平山郁夫が描く 世界遺産展
日本画壇を代表する画家、平山郁夫(1930~2009年)は2020年が生誕90年に当たります。仏教伝来とシルクロードを生涯のテーマとして描き続けた平山は、世界各地の文化財を国や民族、宗教を超えた国際的な協力のもとで保護できないかと模索し、平和貢献活動を画業とともにライフワークとして実現していきました。
本展覧会は平山が世界文化遺産を視察や調査で訪れた際に描いた膨大な作品の中から、佐川美術館コレクションより「アンコール遺跡」「南京城壁」「比叡山延暦寺」「世界遺産を巡る」の4シリーズ、85点(素描を含む)を展示しています。
この展覧会はあまり告知されていないのか、平日水曜日の夕方訪れた時は、ほぼ貸切状態で鑑賞することができました。平山氏の作品は毎年開催された「院展」でおなじみでしたから期待をして出かけたのですが、正直言ってちょっと期待はずれでした。
作品の大半はスケッチ彩画で構成されていて、テーマごとに分かれているメインの2−3品が絵画で、残りはほとんどスケッチ彩画の展示となっています。
敦煌
アンコールワット
南京城
シルクロード
延暦寺根本堂中堂
薬師寺
宮島
佐川美術館の平山郁夫コレクションですから、その収蔵品で構成されています。スケッチ彩画は、本作品の元になったものでしょうが、あくまでスケッチです。ただ、作品の制作過程の足跡を垣間見ることはわかります。各作品には出自が記載されていますし、落款もきっちり刻印されています。