20年以上続いている頻尿-尿意切迫感(過活動膀胱or間質性膀胱炎?)と整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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20年以上続いている 頻尿-尿意切迫感

過活動膀胱or間質性膀胱炎(?)の整体治療
患者Rさん=42才-女性-主婦の症例

 

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①    Rさんの病歴・・・
患者Rさんはかなり以前から2時間に一度は排尿のためにトイレに駆け込むほどの頻尿状態で、1日に10回以上もトイレに行き、毎回「漏れそう…」といった尿意切迫感(尿意逼迫)があるそうです。また排尿時にかなりいきんでも尿は勢いよく出ず、「尿を出しにくい」と感じているそうです。2年程前に近医で「過活動膀胱」との診断を受け、お薬を処方されましたが全く効果が出ず、未だに1日に10回以上の排尿があるそうです。ちなみにRさんは10代の頃から頻尿気味でしたので、20才の時に病院を受診すると担当医より「間質性膀胱炎です。また膀胱が小学生並みの大きさしかありません」と言われ、治療を受けていたそうです。しかし効果は無く、薬の種類を6~7種類と変えても症状に変化は全く無かったそうです。Rさんは別件(子宮下垂、過敏大腸による軟便-下痢便、両足の坐骨神経痛、外陰部のただれ・掻痒感など)で当院に来院されましたが、本件も並行して整体治療する事になりました。





②    Rさんの診察
・排尿の量は少量の事が多いそうです。排尿痛や残尿感は無いそうです。また、血尿・膿尿や混濁尿も無いそうです。
・Rさんの身長は164cmで体重は75kgだそうです。20代は50kg台だったそうですが、年々肥満傾向になり、二人目のお子さんの出産後(☚5年前)に68kgになり、その後徐々に増えて現在に至るそうです。思春期も肥満傾向だったそうです。
・妊娠-出産の特段の異常は無く普通分娩だったそうです。
・血液検査において中性脂肪が少し高い以外は、特段の異常は無いそうです。血圧は128/90mmHgだそうです。
・頭顔面や下腿の浮腫はありませんでした。眼球結膜の黄染はありませんでした。
・甲状腺の腫脹や萎縮はありませんでした。
・胸部や腹部の血管雑音、あるいは心音・呼吸音に異常はありませんでした。
・腹部聴診上、グル音はかなり小さめに聴取出来ました。血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、全般的に膨隆傾向でした。しかし緊満感はあまりありませんでした。左右の鼠径靭帯内側に著明な緊張と圧痛がありました。また、腹部の消化管全般に著明な緊張と圧痛がありました。特に下腹部、右季肋部(門脈部)、十二指腸空腸曲部、S字結腸部などに極めて強い緊張と圧痛があり、さらにひどい部位は恥骨直上部で、やや肥厚した膀胱体部を触れました。子宮底の触診は出来ませんでした。肝脾腫その他の腫瘤感-抵抗感はありませんでした。
・下肢の神経学検査では、左下肢全般の知覚が右下肢に比べて10-20%程度低下していました。特に、左下腿外側と左臀部上部が一番低下していました。下肢の徒手筋力テストで優位な差はありませんでした。
・月経周期は28日周期で月経期間は平均3日(☚数年前まで5日)だそうです。生理痛や排卵痛はほとんど無いそうです。オリモノに特段の異常は無く、不正出血も無いそうです。
・婦人科での診察では、子宮後屈の有無は教えてもらわなかったそうです。
・4年前にL5-S1(左側)の椎間板ヘルニアで左下肢の坐骨神経痛があったそうです。手術予定でしたが、都合により手術はせずに、保存療法で治療-治癒したそうです。排尿-排便に異常は無かったそうです。しかしその後も左下肢のしびれ感が残存しているそうです。
・かなり以前から外陰部に慢性的なただれ(発赤と痒み)があり、抗菌剤の処方を受けているそうですが、改善していないそうです。
・十代のころから週に3-4回は腹痛・下痢があったそうです。今では排便は毎日あるそうですが残便感があり、軟便-下痢便が多いそうです。某病院で過敏性大腸では、との診断を受け、投薬治療を受けていますが、改善していないそうです。
・左右の足先に冷え性があるそうです。また、左右臀部も触ると冷たく感じるそうです。
・1年前に左足をぐねって捻挫した際に、リスフラン関節に脱臼骨折があったそうです。今は治癒して正常歩行できますが、左足をかばって歩いている節がある、との事です。
・上記以外にも慢性的な肩、首、腰のコリ-痛みや全身の倦怠感、あるいはその他の不定愁訴もあり、毎朝起床の度に辛いそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療
    ⑴    膀胱平滑筋の疲労-緊張を解放する
    ⑵    圧迫-絞扼されている可能性のある骨盤神経や内腸骨動脈を解放する

