アラン・ロンバール/ストラスブールのビゼー | geezenstacの森

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アラン・ロンバール/ストラスブールのビゼー
 
曲目/ビゼー
アルルの女/第1組曲
1.前奏曲
2.メヌエット
3.アダージョ
4.カリヨン
アルルの女/第2組曲から
5.メヌエット
6.ファランドール
交響曲第1番ハ長調

 

指揮/アラン・ロンバール

演奏/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団

録音1975 パレ・デ・コングレ,ストラスブール

ERATO RECD 2582
 
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 これは、エラートがまだRVCから発売されていた頃のCDです。国内ではワーナーからも発売されていないようなので今は廃盤でしょう。フランスのオケによるお国物ということでCD普及期に買った一枚です。うーん、それにしても曲目が中途半端で「アルルの女」の第2組曲はメヌエットとファランドールの2曲しか収録されていません。

 

 さて、「アルルの女」は曲によってちょっとでき不出来があるのが残念です。前奏曲はやや丁寧に音楽を作りすぎて面白みに欠けます。でも、サックスのソロはかなり行けています。2曲目のメヌエットは編集がまずいのか音のつなぎ目で音場がごろっと変わってしまうのが興を削ぎます。また、カリヨンでは主題の歌わせ方が特殊で、他の指揮者と比べると音が一瞬寸詰まりに聞こえるのです。普段聴き慣れている演奏と違うのでよけい違和感を感じてしまいます。

 

 

 

 しかし、第2組曲からの2曲は聴きごたえがあります。メヌエットの方はハープとフルートの響きは決して上手いとは言えませんがあまりビブラートをかけないので素朴な調べで好感が持てます。聴き物はフアランドールです。地響きがするようなプロヴァンス太鼓の響きが圧巻で素晴らしい効果を上げています。このたたみ込むようなリズムに乗ってファランドール舞曲が高揚して行く様はエネルギッシュなロンバールの指揮姿が目の前に浮かぶようです。

 

 

 交響曲似ついては以前小沢征爾シャルル・ミュンシュのものを紹介していますがその二つと比べてもオーケストラのコントロールという点では面白く聴けます。どちらかと言うとややミュンシュよりの豪快な作りの音楽で聴きごたえがあります。第1楽章のアレグロは快調、第2楽章のオーボエソロも素朴な中に品があり味わいがあります。第3楽章のスケルツォもテンポは遅めながらいい意味こぶしのきいた演奏で斬新です。し湯併であるストラスブール管弦楽団も必死に指揮者に食らいついている様が伺え好感が持てます。地方のオーケストラを侮るなかれと言ったところでしょうか。1975年のエラートの録音ですが、バロック録音で見せる線の細さは感じさせず馬力のある音で充分楽しませてくれます。この録音でエラートのオーケストラものを見直しました。でも、ジャケットの絵についての説明書きは一言もありません。センスのいいジャケットだけにこういうところにも気配りがほしいですね。

 

 

 

 

 

 ところで、最近はロンバールの名前はとんと聞かなくなりましたね。どうしているんでしょう。