Orchestra B The Third Concert | geezenstacの森

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Orchestra B The Third Concert


日時 2021年8月28日(土) 14:00 開演

場所 愛知県芸術劇場コンサートホール

曲目  
モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス
ベートーヴェン/ 交響曲第7番 イ長調 作品92

指揮 中村 暢宏

 この一年弱の間に3回のコンサートを開催しています。アマチュアとしては驚異のハイペースでのコンサートです。
 
 
 今回記事を書くにあたって過去の演奏会は、音源を付け加えています。
 
 今回も開演に先立ち、ステージ上でウェカムパフォーマンスが用意されていました。

ウェルカムパフォーマンス

・ホルン四重奏 野呂望作曲「4つの小品」
 
 ホルンのパフォーマンスだけ写真を撮り忘れました。ホルンは前には出ず、定位置での演奏をしていました。
 
・コントラバス二重奏 プロコフィエフ作曲「キージェ中尉」よりロマンス

 
・コントラバス六重奏 サンサーンス作曲「動物の謝肉祭」より、ピアニスト、獅子王の行進、亀、像
 

 
・シューベルト作曲 八重奏曲 へ長調 第一楽章
 
 
 今回演奏された作品の中ではシューベルトの八重奏曲は初めて耳にした作品で、その構成と作品の充実度にびっくりしました。こういう出会いがあるからコンサートは面白いです。クラリネット1、ファゴット1、ホルン1、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1、コントラバス1という編成の曲で、組み合わせが独特です。今回演奏されたのは第1楽章だけですがいい曲です。こんな曲でした。

 

 

 

 さて、コンサートはウェルカムパフォーマンスに続いて休憩なしでプログラムに進みます。最初は当初のプログラムには記載されていなかったモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」でした。この曲は元々は合唱曲ですが、今回は弦楽合奏版で演奏されました。上の写真でもわかりますが、今回はコントラバスが六挺と揃っていますので重厚な弦楽合奏となっていました。簡素な編成でわずか46小節の小品ですが、絶妙な転調による厳かな雰囲気から、モーツァルト晩年の傑作とされています。こんな感じの演奏でした。この時期に演奏するとコロナで亡くなった方への鎮魂歌のようにも聴こえます。

 

 

 
 さて、メインのベートーヴェン交響曲第7番です。最初のホルンの曲は四重奏でした。また、コントラバスは六挺です。つまりは今回の演奏は本来の2管編成ではなく、部分部分補強という変則的な編成での演奏でした。
 
 
 最上段左四人がホルンです。コントラバスも六人見えます。さぞかし重厚な演奏かと思いきや、最近はピリオド楽器による演奏が影響してか、かなり早めのキビキビとしたテンポでグイグイ突き進んでいきます。のだめの頃のパフォーマンスとはかなり変わって来ています。そして、序奏が終わり主題が現れると4本のホルンが咆吼します。そういう意味ではダイナミックな演奏です。ただ、久しぶりの演奏か冒頭の全奏でティンパニがちょいとフライングしました。また、緊急事態宣言のせいでやや客の入りが悪く、そのためホールの残響が響きすぎて、前の音が消え切らないうちに次のフレーズに入ってしまうという残念な現象が見られました。
 
 第2楽章もアレグレットの支持のため軽快に流れていきます。昔は「不滅のアレグレット」と言われて初演からアンコールがかかるほど有名な楽章ですが、昔はアンダンテに近いテンポで演奏されたものです。今は軽快なテンポで却って眠りに誘われてしまいます。
 
 第3、第4楽章も、止めと跳ねがくっきりとした演奏で若い演奏者たちがその早いテンポにしっかりと食らいついていき大変充実した演奏になっていました。
 
 個人的には今回は特殊な編成のため、ホルンを十分に楽しませてもらいました。4本の調べはやはり効果的で、2階席で聴いてもホルンパートの旋律を聞き分けることができました。

 コロナがこれで終息に向かえば、年内にもう一回演奏会があるような気がします。どんどん演奏のレベルが上がっていますから楽しみなオーケストラです。YouTubeで煙雨が配信されればまたこのブログに貼り付けます。