過去記事の修正 91
ポップス編
ポップスは最近はリンク切れが多いので、修正には時間がかかります。反対に、記事をアップした当時は音源のなかったものがいまになってアップされているものも多くあり、今回はそういうものも拾って貼り付け直しています。
今では絶滅危惧種のイージーリスニングですから、日本では絶対実現しないコンピュレーションセットでしょう。この「REAL GONE」というレーベルはイギリスのレーベルですが、憎い企画のアルバムセットを次々と発売しています。今回は散財生活のついでにパーシィ・フェイスの4枚組のセットを購入しました。多分パーシィ・フェイスが一番脂ののっていた1960年前後の魅力的なアルバム6枚が4枚のCDにぎっしりと詰まっています。このセットは玉石混淆の多いアートティストの中では珍しくステレオ録音のアルバムばかりを集めています。
このCD1993年にリリースされています。いちおうAlshireからのライセンスを謳ってありますから正規品なんでしょうけれども、CDDAには登録されていません。同じシリーズで「THE WRITE THE SONGS(EMPRCD19)」はちゃんとデータベースに登録されていますから不思議です。ということで、この際登録をしておきました。国内からは様々なレーベルで発売されていて、どうも単独契約でライセンスされているようです。この形での国内盤は見当たりません。
この「アラビアのロレンス」も記憶に残る映画です。個人的には、初めてシネラマの大画面で見た映画で砂漠のシーンでは音が映画館をぐるりと取り囲むように響き渡っていたのを思い出します。ステレオは当たり前で頭の後ろから音が聞こえてくるという立体音響だったのです。そして、目の前に広がる砂漠の広大さに圧倒され映画を見て初めてのどの渇きを覚え、英ガス管では絶対飲食はしないことにしていたのですが、どうにも我慢が出来なくて劇場でコーラを飲んだのを覚えています。そういう原体験がある映画ですから、興味は尽きず、LPを見つけると片っ端から買っていました。昔は映画は映画館かテレビでしか見ることが出来ず、映画の追体験はレコードのそれもサントラ盤でしか出来なかった時代です。
元々この録音はイギリスのIMP(Inovative Music Production)に行われたもので、それを米MCAがライセンス発売したものです。デッカを離れたスタンリー・ブラックがロンドン交響楽団を指揮して録音したというところがミソでしょうか。先に紹介したBBCコンサート管弦楽団との録音よりも古いということはこれが最初のデジタル録音ということになるのかもしれません。
まず、この第2作からは音楽がジョン・ウイリアムスじゃないのです。もちろんテーマ曲と愛のテーマなど主要なメロディはジョン・ウィリアムズの曲がそのまま使われていますが、クレジットはケン・ソーンになっています。これは意外でした。まあ、第1作が配収28億円ありヒットしましたからその勢いに乗った作品ということが出来ますが、音楽的にはジョン・ウィリアムズが降りたということであまり冴えませんでした。実はこの作品二つの版が存在します。一つは劇場公開版、そしてもう一つはリチャード・ドナー版(現在ではブルー・レイ版しか無いのが残念)です。本来第1作と第2作は同時進行して撮影されていましたが、制作費が高騰したために第1作の監督のリチャード・ドナーは途中降板となってしまっています。 でもって、本来は第2作の結末であったシーンが第1作で使われるという珍事が発生しています。
この映画、原作としてアーサー・C・クラークが1982年に「2010年宇宙の旅」という小説を書いていてそれの映画化という事も出来ますが、クラークはキューブリックだけにはこの映画を撮らせたくなかったような事をどこかで語っていました。意見の対立が激しかったんでしようね。メイキング映像ではその辺のところを考慮してか、ハイアムズ監督との打ち合わせはメールを通して意見交換をしたと語っています。監督はハリウッド、クラークはスリランカに住んでいましたからこの話しはまんざらでもないようです。しかし、ホワイトハウスをバックにしたシーンではロイ・シャイダーとNCA議長との会話シーンの左端のベンチに当のアーサー・C・クラークがカメオ出演しているのですから怪しいものです。
デイヴ・ブルーベックといえば「テイク・ファイヴ」で、おそらく作曲者でアルト・サックスを吹いたポール・デズモンドよりも、デイヴ・ブルーベックの名前で記憶している人の方が多いでしょうね。このLPはその「テイク・ファイブ」の含まれる「TIME OUT」というアルバムより2年前に録音され、発売されました。そして、ディズニー映画の音楽をジャズ化するというコンセプト・アルバムが本盤です。
後にも先にもこういう音楽は聴いたことがありません。個人的にはこの第1曲目の「序曲」と題された曲が一番のお気に入りですか、気分は70年代のサイケデリックな世界です。シタールという楽器はビートルズの「ノルウェーの森」という曲で初めて耳にした楽器です。後にはローリングストーンズのブライアン・ジョーンズが「黒くぬれ」でもこの楽器を演奏しています。9本の弦、稼働可能なフレット、下部の振動弦が備わったインドの弦楽器です。ジャケットの右側の楽器ですね。イギリスとインドは東インド会社の時代から深く結びついていますからこの楽器に振れる機会も多かったのでしょう。
多分今の人はARGOなんてレーベルは知らないと思います。知ってる人でも一般にはDECCA翼下のクラシックレーベルとしての存在でしょう。そもそも、ネヴィル・マリナーはこのレーベルでデビューしました。斬新なマリナーのヴィヴァルディの四季は未だにこのレーベルへの録音が唯一です。この時はARGOは時代の波に乗っていたんですね。しかし、イギリス本国ではARGOは決してクラシックの専門レーベルではなかったのです。ドキュメンタリーとしてのアメリカのオーディオ・フィデリティに匹敵するラインナップを揃えていましたし、ドラマの録音シリーズも存在しました。何点かは当時の発売窓口であったキングレコードから発売されてはいましたが、それは蒸気機関車のサウンドを収録したアルバムばかりでした。
こちらは2013年に再発されたもので、初出は2003年2月26日にUCCL1058として発売されています。で、オリジナルのストーリーは当時は地上波ではなくCSのスーパーチャンネルで放送されていたのでまったく視聴出来ない状態であったので、まったくこのリリースは知りませんでした。