過去記事の修正75
歴史書編
この過去記事の修正は音楽関係だけを今まで扱ってきましたが、その他のものも時々リンクを貼っていたり、関連情報を取り入れていたりするのでそういうものも、更新して見ました。まずは愛読書関連です。今日現在、この分野の記事は1300冊以上取り上げています。そんな中でも、最近アクセスが多いのに古い内容のままのものを今回修正しました。
音吉は尾張の国、知多郡の小野浦の出身です。この男は黒船の船上から幕末の日本を見た。1832年、14歳のとき遠州灘で遭難。アメリカの西海岸に漂着。ロンドン・マカオを経て米艦モリソン号に乗せられ浦賀沖に現れながら、ついに日本に帰らなかった。19世紀後半、東アジアに生きた一漂流者の生涯を発掘する気鋭の中国近代史学者の書き下ろし長編評伝。―その数奇な生涯を少ない資料から浮び上がらせることによって、幕末外交に新たな光を当てる。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
ラジオはFM放送しか聞かないのですが、先週のNHK-FMの「トーキング・ウィズ松尾堂」という番組でゲストの坂東彌次郎氏がこの半村良氏の「産霊山(むすびのやま)秘録」をお勧め本として取り上げていました。そんなことで急にアクセスが上がったのでしょうか。SF伝奇歴史小説です。こんな内容です。
はるか古代から続く〈ヒ〉一族は、国が動乱期にさしかかると、特殊な能力を使って危機を救ってきたといわれる。その能力とは、御鏡、依玉、伊吹と呼ばれる三種の神器を使ったテレパシー、テレポーテーションであった。物語は戦国の世、織田信長の比叡山焼き打ちから始まり、関ヶ原、幕末、太平洋戦争、そして戦後の混乱期へと四百年の時を超える。歴史の襞の中で動く〈ヒ〉一族を圧倒的スケールで描くSF伝奇ロマン。
なんか以前からありそうな本のタイトルです。それは「魏志倭人伝」です。しかし、この「偽史日本伝」は歴史書ではありません。あくまでも分類は小説です。そこには奇才清水義範が作り上げたパラレル・ヒストリー・ワールドが満載です。この書も、奇想天外抱腹絶倒間違いなしです。しかし、この本の面白さを充分理解するためには日本史の勉強をちょっとしておかないと面白さは半減してしまいます。
上の偽史日本伝は飛鳥時代の「大化の改新」も取り上げていますが、これはその飛鳥時代の厩戸王子をクローズアップさせた一冊です。個人的に日本の歴史で一番興味のあるのは「飛鳥時代」です。言葉の響きがいいのと、古代史が好きという意味で奈良は色々な遺跡があり、今も新しい発見が続いているということでロマンがあります。また、人物的にもサブタイトルにあるような聖徳太子の17条の憲法をはじめとする律令国家の基礎が出来上がった時代でもあります。一般には崇峻天皇5年(592年)から和銅3年(710年)の118年間にかけて飛鳥に宮・都が置かれていた時代を指すのが通説です。ただ、この本で描き出されている飛鳥時代は、学校の歴史で学んだことと結構食い違いがあるなあ、という印象で、ある意味衝撃を受けています。
星野氏の作品はプログでは最近取り上げ始めたばかりですが、読破しているものは、「宗像教授伝奇考」、「ブルーシティー」、「巨人たちの伝説」なんかがあります。どちらかというと小生もSFから入ったのですが、こ作品なんか、古代日本史と現代を融合している発想が凄いし、何よりも今読むと熊本地震や福島原発の被災を1990年前後で予測していたのかと思う展開で驚かされます。この作品を読んだのが5月下旬でしたのでなおさら地震についての洞察の的確さにびっくりしたほどです。
このブログでは別項を設けている「宇江佐真理むさんの作品です。作家が東京を目指す中、宇江佐さんは地元北海道の函館に居を構え、そこから作品を発表していました。市井の名もない人々を主役に据えて、実在の人物を絡ませた表題作の「桜花を見た(遠山左衛門尉景元)」と、「別れ雲(歌川国直)」の前半の2作品と、あとの3編は実在の人物(葛飾北斎の娘・応為(お栄)を描いた「酔いもせず」、蝦夷松前藩の重臣でもあった画家・蠣崎波響の半生ともいうべき「夷奠列像」、そして蝦夷地の探検に生涯を捧げた最上徳内を主役に据えた「シクシピリカ」の5編が収録されています。