2年前から続く 残尿感の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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2年前から続く 残尿感の整体治療

膀胱平滑筋と神経叢を解放する内臓整体で改善した症例の解説です
患者Mさん=58才-女性-主婦/パートの症例

 

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①    Mさんの病歴・・・
患者Mさんは、「
耳管開放症・他」の治療で来院されていましたが、以前に寛解していた残尿感も再発-悪化し、日常生活に支障をきたしていたので、本件も併せて整体治療する事になりました。

 



②    Mさんの診察
・Sさんの残尿感が酷くなったのは2年前で、この件で某泌尿器科を受診されたところ、感染性の膀胱炎ではなく、また血液検査や画像検査でも特段の異常もなく、原因不明と言われていたそうです。しかし数か月の投薬治療をした事で一旦は寛解したそうです。その後残尿感のない状態が1年ほど続いていたそうですが、数か月前から再発しているそうです。
・排尿痛や血尿、混濁尿は無いそうです。
・具体的な残尿感の症状は、しっかり排尿しても、膀胱の中に何かが溜まっている様な違和感(尿意)が約30分も続くので、それが気になって何事にも集中する事が出来ず、家事だけでなく、仕事などにも支障が出ているそうです。しかし30分ほど経つと、何事も無かったように残尿感も自然に消失し、通常に生活できるそうです。
・Mさんは10年前に閉経していますが、ただ数年前から外陰部に違和感が生じるようになり、さらに膣の乾燥感も生じてきたそうです。また、軽度の子宮下垂があるそうです。婦人科医より膣に挿入する錠剤の処方を受けていて、それを入れると違和感や乾燥感は軽減するそうです。しかし休薬すると外陰部の違和感と膣の乾燥感はすぐに再発するそうです。(本症例も「
数年前から続く外陰部の違和感と膣の乾燥の整体治療」で治療済み)
・閉経になるまで、特に婦人科的な愁訴(生理痛・過多月経など)や疾患は無かったそうです。
・血液検査は正常ですが、血圧は上が130mmHgで下が96mmHgと、特に下(拡張期血圧)が高めなので、内科医よりディオバン(アンギオテンシン変換酵素阻害剤)を処方されているそうです。
・身長は151cmで体重は44kgだそうです。
・食欲は普通で、排便は毎日あるそうです。
・お子さんは二人で(31才・28才)、二人とも帝王切開での出産だったそうです。普段から左側臥位で就寝するそうですが、帝王切開の術後も、ほとんど左側臥位で就寝していたそうです。
・腹部聴診上、グル音は弱く聴取出来ました。血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、腹部全般的に緊満していて、圧痛部が複数部位に散在していました。特に下腹部左側で、著明な緊張-圧痛部が集中し、臍の左右上方部(腎血管部)もかなり緊張していました。また、腰椎椎体の側面で(特に左側)、消化管との癒着を思わせる硬結感(癒着感)がありました。さらに、恥骨直上深部に、圧痛のある、極めて硬結した、膀胱と思われる緊張部を触診できました。
・左右の坐骨直腸窩に、著明な緊張と圧痛がありました。

 



➂ 治療目標と整体治療…

      膀胱三角および膀胱神経叢の易刺激性を解放する !!
    ⑴    膀胱平滑筋(特に膀胱三角部)の緊張を解放し、膀胱三角部の易刺激性を解消する
    ⑵    膀胱子宮窩にあると推定される癒着を剥がし、膀胱三角部の緊張を解放する
    ⑶    膀胱神経叢の緊張を解放する

・膀胱平滑筋テクニック
・膀胱子宮窩解放テクニック
・膀胱神経叢解放テクニック






④ 経過と結果・・・

    治療終了後3か月経過後も残尿感の再発はありませんでした…
・残尿感の症状に変化がみられたのは5診目からで、「残尿感が少し軽くなったような気がします」と仰っていました。


・しかし6診目には、排尿後に約30分生じる残尿感が、いつもの様に生じていたそうです。


・ところが7診目来院時、「今週も残尿感はありましたが、残尿感があるのは、3回のうち一度くらいに減っています。」と仰っていました。


・8診目来院時、「少しずつ良くなっている気がします。今週は5回に一度くらいしか、残尿感はありませんでした。」と仰っていました。


・9診目来院時、「今週は、一日だけ、それも1~2度(残尿感が)あったくらいで、その他の日には一度も無かったです。大分、良くなっている感じがします」と仰っていました。


・10診目来院時、「今週は、”あっ、少し残っているかな…”と感じる時が一二度あったくらいで、他はほとんど残尿感が気にならなかったです」と仰っていました。


・11診目来院時、「今週も、残尿感はありませんでした」と仰っていました。


・その後12診目、13診目と残尿感は一度も出なかったので、本件の集中治療を終了する事にし、もう一つのMさんの主訴である「不眠症」の治療をしていました。すると通算で16診目に来院された時、「先生、またあの残尿感がでたんです。」と仰るので、改めて残尿感の整体治療を施術する事にしました。すると17診目には残尿感は改善し、さらに触診的にも「恥骨直上深部にある硬結-緊張感」はほぼ解消していたので、一旦集中治療を終了する事にし、これで様子を見て頂く事にしました。


追 記
・Mさんは本件の残尿感だけでなく、別件の治療で当院に引き続き来院されていました。ですから17診目で集中治療終了後も、残尿感の状況を適時確認する事が出来ました。その結果は、1か月後、2か月後および3か月後になっても、残尿感の再発はありませんでした。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
◆残尿感の原因「あれこれ」…
・一般的に残尿感の原因は、細菌性膀胱炎や神経因性膀胱炎が有名です。Mさんについては、前者は検査によって細菌感染は否定されています。そして後者は脳梗塞、脳卒中、脊髄損傷、痴呆やパーキンソン病、腰椎間板ヘルニア、脊髄小脳変性症などが原因とされますから、これらはMさんにありませんから、これも否定されます。


