2023年 記憶に残る 双眼鏡の機種紹介 | BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

ギター、双眼鏡、オーディオ、 趣味関連の記事を書いていく予定です。
皆さんが、より幸運に恵まれ、より豊かになりますように。。。
愛念の願いを込めて、Be Lucky Rich More です(^^)
私自身が、ワクワクドキドキ出来る事だけを記事にします。
〜 SINCE 2015.4.8

注 ※ 本ブログは、極力 PC版にてご覧になられる事をお勧め致します。

   スマートフォン版だと、非常に読み辛いかと思います。

 

 

早いもので、今年も残すところ、後1日となった。

 

 

振り返れば、ここ数年は大変有り難い事に、

 

正月もお盆もGWも関係なく、年中無休でほぼ毎日、

 

双眼鏡を触らせて頂いている。

 

 

お陰様で、今年も多くの双眼鏡達との ご縁を頂いた。

 

 

昭和のNikonのヒット作である、Nikon LOOK8 から、

 

定番のデルトリンテムや Oberkochen 、ヘンゾルト、

 

はたまた、極めて激レアで稀少なコレクターアイテムまで、

 

古今東西 新旧様々な双眼鏡達を手掛けさせて頂いた。

 

 

双眼鏡界のドクターX 、等と言ってくれる方もいたりして、

 

光栄の極みと言うか、少々こそばゆい気もするが、

 

今年も多くの双眼鏡を蘇生させて頂けた事を、

 

大変幸せに感じている。

 

 

また、私自身も何だかんだで多くの双眼鏡を入手させて頂いた。

 

 

その中でも、特に印象に残った機種を紹介したいと思う。

 

 

尚、今回は「稀少性」や「歴史的価値」等は考慮せず、

 

あくまでも個人的に「見え味で感銘を受けた機種」と言う趣旨で、

 

紹介させて頂きたいと思う。

 

 

 

では、まず最初に紹介したいのは、フランス海軍の潜水艦用双眼鏡、

 

HUET PARIS S.G.O. 8×40 marine nationale  だ。

 

 

一度見たら忘れられない、非常に個性的なルックスだ。

 

アッベケーニッヒプリズムが使用されている事もあって、

 

「 フランス版 Dialyt 」とも呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、潜水艦用の双眼鏡こそが、色んな意味で、

 

「最強の双眼鏡」と言われているのだが、

 

本機を一度覗けば、その圧倒的な像の存在感に

 

脳ミソが釘付けになってしまうだろう。

 

 

今年の夏の終わり頃に、本機と他にも最近のハイエンド機種も含め、

 

合計5台ほどの双眼鏡を持参して、海辺の景色を覗いた事があった。

 

 

FOV =192m/1000m ( 約11° ) の広視界は、やはり圧巻で、

 

8×40 のスペックと相まって、

 

非常に開放的で、濃密な景色を楽しませてくれた。

 

 

実は本機をフィールドに持ち出したのは、その時が初めてだったのだが、

 

その圧倒的な像の迫力と存在感に魅せられて、

 

すっかり本機の虜となってしまった。

 

 

言い方は悪いかも知れないが、正直に告白すると、

 

他にも持参した数種の双眼鏡達が全て、

 

オモチャのように感じてしまったのである。

 

 

像の説得力、訴求力が、まるで比較にならず、

 

私は殆ど、この機種でばかり景色を楽しんでいた。

 

 

他に何を持参したのか!?は、他の双眼鏡達の名誉の為に、

 

敢えて機種名は伏せておく(笑)

 

20諭吉超えのハイエンド機種が、数機種あったのだが・・・

 

ハイエンドとは言え、少々相手が悪過ぎたようだ。

 

 

独特の着色感や、突っ込み所は色々あるにせよ、

 

そんな細かな事はどうでも良くなるくらい、

 

魅力的な像を魅せてくれるのである。

 

 

今年は、本機を3台 オーバーホールさせた頂いたが、

 

巨大なアッベケーニッヒプリズムには、毎回 圧倒される。

 

 

私がこれまでに見た中で、最も巨大なアッベプリズムである。

 

このようなプリズムは、もう2度と造られる事は無いだろう。。。

 

 

是非、皆様にも、ご覧頂きたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CARL ZEISS Dialyt 7×42BGA T*P* のプリズムと比較すると、

 

その巨大さがよく分かる。 何よりも美し過ぎる。

 

もはや「 芸術作品」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分解クリーニングの際は、正に寿命が縮まる思いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、この機種は固定ピントなのであるが、

 

ピントリングの操作が厄介だとされている。

 

 

