三日間続く両足の脛の痛みと整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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三日間続く両足の脛の痛みと整体治療
慢性コンパートメント症候群(前脛骨筋症候群)の可能性…

患者Nさん=77才-女性-主婦の症例

 

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①    Aさんの病歴・・・「三日前から脛の痛みがとれません」
患者Aさんは、数日前に日帰り旅行に行かれ、その時に1万5000歩ほど歩いたそうです。その日はそれ程痛くなかったそうですが、その翌日から両足の脛の部分が痛くなり、それが三日間も続いていて(当院来院時)、痛みが引く気配が無いそうです。Aさんは本来別件(
ハント症候群の後遺障害=顔面麻痺のメンテナンス治療)で来院する事になっていましたが、急遽本件について整体治療する事になりました。本件で整形外科などの医療機関は受診していません。

 



②    Aさんの診察
・血圧は覚えていないそうですが、血液検査で血糖値など、特段の異常は今まで指摘されたことは無かったそうです。
・痛む部位は両下腿の膝下から足首にかけての脛の部分で、持続性の安静時痛(鈍痛)がするそうです。痛みの強度は5~6/10程度ですが、痺れ感は無いそうです。痛みが軽減する姿勢などは無いそうですが、足首を自動伸展すると痛みが少し増すそうです。下腿の麻痺や腫脹(水疱)、触刺激による錯感覚はありませんでした。
・Aさんの自宅から当院まで電車や地下鉄などで約1時間の距離ですが、跛行や間欠跛行なども無く歩行して来られたそうです。階段の昇降もできるそうです。また腰痛はあまり無く、坐骨神経痛も無いそうです。
・Aさんは元々地方公務員でしたが、定年になってから定職にはついていないそうです。ただ日ごろからウォーキングを心がけていて、ボランティアの仕事で度々市街地に出たり、あるいは趣味の寺社巡りなどの際、1万歩前後(あるいは1万5000歩以上)歩く事はしょっちゅうあったそうです。その際、多少の足腰の痛みはあっても、帰宅して休むと痛みは軽快-消失していたそうです。またマッサージなどの下肢のケアは今まで一度もした事がなかったそうです。
・両大腿動脈の拍動は左右ともしっかりと触診でき、左右差はありませんでした。膝窩動脈や足背動脈では左右ともほとんど触診しにくいほど微弱でした。後脛骨動脈もほぼ同様でした。
・下肢の静脈瘤は、小さなものが少しある程度で、大きなものは無いそうです。また皮膚の変色も無いそうです。
・下肢の神経学検査上、両下腿に軽度の違和感はあるものの知覚の左右差は無く、あるいは手袋状・靴下状の違和感もありませんでした。また運動機能に特段の所見はありませんでした。
・排尿や排便に問題はありませんでした。
・膝蓋腱/アキレス腱反射は微弱で、ラセーグテスト、アンビルテストは陰性でした。
・下肢の触診上、両足首とも他動的な伸展で脛の痛みが少し増強しました。両方のふくろはぎとも(下腿三頭筋)緊満していました。また前脛骨筋と脛骨の隙間、あるいは後脛骨筋と脛骨の隙間も著明に緊張し、手指が入らない状況でした。さらに両膝窩とも緊張していました。足や下腿に圧痕はありませんでしたが、やや浮腫みかげんでした。

 



➂ 治療目標と整体治療・・・

      下腿の血流を阻害している筋肉硬化を解放する !!
    ⑴    前脛骨動静脈の絞扼を解放し、足から下腿間の動静脈血流を回復する
    ⑵    膝窩筋膜の緊張を解放し、膝窩動静脈の動静脈血流を回復する
    ⑶    整形外科の診察の勧めと、ウォーキング後の下肢のケア方法の指導

・前脛骨動静脈解放テクニック
・後脛骨動静脈解放テクニック
・腓骨動静脈解放テクニック
・膝窩動静脈解放テクニック
・大腿動静脈解放テクニック

 





