名古屋ブルックナー管弦楽団第29回定期演奏会 | geezenstacの森

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名古屋ブルックナー管弦楽団

第29回定期演奏会

 7月7日は、猛暑の中「名古屋ブルックナー管弦楽団第29回定期演奏会」に出かけて来ました。今回のコンサートはブログ仲間の繋がりの中でチケットを頂き、友人と共に鑑賞しました。ただ、その前に妻と今回新しく購入した車のお祓い出かけたことで、思ったより時間が、かかってしまいコンサートにはちょい開演には間に合いませんでした。

 

 

 名古屋ブルックナー管弦楽団は、ブルックナー没後100周年を記念し、1995年に結成されたアマチュアオーケストラです。今回はブルックナー生誕200周年を記念して同団2回目の演奏となるブルックナーの交響曲第0番と、シベリウスの交響曲第2番を取り上げています。日本シベリウス協会の会長を務める新田ユリ氏による指揮に、ブルオケがどこまでついていくか、が聴きどころになっています。

 

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 てなことで、会場には入れず第1楽章はロビーで聴くはめになりました。ただ、楽章の間には入って良いということで、3階席で待機です。そして知ったのですが、ロビーでも音が流れているんですなぁ。これがまた、良い音でロビーにいながら演奏に聞き惚れてしまいました。

 

 で、1楽章が終わると3階席の後ろから潜り込めます。この時、お連れさんが7人ほどいました☺️3階席はほぼ一列貸切です。😊コンサートホールは2階席、3階席の目の前は空間です。ここに音が溢れています。演奏者の顔を拝むのでなければ、このホールに満ちた音を楽しむのも一つのコンサートの聴き方です。なことで、ブルックナーの交響曲はこの席で楽しみました。

 

 

 今回のブルックナーは交響曲第0番でした。なかなか普段は聴くことのない曲ですが、ブルックナーとしては比較的短い作品なので久しぶりに聴くとなかなかの佳曲です。今では第1番の後に作曲されたことがわかっているようですが、ブルックナー特有の原始雲の響きはありません。それでもトレモロの音型はありますからブルックナーらしさは垣間見えます。ここしばらくは新田ユリ氏がこのオーケストラを振っていて、ブルックナーとお得意のシベリウスを組み合わせたプログラムで臨んでいます。このオーケストラはこのブルックナーの演奏に関しては長けていますから、この日も新田氏の交通整理の行き届いた指揮に答えて重厚な響きをホールを満たしていました。ただ、この日も暑い日であったので途中でピッチが狂ってきたのか第2楽章が終わったところで再びチューニングが行われました。下は2005年の小松和彦氏の元で演奏した時のものです。

 

 

 

 

 

 

 休憩後は、友人の用意してくれていた2階席に移動して後半のプログラムを楽しみました。いつも思うことですが、シベリウス交響曲第2番は生で聴くと非常に難しい曲だということがわかります。このブログでは取り上げていませんが、ハンヌ・リントゥ指揮の名フィルと南山大学管弦楽団で実演を聴いていますが、どちらもやたら休止目立つ演奏でブツ切れの音楽になっていました。レコードやCDで聴くと耳がそれを補正してくれるせいかそこまで休止は目立たないのですが、視覚が伴うと音楽の粗が目立ってしまうのでしょう。

 

 新田氏はシベリウスは暗譜で指揮です。第1楽章はアレグレットの指示ですが、冒頭はそれよりゆっくりとした演奏で始まりました。今回の演奏で気がついた事は、冒頭の主題の提示は、アレグレットと言うよりは、アレグロモデラートと言う感じのテンポで主題をメゾフォルテ位の音量でくっきりと浮かび上がらせていたことです。これまでもこのオーケストラはシベリウスを演奏してきているはずなんですが、今回は管楽器のミスが目立ちました。固めとなるホルンの音が安定しず、何度も音がひっくり返りそうになりました。また名曲湯に緊張したのか、トランペットの音の出が揃わないクラリネットが不協和音を出すなど、まるで何かに取り付かれたような演奏になっていました。新田市は必死に店舗と音量をコントロールするように指揮をしていました。

 

 ただ、全体のサウンド的には、ブルックナーの編成を使っての演奏となっていましたから、透明感がありながらも、コントラバスが8本もあると言う重厚な響きで、北欧のどんよりとした空気感と言うものを見事に消失していました。そういう意味では減額は素晴らしく安定したものになっていました。また、新田市は先にあげた給付をあまり感じさせない演出を取り、例えば第1楽章と第二楽章の間は切れ目なくエースすると言う手法をとっていました。本来、この曲は、第3楽章と第4楽章はつなげて演奏されますがこの前半もほとんど休止を取らずに続けて演奏したということで、前半と後半のバランスが見事に取れていました。こういう手法を使っての演奏でしたから、今まで感じた全休符での音楽のぶつ切り感はほぼ解消されていたと言って良いでしょう。そういう演奏、演出はやはりシベリウス協会の会長でもある新田氏の類稀な解釈といっても良いのではないでしょうか。これまでの演奏でこのオーケストラはシベリウスの6番4番と言う偶数番号を演奏してきているので、ここで第2番を取り上げたということなのでしょうが、後へ行くほど交響曲と言うよりは、交響詩と言う雰囲気になっていくシベリウスの作品の中では、1番と並んで一番難しい部類のシベリウスの作品ではないかと思います。残念ながら新田氏のシベリウスの2番はYouTubeに音源はありませんでした。EXTONあたりが女性初のシベリウスの全集に取り組んでくれないかなぁと期待してしまいます。

 

 オーケストラは前半のブルックナーでかなりエネルギーを消耗してしまったのか、後半のシベリウスはやや粗の目立つ演奏になっていましたが、この日37度を超えた猛暑日の中にあって、このコンサートホール内の空気は、多分体感的には− 10度、C位の効果とある演奏ではなかったかと思います。次回からはキス番号の演奏が期待されます。さて、何番が取り上げられるのでしょうか。今から楽しみです。

 

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