実際に厄介なのであるが、私は本機をオーバーホールする際は、

 

普通のIF機のように、指で簡単に操作が可能なように、

 

カスタムさせて頂いているが、カスタムする事で、

 

極めて快適なピント操作が可能となる。

 

 

個人的に所有しているものも、ピントリングをカスタムし、

 

ゴム製のアイカップを装着し、見口を折り返して使っている。

 

 

また、勿論 鏡体内部には、アルゴンガスを封入している。

 

 

私にとって、景色観望の際には必ず持参したい双眼鏡なのである。

 

この双眼鏡で覗いた海辺の景色が忘れられないからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に紹介させて頂くのは、BAUSCH & LOMB Mark41  7×50 だ。

 

シーガー博士もベタ褒めの、アメリカ海軍の双眼鏡だが、

 

玉数が非常に少なく、中古市場でもかなり高額である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この機種も、9.8 ° の広視界を誇る 7×50 機であるが、

 

上記の HUET S.G.O. 同様に、初めて覗いた時は、

 

あまりの開放的で気持ち良い像に、

 

良い意味で大きなショックを受けたものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本機のプリズムユニットも、

 

非常に重くて頑丈で、ド迫力である。

 

 

B&L の双眼鏡は、民生用のモノも良いモノが多く、

 

意外なダークホースかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次も、アメリカ海軍の双眼鏡、SARD Mark43  6×42 だ。

 

こちらも、上記の B&L Mk41 同様に、

 

滅多に褒めないハンスシーガー博士が、ベタ褒めしている機種の一つである。

 

 

世界のマニアから「聖杯」と呼ばれ、

 

FOV= 207m/1000m ( 11.6°) の圧倒的な広視界を誇る。

 

聖杯に相応しい、極めて開放的で魅力的な像を魅せてくれる。

 

 

正直、この辺りの海軍用の広角双眼鏡を覗いていると、

 

昨今のハイエンド機種等には、全く興味が失せてしまう。

 

 

勿論、どちらが良い悪いの問題ではなく、

 

昨今のハイエンド機種をディスってる訳では全くなく、

 

あくまでも、私の個人的な趣向の問題なので、

 

もし、ご気分を害される方がいらっしゃったなら、

 

どうかご容赦願いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて、本ブログでも紹介させて頂いた、

 

Busch Hellux 6×36 だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦時中は、CXN のコードネームで、

 

CARL ZEISS JENA 機を生産していた、

 

ほぼ CARL ZEISS JENAと言っても良いくらいの、

 

Busch 製の双眼鏡だ。

 

 

6×36 と言う珍しいスペックを持ち、

 

FOV= 190m/1000m を誇る、広視界双眼鏡である。

 

 

この機種を覗いた時、特に印象的だったのは、

 

その解像度の高さ、像の精細さであった。

 

また、像は明るくて、抜けも極めて良く、視界は広く、

 

非常に高性能な、良い双眼鏡だと感じたのである。

 

ある意味、双眼鏡の理想型の一つだと思う。

 

 

かなりレアな機種で、それなりに高価ではあるが、

 

それだけの価値は十分にあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、最後に紹介させて頂くのは、スイス製の双眼鏡、

 

KERN AARAU である。

 

スイス軍向けと、民生用があるが、いずれの場合も

 

見え味は、ほぼ共通している。

 

 

実は私はスイス製の双眼鏡は、全くのノーマークであったので、

 

お客様から教えて頂くまでは、全くその存在を知らなかった。

 

 

しかし、中島 隆 先生の著書 双眼鏡の歴史の中でも

 

紹介されている事に、後になって気が付いた。

 

 

中島先生の双眼鏡の歴史は、いつも仕事部屋に置いていて、

 

時々目を通しているつもりではあったのだが、

 

どうやら人は、自分が意識したものしか、

 

目には入って来ないらしい。

 

 

いずれにせよ、KERN AARAU を意識する、

 

そのキッカケを頂いたお客様には、今もとても感謝している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KERN AARAU 1949年の軍用モデル。

 

 

 

 

 

 

KERN AARAU は、実は1988年には、

 

LEICA に吸収されてしまったので、今は存在せず、

 

現在、KERN AARAU の双眼鏡は、過去のモノしか入手は出来ない。

 

また、玉数も決して多いとは言えない。

 

 

KERN の双眼鏡の見え味の特徴を一言で言うなら、

 

「覗いた瞬間、アルプスを感じさせてくれる像」

 

と言ったところだろうか。

 

 

まるで、富士の忍野八海の泉の如く透明な像でもあり、

 