④    経過と結果・・・初診で軽快、、、4診で解消 !! 
・初診施術後、

「足(下肢)が軽くなって、ス~ッとします」と仰っていました。
 

・2診目来院時、

「(三日感続いていた)脛の痛みはほとんど感じませんでした。」と仰っていました。ただ足首を他動伸展すると、脛に若干の痛みを誘発できました。


・3診目来院時、

「実は、三日前に寺社巡りをしたのですが、痛みはほぼありませんでした。」と仰っていました。足首の他動伸展で脛の痛みの誘発は生じませんでした。また、初診時に触診できた「前脛骨筋と脛骨の隙間、あるいは後脛骨筋と脛骨の隙間も著明な緊張」もほぼ解消し、さらに「ふくろはぎ(下腿三頭筋)の緊満」も軟らかくなっていました。


・4診目来院時、

「この四日間、歩いても脛の痛みは一度もありませんでした。」と仰っていました。また足背動脈、膝窩動脈および後脛骨動脈の拍動は5~6/10程度までに回復していましたので、整形外科の受診の勧めと、ウォーキング後の下肢のケア方法を指導した上で、今回の集中治療を終了し、様子を見て頂く事にしました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
◆ コンパートメント症候群の疑い…手術の可能性を視野に入れた診察が必要
・本症例が、もし当院が推定する「コンパートメント症候群(下記 注1参照)」であれば、最悪の場合手術が必要となるケースもあるので、本来は整形外科での精査を勧めるべき症例かもしれません。しかし来院時の所見(脛の疼痛は持続しているものの下腿の麻痺や腫脹(水疱)は無く、触刺激による錯感覚も無かった)などから緊急の状態ではないと考え、また当院での減圧治療で充分効果が出るのではと推測できたので、そしてさらにせっかく遠方から痛みを堪えつつ来院された事もあるので、当院で施術する事にしました。その上で、整形外科の精査を勧める事にしました。

 

 


◆ コンパートメント症候群である根拠…
・改めてAさんの所見をみると、その主訴が「両下腿の脛の部分の持続性の安静時痛(鈍痛)」である事、そしてAさんが普段からウォーキングを心掛けていているも下肢のケアは一度もしていない事、さらには今回の誘因も1万5000歩も歩いた翌日に発症し痛みがまる三日間も続いている事などから、下腿の長期間に及ぶ筋疲労-硬化による血流障害=コンパートメント症候群(区画症候群/前脛骨筋症候群)である事は、ほぼ間違いないと思われました。

 

 


◆ 他疾患との鑑別…
・ただ鑑別として脛骨や腓骨の骨折、変形性腰椎症or椎間板ヘルニアによる神経痛、脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性神経障害などの可能性もあるので、それらを示す所見がないものかと改めて診ましたが、上記「② Aさんの診察」から、それらを示す所見が見当たらなかったので、上記仮説の可能性、つまり慢性のコンパートメント症候群がやや進行した状態ではないか、と考えました。

 

 


◆ 初診治療から著効・・・
・冒頭に記したように、本症は場合によっては緊急の減圧手術が必要となるので、その点を留意しながら「➂ 治療目標と整体治療」にある整体手技を施術したところ、初診から著明に回復したので上記仮説が妥当なものであると考えました。また初診の治療で著効があった事から、あと数回も施術すれば急性期を脱してある程度筋疲労-硬化が緩和(血流安定化)できるのでは、との推測もできたので、その後も通院して頂く事にしました。ただ念のため、整形外科での精査を進めは勧めておきました。

 

 


◆整体治療で効果が出る理由・・・下腿だけでなく膝窩や大腿の血流改善も効果増大の決め手
慢性のコンパートメント症候群は、筋肉の慢性的なオーバーユーズによる筋肉疲労/硬化/腫脹によって筋区画内の内圧が上昇する事が血流阻害の主因ですから、その筋肉疲労/硬化/腫脹を緩和できれば、自ずと血管の絞扼も解除され、血流が再開して筋壊死は防ぐ事が出来ると考えられます

