BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

ギター、双眼鏡、オーディオ、 趣味関連の記事を書いていく予定です。
皆さんが、より幸運に恵まれ、より豊かになりますように。。。
愛念の願いを込めて、Be Lucky Rich More です(^^)
私自身が、ワクワクドキドキ出来る事だけを記事にします。
〜 SINCE 2015.4.8

ようこそ!! いらっしゃいませ~♪


皆で楽しく、ギターライフを 音譜!!

皆が、より HAPPYアップ、よりリッチアップなりますよう、

願いを込めて、Be Lucky Rich More!!でございます♪


ヤリ逃げ ならぬ、読み逃げ禁止でございます!!


面白かったら、笑って下さい!!


役に立ったら、一言コメント下さい!!


おっ立ったら、好きにして下さい!!(?)


とにかく、気に入ってもらえたら、

お気軽に、アメーバ読者登録 星 よろしくです♪OK

前記事に引き続き、連続して、リヒターデルトリンテムの話題である。

 

 

今年に入って、私のブログ読者のお一人である N様から、

 

デルトリンテム リヒターモデルの、

 

オーバーホールのご依頼を頂いた。

 

 

私と同じ景色を見てみたい、体験してみたいと思われて、

 

去年、リヒターデルトリンテムを購入されたそうだ。

 

 

双眼鏡の素晴らしさを発信している者の端くれとしては、

 

これほど嬉しく、光栄な事はない。

 

 

N様から私の元に届いた、デルトリンテムリヒターモデルは、

 

1935年製のモデルで、外観が美しい個体であった。

 

( 以下の画像はオーバーホール後のもの。)

 

 

 

 

 

 

しかし、外観は美しい状態を保っていたものの、

 

これがなかなかの曲者であった。

 

 

ディオプターは完全に固着してしまっており、

 

ピントリングも固着して非常に回し辛く、

 

光学系にはカビが発生し、光軸は狂っていた。。。

 

 

つまりは、フルオーバーホールが必要な状態であった。

 

 

もっとも、各部の固着はリヒターモデルのお約束、

 

と言えるものではあるし、約90年も前の製造品なので、

 

双眼鏡の立場に立って考えてあげると、

 

フルオーバーホールは当然と言えば当然なのかも知れない。

 

 

機械式腕時計でも、車でも、バイクでも、オーディオでも、

 

90年も前の製品をノーメンテで使用するなんて事は、

 

普通に考えると、あり得ない事なのである。

 

 

しかしながら、今回の個体は並大抵の固着ではなかった。

 

 

私は恐らくは、これまでに50台を越えるリヒターモデルを

 

手掛けさせて頂いたと思うが、その中でもトップ3に入るくらいの、

 

非常に手強い、心が折れそうな固着具合であった。

 

 

固着しているからと言って、力づくで挑めば、

 

部品を壊したり、激しく傷付けたりしてしまう。

 

最悪の場合は、鏡体に微妙な歪みが生じてしまう。

 

 

力任せに分解を試みられる方が多いのか、

 

鏡体に微妙な歪みが生じた中古個体は案外多く、

 

光軸を調整する際に、それが判明する事も多い。

 

 

なので、力技は使えない、と言ったところに、

 

余計に難しさがあるのである。

 

 

 

まずは対物部であるが、ここまで分解するのも、

 

一苦労であった。

 

 

 

 

 

 

対物レンズには、カビが全面的に発生していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今回、最も苦労したのが、接眼部の分解である。

 

 

リヒターモデルの場合、第一群レンズ、

 

つまりは、非球面レンズを含む接眼レンズのコバ塗りが、

 

経年によって剥げてしまっている事が多く、

 

そう言った個体は、コントラストの低い、

 

締まりの無い像となってしまう。

 

 

恐らくは、市場に出回る殆どの個体が、

 

そのような状態なのではないだろうか。

 

 

接眼レンズの状態を確認する為には、

 

接眼レンズカバーの分解が必要なのだが、

 

固着してしまっている場合が非常に多く、

 

その場合は、リヒターモデルに於いては、

 

この部分の分解が最も困難で、

 

最も難易度が高い箇所、と言えるかも知れない。

 

なので、この部分は手付かずの個体が多いのである。

 

 

かく言う私自身、第一群レンズのコバ塗りの剥がれに関しては、

 

当初は、まったくの盲点であった。

 

 

今回の個体は、その中でも特に困難を極めたのであった。

 

 

何度か心が折れそうになりながらも、

 

結果的には、何とか分解に成功したのだが、

 

案の定、コバ塗りが剥がれ落ちていた。

 

 

ちなみに、前記事のリヒターモデル ファーストロット品も、

 

この部分の固着が相当に激しく、分解にはかなり苦労させられた。

 

また、コバ塗りも剥がれていたので再施工している。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、ディオプターの固着も極めて激しく、

 

通常通りのプロセスでは ビクともせず、

 

分解するのは、非常に困難な作業となった。

 

 

先述したように、強引な力技は使えないので尚更である。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、苦労の末、何とか全てを分解し、

 

無事にオーバーホールを終える事が出来たのであった。

 

 

 

 

 

 

 

接眼レンズと、接眼レンズカバーの間には、

 

シーリングがされているので、

 

その部分も、あらためてシーリング処理を行なった。

 

 

 

 

 

 

 

シーリング処理と言えば、プリズムカバー裏も、

 

シーリング処理をしっかり行なった。

 

 

まずは、クリーニングと脱脂処理である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プリズムもカビが発生していたが、

 

殺菌処理後、クリーニングを行い、

 

