アーサー・フィードラーの
ウェスタンと映画音楽
曲目/
A面
1.峠の我が家
2.ライダーズ・イン・ザ・スカイ
3.クール・ウォーター
4.テキサスの黄色いバラ-拳銃無宿
5.レッド・リヴァー・ヴァレー
6.さまよう枯葉
B面
1.煙が目にしみる-映画「ロバータ」
2.ブルー・ムーン-映画「我が心に歌えば」
3.ムーン・リヴァー-映画「ティファニーで朝食を」
4.トゥナイトー映画ウェストサイド物語」
5.日曜はダメよ
6.史上最大の作戦
リーダーズ・ダイジェスト 11S-11
実はこのレコード10月に取り上げた「アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス 夢のファミリーコンサート」というボックスセットのボーナスレコードとして頒布されたもので、なかなか表には出てこないものです。日本ではアーサー・フィードラーというとライト・クラシックの範疇で捉えられがちですが、アメリカ本国ではパーシー・フェイスやヘンリー・マンシーニのようなポップス指揮者としても活躍していました。このブログでも
以前「アーサー・フィードラーのスーパースター 」や「アーサー・フィードラー 忘れられし夢」なんかを取り上げています。まあ、今ではイージーリスニング自体が死に体ですから、フィードラーのこういう側面は取り上げられることがありません。
さて、ウェスタンの曲目は1962年に発売された「POPS ROUNDUP」というアルバムに収録されていました。冒頭の「峠の我が家」なんかは民謡ですな。ウェスタンというと西部劇と思われがちですが、ここでは民謡、フォークソングとして収録されています。
そんなことで、オーケストラの演奏ですが、ハーモニカがピックアップされてどの曲も主要メロディを任せられています。
こちらは一転してエレキギターが活躍します。何となればベンチャーズの演奏で日本ではヒットしましたからねぇ。
『赤い河の谷間(赤い川の谷間)』は、アメリカのフォークソングです。歌詞の中では、西部開拓時代の白人とインディアンの女性の恋が描かれています。これはハープのトレモロで始まりますが、やがてハーモニカが登場してストリングスと絡んでいきます。
B面は「煙が目にしみる」から始まります。ここからは映画音楽ですな。でも、曲目は日本人受けするものがピックアップされています。
アメリカ本国ではフィードラーの60年代のアルバムが続々と復刻されていますが、日本ではとんと発売されることはありません。
ここでの「トゥナイト」はmood music全盛時代の1963年に録音されたもので、編曲はジャック・メイソンによるものです。
「ブルー・ムーン」は第二次世界大戦中に飛行機事故に遭い脚に大怪我をしながらも、軍事慰問を続けた歌手ジェーン・フローマンの半生を描いた音楽伝記映画の「我が心に歌えば」で歌われた曲です。
「日曜はダメよ」のテーマ曲です。ボストン・ポップスは優れたアレンジャーをたくさん抱えていましたから、この曲もシンフォニックでありながら民族色を前面に打ち出した楽しい演奏になっています。
「史上最大の作戦」はノルマンディー上陸作戦を描いた映画でしたが、ここではスタンリー・ブラック並みのシンフォニックなアレンジでファンファーレから始まります。
こういうアルバムは多分CD化はされないでしょうから、せいぜいレコードで楽しむことにします。