 

下腿では、筋肉の筋肉の狭い隙間を血管が走行する


・ただこの手技は、通常の指圧やマッサージでは効果が出にくいと考えられます。なぜならそれらのテクニックは筋の圧迫を招き、かえって血流を阻害する可能性があるからです。ですから当院では筋圧迫を避け、逆に内圧を解除する様な整体手技を開発し、それを施術する事にしています


・さらに本症の整体治療は下腿だけではなく、膝窩や大腿にも当院では施術するようにしています。例えば膝窩(膝関節の裏側)には、関節を安定化するために多数の靱帯群が走っていて、それらは一部重なって面状になっています。その後方にはハムストリング筋や下腿三頭筋などの腱(or扇状の腱膜)が、それぞれ膝窩を跨ぐように広がって停止しています。膝窩動静脈はその両者に前後を挟まれる形で縦走しているので、前方にある面状の靱帯群と後方の腱(腱膜)がオーバーユーズなどにより緊張・肥厚すると両者に血管が絞扼され、血流が阻害される可能性があるからです。

 

膝窩の靱帯群は膝関節を安定化する



◆ 再発防止のためのメンテナンス治療も重要
・Aさんは元々、10年近く前に集中治療した件「ハント症候群の後遺障害=顔面麻痺」のメンテナンス治療ために、年に3~4回のペースで来院されていました。今回の足の脛の痛み(コンパートメント症候群の可能性)については、上記メンテナンスのために約4か月ぶりで来院された際に、たまたま相談を受けた事が発端で、偶然治療する事になった訳です。


・この経緯から、もしこの偶然が無かったら、いつものメンテナンス治療のための来院が数日遅れていたら、整体治療では間に合わずに手術の可能性になっていたかもしれません


・Aさんは常々ウォーキングを心掛けているので、将来的に再発の可能性は充分あります。ですからその防止のためにも、下腿の血流を良好な状態に維持しておくために、ハント症候群後遺症のメンテナンス治療と併せて、コンパートメント症候群のメンテナンス治療を年に数回する事をお勧めして、今回の集中治療を終了する事にしました






注1)    コンパートメント症候群(区画症候群)とは…
下腿や前腕などでは、筋肉群が骨間膜や幾つかの筋膜で閉鎖された空間(コンパートメント=筋区画)にスッポリと収まっています。そしてその区画内で、各筋肉と筋膜の間に生じる狭い隙間の中を血管や神経などが走行しています。この筋区画は閉鎖性が強いので、何らかの理由で内圧が高まると血管が絞扼され、足や下腿の筋肉などに筋壊死などの阻血性障害が生じる事があります。これをコンパートメント症候群(区画症候群)と呼びます

 

下腿の血管は、骨間膜や筋肉(筋膜)の隙間(コンパートメント)を走行する

 


コンパートメント症候群は急性タイプと慢性タイプがあります。前者の原因は外傷性の骨折や内出血、あるいは長時間の圧迫(ギプスなトド)などによる区画内の内圧増加が多く、後者では長距離走などの下肢を酷使するスポーツによる筋肉硬化/腫脹によって区画内の内圧増加する事が原因します。ウォーキングを趣味にされているAさんは、正に後者のタイプだったと思われます。


一般的に筋肉は、6~8時間以上の阻血状態が続くと不可逆的変化(筋壊死)が生じると言われています。ですから前者=急性コンパートメント症候群の場合は、筋膜切開をして区画内を減圧し、血流を再開する手術をする事がしばしばあります。後者=慢性コンパートメント症候群の場合でも、「下腿の麻痺や腫脹(水疱)、触刺激による錯感覚、足の他動伸展による疼痛増強」などの所見があれば、手術の適否を検討する事になります。
 

 

 

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それではお大事にしてください。

 

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