岩手県陸前高田市の老舗酒造会社「酔仙酒造」が17日、震災後、日本酒を初出荷した。

 津波で従業員7人が犠牲になり、事務所や酒蔵も流されたが、同県一関市にある「岩手銘醸」の醸造施設を借りて業務を再開。看板商品「雪っこ」の出荷にこぎ着けた。初回出荷分は180ミリリットル缶で4万5000本。ふたに陸前高田市の復興シンボル「奇跡の一本松」をイメージしたシールを貼った。

 金野靖彦社長(65)は「いろいろな方に応援してもらってここまできた。今日の気持ちを忘れずに新しい気持ちで出発したい」と話した。【小関勉】