・膀胱の平滑筋テクニック
・骨盤神経解放テクニック
・内腸骨動脈解放テクニック

 

 



④    経過と結果・・・
・3診目来院時、

「少しだけ(尿を)出しやすくなりました」と仰っていました。しかし頻尿傾向に変化は無かったそうです。


・4診目来院時、

「トイレに行く回数に変化はありませんが、以前の様に(尿意)切迫感は無くなってきました」と仰っていました。


・5診目来院時、

「(前回と異なり今回は)少し切迫感が強くなり、夜中に尿意で目が覚めることがありました」と仰っていました。


・6診目来院時、

「何か、少し膀胱に尿を溜められている感じがします」と仰っていました。


・7診目来院時、

「排尿回数は変わりませんが、尿の量が少し増えている感じがします。射出力は変化がありません」と仰っていました。


・10診目来院時、

「排尿の回数が7~8回/日に減っています。また、3時間から3時間半くらいまで排尿間隔が開きましたし、我慢もできるようになりました」と仰っていました。


・13診目来院時、

「排尿の間隔が4時間前後の日が続いています。射出力も出てきていますし、今は一日に5~6回まで減りました」と仰っていました。ほぼ平均に近い数字になっていましたので、とりあえず治療を終了し、様子を見てもらうことにしました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
◆ 小学生並みの膀胱の大きさ…それが尿意切迫の原因 ? 

・Rさんの問診内容で一番気になる事項は、担当医から「20才の時に膀胱が小学生並みの大きさしかありません」と仰っていた事です。今から20年以上前ですから詳細までは覚えておられなかったので、これが間質性膀胱炎によるものかどうかは不明でした。ただ、今回の診察でもRさんの恥骨直上=膀胱頂部=に極めて著名でウズラ卵様に肥厚した緊張部が触診できたことから、今でも膀胱が小学生並みの大きさしかないことが予想されました。この状態では、通常ではマックスで500cc(~800㏄)まで著尿出来るはずの膀胱が、Rさんではその数分の一で満杯になってしまうので、頻尿気味になるのは容易に想像できます。・・・A

 

 

 

 

◆ 骨盤内での炎症の多発…それが尿意切迫の原因 ? 
・またRさんは別件治療の愁訴(子宮下垂、過敏大腸による軟便-下痢便、両足の坐骨神経痛、外陰部のただれ・掻痒感など)から分かる様に、骨盤臓器群の愁訴が非常に多く、骨盤内で炎症が頻繁に生じていたのかもしれません(骨盤内炎症症候群の可能性?)。その根拠の一つとして、Rさんは某病院で大腸過敏症の診断が出ていますが、本症が長引くと大腸憩室症を生じやすく、仮にそうであればその漸弱になっている憩室部分が破綻し軽度のバクテリアルトランスロケーション(BT)的=下記注1参照=な病態になっていた可能性があり、それが骨盤内炎症症候群を引き起こしているのでは、と推定されるからです。この様な骨盤内の度重なる炎症やその産出物である膿、あるいはその瘢痕などによって骨盤神経などの神経群を絞扼・癒着・刺激し閾値が低下しているかもしれません(☚知覚過敏)。それが尿意を頻繁に起こしているかもしれません(頻尿)。・・・B

 

 

 

 

◆ 骨盤臓器への血流障害…それも尿意切迫の原因 ? 
・さらに同様の機序で内腸骨動脈流域の各枝動脈(例えば上・下膀胱動脈など)が絞扼され、血流障害を来して膀胱粘膜(移行上皮細胞)の再訪再生(ターンオーバー)を障害・遅延させ、間質性膀胱炎の一因になっているのかもしれません。・・・

 

 

 

 

A~C 三つの原因をまとめて治療する方法とは…
・この様な仮説からAに対しては、
    ⑴    膀胱平滑筋の疲労-緊張を解放する
B、Cに対しては、
    ⑵    圧迫-絞扼されている可能性のある骨盤神経や内腸骨動脈を解放する
の治療目標を立て、それぞれ
    ・膀胱の平滑筋テクニック
    ・骨盤神経解放テクニック
    ・内腸骨動脈解放テクニック

の整体テクニックを施術する事にしました。

 


・その結果、20年以上に及ぶ頻尿が大幅に改善したので、そこそこ時間はかかりましたが、その甲斐はあったのでは、と思います。


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注1)    BT(バクテリアル-トランスロケーション)
消化管内に生息する腸内細菌が何らかの理由によって周囲組織に浸潤したり、あるいは血行性に他臓器や場合によっては全身に浸潤する病態。様々な腹部疾患や免疫力低下などで生じると言われているが、これら病的な状態が無く健康な状態でも生じるケースもある。

 

 

 

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