・もう一つの有力な原因として、子宮下垂や膀胱下垂などの骨盤臓器脱も、残尿感の原因として有名です。これについては、Mさんは婦人科医より軽度の子宮下垂があると指摘されているので、残尿感の原因として無視はできないと思います。ただ泌尿器科の担当医は、それが原因では無い、と否定していて、結局残尿感の原因は不明とされています。


・原因不明とはいえ、泌尿器科の担当医より残尿感のお薬の処方を受け(☚どの様な薬なのかは不明)、それで一時的といえども改善していたのですから、やはり細菌性の膀胱炎的な原因(?)も、幾分はあったのかもしれません。

 


◆「原因不明」の原因を推測する…その突破口二つとは ?!
・以上の事を踏まえ、改めてMさんの残尿感の原因を考え、それを実践していかねばならないのですが、そこで考えた突破口は、
二度の帝王切開歴
恥骨直上深部に、圧痛のある、極めて硬結した、膀胱と思われる緊張部を触診
といった所見でした。


・帝王切開の術部は左右の恥骨結節の直上部とMさんからお聞きしていましたが、同部は上記の硬結した触診部分でもあります。この事から類推する解剖学的事情として
  帝王切開の術後の後遺障害として、膀胱平滑筋への影響・・・❶-緊張or硬結
  膀胱子宮窩の癒着・・・❷-神経の密集部である膀胱三角(下記注1参照)への刺激
  膀胱神経叢の癒着・・・❸-神経刺激

などの後遺障害が残存する可能性があります。

 

 

 


◆残尿感の原因…帝王切開術後の後遺障害が膀胱三角・膀胱神経叢を刺激しているのか ?!
・そしてそれらは、
❶より、膀胱平滑筋(膀胱三角部)の柔軟性が失われ、通常なら排尿して膀胱平滑筋が弛緩するのにMさんでは弛緩しきれず、緊張状態が維持される事で、残尿感に影響する
❷より、癒着部分からの膀胱三角部への直接刺激が残尿感の原因となる
❸より、癒着による膀胱神経叢の失調により、排尿した後も信号を脳に送り続け、残尿感の原因となる
などの仮説を考察させます。また上記仮説にプラスして、先述の「軽度の子宮下垂」も関与しているのかもしれません。

 

 


◆整体治療方針と整体テクニックの決定 !!
・以上の事から、上記③「治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
 
  ⑴    膀胱平滑筋(特に膀胱三角部)の緊張を解放し、膀胱三角部の易刺激性を解消する
    ⑵    膀胱子宮窩にあると想定される癒着を剥がし、膀胱三角部の緊張を解放する
    ⑶    膀胱神経叢の緊張を解放する

を設定し、その整体手技として、
    ・膀胱平滑筋テクニック
    ・膀胱子宮窩解放テクニック
    ・膀胱神経叢解放テクニック

を施術しました。

 


 

 

◆5~6診目でⅯさんの自然治癒力が回復、13診目で緩解…ところが、、、
・5~6診目くらいまでは、その効果はハッキリとしませんでしたが、7診目頃から次第に効果が現れ始めて順調に推移し、12診目、13診目と残尿感は一度も出なかったので、本件の集中治療を終了する事にし、それ以降はMさんの長年の悩みである不眠症の治療に専念する事にしたわけです。

 


◆治療終了後も少し原因が残っていた?? 治療を終了する時期の判断は一番難しい !!
・ところが落とし穴が16診目に待ち受けていました。Mさんの言葉によると、「先生、またあの残尿感がでたんです。」と仰られたのです。内心「アチャ~」と思いました。正直申しますと、症状は12~13診目にはほぼ解消していましたが、ただ触診的には、恥骨直上深部にある硬結-緊張感は、まだ少し残存していたのです。つまり上記仮説に従うと、Mさんの病因は、まだ完全には解消しきれていなかったのでしょう。でも、Mさんの残尿感は約3週間に渡って解消していたので、「取りあえず終了してもいいかな」と考えたのでした。

 

 


◆患者の症状報告と治療家の客観的所見の合致が治療終了の決め手…
・結果的にはこの考えが甘かったわけです。そこでMさんとお話し、この硬結がもう少し改善するまで施術を続けることにしました。その甲斐あって比較的早期に「恥骨直上深部にある硬結-緊張感」は解消したので、これで本当の意味で本件の集中治療を終了する事にしました。

 

・上記「④ 経過と結果…追記」でも記しましたが、1か月後、2か月後および3か月後になっても、残尿感の再発はありませんでしたので、今回のMさんの残尿感症例は、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と思います。






注1)    膀胱三角
膀胱三角は膀胱底の後面にあり、その後方に膀胱子宮窩を経て子宮の前壁が接する部位にある、逆三角形の領域で、上の2点が左右の尿管口が開く部位で、下の1点が、尿が膀胱から出ていく内尿道口にあたる。同部は平滑筋層が厚く、かつ弾性線維も豊富で、さらに神経が密集している部位でもある。膀胱の内面は、完全に排尿した状態では萎んでいて、多くのヒダがあるが、尿が満杯時には膨張してそのヒダもなくなる。但し膀胱三角部だけは常に平滑である。

 

 

 

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それではお大事にしてください。

 

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