CARL ZEISS とは、また違った独自の透明感で、

 

正に、スイスのアルプスの湧き水のようだ。

 

 

透明な中に、キラキラした 若干のブライトネスを感じさせ、

 

それが生命感を感じさせてくれる。

 

像の抜け感は極めて高く、中心像のシャープネス、

 

解像感も、間違いなくトップレベルである。

 

 

また、特筆すべきは、そのピュアなカラーレーションで、

 

個性的な色付けや、着色感が皆無であり、

 

極めて正確でナチュラルの極みと言った、

 

抜群のカラーレーションなのである。

 

 

色の正確な再現、と言った意味では、

 

KERN AARAU が最も優れているように感じる。

 

 

また、着色感の無い、清潔で、どこまでも透徹した像は、

 

とりわけ、日本人にはウケるのではないか?と感じる。

 

 

何だかんだで、今年は KERN AARAU の双眼鏡を、

 

民生用、軍用も含めて、10台近く手掛けさせて頂いたが、

 

見え味は、いずれも共通していた。

 

 

また、製造された年台に関係なく、1940年台の機種も、

 

1970年台の機種も、見え味が殆ど同じと言うのも

 

驚嘆すべき事なのでは無いだろうか。

 

 

造りに関しては、頑丈さや精緻さに於いて、

 

ARMEE MODEL の軍用機が民生品を圧倒しており、

 

精密機械が得意なスイスのお国柄らしく、

 

工作精度が極めて高く、金属部品一つを取っても、

 

非常に高品質な材料が使われているように感じた。

 

ガラス材も同様である、

 

それはまるで、スイスの高級機械式時計を思わせられるようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、ARMEE MODEL に関しては、金属製の

 

独特の引き出し式のアイカップを装備しているが、

 

固着したり、動きが渋い中古個体が多い。

 

オーバーホールしてあげると、快適に操作が可能となる。

 

 

 

 

 

 

民生用の機種は、軍用機程の頑丈さや精緻な造りは感じないが、

 

その分、躯体が非常に軽いので、機動性は抜群である。

 

( 以下画像 右列が民生用モデル、左列が Armee Model )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今年記憶に残った機種を思いつくままに紹介させて頂いたが、

 

フランス、アメリカ、スイス、ロシア、イギリス・・・

 

本家のドイツ以外にも、素晴らしい双眼鏡が存在する事を、

 

今更ながらに、改めて気付かされる事となった。

 

 

加えて、広角の軍用機が多いと言う結果ともなった訳だが、

 

これは勿論、私が個人的に、

 

覗いた際の視野環が大きく、且つ広角の機種が、

 

好みであることから、当然の結果なのかも知れない。

 

 

他にも、こちらの記事で紹介させて頂いた、

 

第一次世界大戦時の軍用単眼鏡、

 

CARL ZEISS JENA M.Blink 16 の濃密な像や、

 

ロシアの KOMZ BPS 4×20 等も印象深かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

と言う訳で、本記事が2023年 最後の記事となるが、

 

本年も当ブログをご愛読頂き、感謝に堪えない。

 

 

そう言えば先日、お客様から、先般のROSS機の記事に、

 

20以上のイイネが付いていると教えて頂いた。

 

 

実は誠にお恥ずかしながら、記事にイイネの機能がある事を、

 

その時まで知らなかったのだから、何とも呑気なものである。

 

我ながら、無頓着さに少々呆れてしまった。

 

 

イイネを押して頂いた方々には、あらためて

 

この場を借りて、御礼申し上げます。

 

本当にありがとうございました。

 

 

また、せっかくイイネをしてくれてるのに、

 

これまで知らずに大変申し訳ございませんでした。

 

これに懲りず!? 宜しければ、またイイネして下さいませ。

 

 

では、皆様方には、本年も本当にお世話になりました。

 

心より感謝申し上げると共に、来年も変わらず、

 

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

また、双眼鏡界のドクターXの名に恥じぬよう(笑)、

 

今後とも精進を重ねて参りたい所存でございます。

 

 

では 皆様、どうか良いお年をお迎え下さいませ。

 

感謝

 

 

2023年12月30日

 

鈴木庸生

 

 

今年の夏の終わりに、Huet S.G.O. で楽しんだ景色を

皆様にお裾分けさせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

〜 お陰様で5周年 〜

皆様方には、心より感謝申し上げます。

 

ヴィンテージ 双眼鏡 修理 販売  専門サイト

CARL ZEISS JENA、HENSOLDT、CARL ZEISS

LEITZ 、Nippon Kogaku 、KAIKOSHA、etc... 

https://blrm-yz.com/