10月10日の「体育の日」を前に9日、東京電力福島第1原発事故の収束作業が続く福島県の小学校などで運動会が開かれた。同県では従来、春の開催が多かったが、東日本大震災と原発事故からの避難で秋に延期した学校も多い。事前に除染を行い、屋外プログラムの時間を減らすなど、放射線対策を凝らして実施にこぎつけた。

 福島市立大笹生(おおざそう)小は同日、地区住民と合同の運動会を開催。夏休み中に校庭の表土を取り除いて放射線量低下を確認し、さらにこの日は午前8時半の開会から約1時間半で低学年の競技を終えるようプログラムを組んだ。玉入れは子供たちが土に触れないようブルーシートの上で行い、校庭の児童の座席下にもシートを敷設。長袖着用や校舎内での昼食を推奨した。

 4年生の娘に「空き時間は教室にいるように」と話した山田理恵さん(37)は「外にはあまり出したくない」と複雑な表情。一方、運動会を待ちわびていた3年生の安斎駿斗(はやと)君は「今年は百メートル走で1位が取れたよ!」と満面の笑みをみせた