岩手県陸前高田市の老舗酒造会社「酔仙酒造」が17日、震災後、日本酒を初出荷した。

 津波で従業員7人が犠牲になり、事務所や酒蔵も流されたが、同県一関市にある「岩手銘醸」の醸造施設を借りて業務を再開。看板商品「雪っこ」の出荷にこぎ着けた。初回出荷分は180ミリリットル缶で4万5000本。ふたに陸前高田市の復興シンボル「奇跡の一本松」をイメージしたシールを貼った。

 金野靖彦社長(65)は「いろいろな方に応援してもらってここまできた。今日の気持ちを忘れずに新しい気持ちで出発したい」と話した。【小関勉】

東京電力福島第一原発の事故に伴い閉鎖されていた福島県南相馬市の小中学校のうち5校が17日、もとの校舎で再開した。9月末に緊急時避難準備区域が解除され、除染が済んだためで、震災以来約7カ月ぶりに子どもたちが戻った。

 再開したのは同市原町区の3小学校と2中学校。市内の避難準備区域外の学校に間借りしていた。

 このうち大甕(おおみか)小は第一原発から約21キロと最も近い。放射線の影響を考え、学校側が車での送迎を保護者に頼んでおり、多くの児童が車で登校した。校庭には、地域住民が土に引いて書いた「おかえり」の歓迎の文字も。

文部科学省は14日、東京電力福島第1原発事故を受け、全国の小中高生と教員向けに作った放射線教育の副読本を公表した。従来の副読本にあった原発の安全性を強調する記述は消えたが、福島第1原発事故への言及は前書きだけ。同省は授業などでの使い方については各教育委員会や学校の判断に委ねるとしており、実際に学校現場で活用が広がるかは不透明だ。

 副読本は、小中高校の校種別でA4判18~22ページ。児童生徒用と教員用の各2種類が作られた。各教委と学校に1部ずつ配り、同省ホームページでも掲載している。

 小学校は放射線について「一度に100ミリシーベルト以下の放射線を受けた場合、がんなどになった明確な証拠はない」としつつ「受ける量はできるだけ少なくすることが大切」と促している。中学では、放射線の種類や外部被ばく・内部被ばく、防護方法、避難についても説明している。

 福島第1原発事故には「放射性物質が大気中や海中に放出されました。この発電所の周辺地域では、放射線を受ける量が一定の水準を超える恐れがある方々が避難することとなり、東日本の一部の地域では、水道水の摂取や一部の食品の摂取・出荷が制限されました」などと前書きで記述しただけだった。

 従来の副読本には原発について「大きな地震や津波にも耐えられるよう設計されている」などの事実と異なる記述があり、放射線教育への支援を求める要望も寄せられ、同省が見直しを進めた。専門家や教員による作成委員会を設置し、放射線関係団体からも監修を受けた。【木村健二】

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10月10日の「体育の日」を前に9日、東京電力福島第1原発事故の収束作業が続く福島県の小学校などで運動会が開かれた。同県では従来、春の開催が多かったが、東日本大震災と原発事故からの避難で秋に延期した学校も多い。事前に除染を行い、屋外プログラムの時間を減らすなど、放射線対策を凝らして実施にこぎつけた。

 福島市立大笹生(おおざそう)小は同日、地区住民と合同の運動会を開催。夏休み中に校庭の表土を取り除いて放射線量低下を確認し、さらにこの日は午前8時半の開会から約1時間半で低学年の競技を終えるようプログラムを組んだ。玉入れは子供たちが土に触れないようブルーシートの上で行い、校庭の児童の座席下にもシートを敷設。長袖着用や校舎内での昼食を推奨した。

 4年生の娘に「空き時間は教室にいるように」と話した山田理恵さん(37)は「外にはあまり出したくない」と複雑な表情。一方、運動会を待ちわびていた3年生の安斎駿斗(はやと)君は「今年は百メートル走で1位が取れたよ!」と満面の笑みをみせた