その後、更に殺菌処理を行った。

 

 

この頃は、ガラス材が良いのか、非常に美しいプリズムである。

 

ただ透明なだけでなく、コクと言うか、

 

トロ味や深みがあるのである。

 

 

 

 

 

 

 

リヒターモデルには、本来はプリズムには、

 

コバ塗りはされていないのであるが、

 

私と同じ景色を見たいと仰って頂いたオーナー様のご要望に応じ、

 

プリズムには、コバ塗りを行なった。

 

 

 

 

 

 

 

ピントリングも徹底クリーニングの後、

 

研磨処理を行い、グリスアップを行う。

 

 

見え味だけではなく、トルク感を含め、

 

ピントリングを操作した際の操作フィーリングも、

 

私が使っているものと同じようにさせて頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

対物部には、光軸が狂いにくくなるよう、

 

対物レンズの固定ネジを補填させて頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

ディオプター部のネジは、全て腐食して、

 

劣化してしまっていたので、全て交換させて頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

後、リヒターモデルは、鏡体内部も迷光対策の為、

 

かなり徹底した黒塗りがされているのだが、

 

部分的に剥げていたり、薄くなっていたので、

 

黒塗りの補修もさせて頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、鏡体内部に、アルゴンガスを封入し、

 

可能な限り、光軸を追い込ませて頂いた。

 

 

かくして、外観、操作フィーリング、性能、見え味、

 

全てに於いて、リヒターモデルとしては、

 

これ以上は望めないと思える状態に仕上げさせて頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

それにしても、本当に美しい双眼鏡である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曇天や雨天時、逆光下では不利なノンコートレンズであるが、

 

仕上がった日は、天気にも恵まれ、

 

とても空気の澄んだ晴天だった事もあり、

 

リヒターデルトリンテムの持ち味を、

 

存分に発揮出来る環境下であった。

 

 

これ以上、何を望もうか!?と思えるくらい、

 

晴れ晴れとして、どこまでも透明な、極めて抜けの良い像である。

 

 

非球面レンズの恩恵で、周辺まで崩れが少なく、

 

中心像は、これ以上無いくらいにシャープに、

 

そして非常に繊細な線で描かれて像を結び、

 

色彩も鮮やかで味わい深く、コントラストも良く、

 

十分過ぎる程に美しく、立体感のある像を見せてくれるのであった。

 

 

よく晴れた、空気の澄んだ晴天下で、

 

リヒターデルトリンテムを覗いていると、

 

もうこれでいいや、と言った気持ちにさせてくれるのである。

 

双眼鏡の歴史に残る傑作機と言う事に、間違いは無いだろう。

 

 

 

最後に、後日にオーナー様のN様から、

 

とても素敵なご感想を頂いたので掲載させて頂き、

 

皆様とシェアさせて頂きたいと思う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今日、ようやく時間がとれましたので、

開梱から楽しませていただきました。

美しい梱包でしたね!

 

外観も良い感じです。

特にプリズムカバーがピカピカになったので、

双眼鏡を持って眺めて、ニヒニヒできます。

 

さて、ここからようやく本題(?)です。

 

ピントリングの調子は重すぎず、軽すぎず、絶妙。

ピントがスムーズに合うので、ピントを合わせるのが楽しいくらいです。

最短合焦距離は1.5mくらいでしょうか?ベランダの花も楽しめました。

 

そして肝心の見え味ですが、

合焦の瞬間から背筋がぞわぞわします。

そのぞわぞわは覗いている間中続くので、

風景をしみじみ眺める感覚にならないのは困りました。

 

でも、ずっと覗いていたい双眼鏡です。

ありがとうございました。

 

感想を訊かれても、

ぞわぞわする、すごい、やばい、としか言えずにいましたが、

妻は「神様が見えてるのかしらね」、と言っていました。

そうなのかもしれません。

 

リヒターデルトリンテム、

晴れて光量が十分な時も良いですが、

薄暗い部屋の中、鈍く光るガラス製品を眺めるのもなかなかでした。

反対に、曇天でコントラストがないような景色では、

やはり本領発揮とはいかないみたいですね。

 

フォーカスリングを絶妙に仕上げていただいたので、

雨天の、雨粒を眺めるも楽しかったです。

 

BLRM 鈴木様から丁寧な処置をしていただきましたこと、

心から感謝いたします。

 

今まで見えなかった世界を手に入れることができました。

お任せして本当に良かったと思っております。

この双眼鏡、大切に使っていきますね。

 

おかげさまで、初日にして、

早くも沼の淵に足が掛かりました。

ハマらぬよう、なんとか踏みとどまりたいと思いますが、

今後ともよろしくお願いいたします。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

いやはや、奥様のご感想が素晴らしいですね。

 

当時のイエナの方によれば、見る者の魂の一部となる、

 

魂を映し出すとの事ですから、

 

リヒターデルトリンテムを通して見えた美しい像は、

 

きっと、N様ご夫妻の魂が美しい事の現れなのでしょう。

 

 

 

最後までお読み頂き、心より感謝申し上げます。

 

N様にも、この場を借りて、

 

あらためて、心より感謝申し上げます。

 

ありがとうございました。

 

 

 

〜 お陰様で、6周年 〜

 皆様方には、心より感謝申し上げます。

 

ヴィンテージ 双眼鏡 修理 販売  専門サイト

CARL ZEISS JENA、HENSOLDT、CARL ZEISS

LEITZ 、Nippon Kogaku 、KAIKOSHA、etc... 

SINCE 2018.8.6

 

https://blrm-yz.com/