

 

 平成5年までの20年間に渡って内戦状態にあったカンボジア。文化遺産を救うべく平山は救済に励み「アンコール救済展」なども開催した。

 

《蓮池仏》1972年

 

 奈良・法隆寺の国宝で、飛鳥時代の美意識が今にも伝える現存最古の念仏仏とされます。平山は細やかな筆致致によって本尊と天人を描き出し二次元空間において崇高な祈りの世界を現した。この作品は佐川美術館が近年新たに収蔵した《蓮池仏》で、同館以外での公開は初となります。

 

こんな作品が展示されています。