注 ※ 本ブログの全ての記事は、極力 PC版にて、
ご覧になられる事をお勧め致します。
スマートフォン版だと、非常に読み辛いかと思います。
いよいよ、ここ和歌山市でも桜が満開となった。
皆様方の地域は如何だろうか?
毎年、桜を見る度に、私は命のありがたさ、
生かされている事への感謝を、深く噛み締めざるを得ない。
25年前、もう2度と、生きて桜を見る事は出来ないだろうと、
病院の窓から桜を見た、あの瞬間を思い出すからである。
今年もこうして桜を見れる事は、幸せ以外の何物でもない。
「当たり前」が、実は「当たり前」ではなく、
当たり前な日常こそが、奇跡そのものであり、
幸せに満ちているのだと気付かされた時、
人は足る事を知り、生きているだけでありがたく、
十二分に幸せな事だと、日々感謝に満たされるのだろう。
ちなみに、撮影したのは、今月の10日だったが、
数日後には、花も随分と散って、葉桜となりかけていた。
有為転変、泡沫夢幻、諸行無常・・・
全てのものは刻々と形を変え、留まる事を知らない。
だからこそ、一期一会なのだろう。
2度とは来ない、その瞬間瞬間を味わい、
大切に、丁寧に生きたいと願うばかりである。
さて、いきなりセンチな冒頭となってしまったが、
気分を変えて、双眼鏡の話題を始めよう。
この所、広角タイプの双眼鏡の記事が続いているが、
理由の一つとして、私自身が広角視界の双眼鏡が好みだ、
と言う事もある。
仕事柄、これまでにハイエンド機種からエントリー機種、
最新のモノから戦前のモノまで、
数百種類の様々な双眼鏡を覗かせて頂いたのだが、
流石にそれだけ色々と覗いていると、
自分の好みもハッキリと明確に分かって来るようだ。
また、知れば知るほど、双眼鏡に求めるものや、
好みが変化したりもする。
人の好みは千差万別で それぞれだが、私の場合に限っては、
古今東西の新旧様々な、数多くの双眼鏡を体験すればする程、
ヴィンテージ双眼鏡に惹かれて行き、残念ながら、
現行のハイエンド品には殆ど興味が無くなってしまった。
また、現時点での、私が双眼鏡に求める、
双眼鏡の見え方の好みの一つの例として、
覗いた際の視野環(円?) が大きく、視界の広い、
広角タイプの双眼鏡を好むようだ。
ただし、例え広角であっても、円が小さく見えるモノよりは、
広角でなくても、円が大きいタイプの方が好きである。
つまりは、双眼鏡を両眼で覗いた際に、
以下の画像のような、円の中に像が見えると思うが、
この円が大きく見える双眼鏡が好きだ、と言う事である。
遠くに円( 像 ) が見えるような、
こちらから像を覗きに行かなければならないような、
少々窮屈な感じがするものよりも、
円の中に見える像の中の世界に、
自分が迷い込んでいるかのような感覚にさせてくれる、
或いは、像が目の前に迫って来るかのような、
より開放的で、ダイナミックな視界が得られるものが好きである。
以下の画像イメージの、A よりもB が好き、と言う事になる。
それが広角タイプであれば、尚一層良いと言う事だ。
A
B
今回は、そんな上記の私の好みにピッタリと当て嵌まる、
広角双眼鏡の名機の一つを取り上げたいと思う。
以前の記事でも、何度か登場した事もある、
アメリカはニューヨーク州 SARD社の軍用 広角双眼鏡で、
世界中のマニアから、「聖杯〜Holy Grail 〜」と呼ばれている、
SARD 6×42 Mark43 である。
SARD Mark43 6×42 が登場する以前の記事
↓
正直、本機の素性に関してはあまり詳しい情報はなく、
SARD社の双眼鏡と言うのも、この 6×42 Mark43 以外は、
殆ど知られておらず、残念ながら私も聞いた事が無い。
もし、SARD に関して、詳しくご存知の方がいらっしゃれば、
是非とも御教示願いたいと思う。
また、現在 SARD社は双眼鏡は製造しておらず、
恐らくではあるが、双眼鏡を製造していたのは、
ほんの限られた一時期であったようだ。
しかしながら、この Mark43 6×42 は、
世界中のマニアの間で有名であり、
敬意を込めて「聖杯 Holy Grail」と呼ばれている。
滅多に他国の機器を誉めることのない、
ハンスシーガー博士も、ベタ褒めされている名機でもある。
まず、FOV= 207m/1000m ( 11.6°) と、
圧倒的な広視界を誇る。
そんな SARD Mark43 6×42 の完全オーバーホールの
ご依頼を頂いたのであるが、今回の個体は、
非常に興味深い経緯を持つ個体であった。
実は、オーナー様が入手される前に、前オーナーによって、
世界的にも有名なイギリスの双眼鏡修理の専門会社によって、
オーバーホールが実施された個体であった。
世界的に有名な、歴史ある双眼鏡修理の専門会社が、
一体どのような修理、オーバーホールを行ったのか!?
そのクォリティーは如何程のものなのか!?
個人的にも非常に興味深く、その辺りも意識しながらの
オーバーホール作業となった・・・。
〜 後編に続く
〜 お陰様で、6年目 〜
皆様方には、心より感謝申し上げます。
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