TVドラマ『あのコの夢を見たんです。』の池田エライザ、橋本愛を観た | 徒然逍遥 ~電子版~

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テレビ東京の深夜枠“ドラマ24”はこの度、山里亮太原作『山里亮太短編妄想小説集 あのコの夢を見たんです。』を映像化したものだ。


『あのコの夢を見たんです。』
第11話 「闇食い」
梗概人間の心の闇を吸引し、平和な世界を維持する任務を負う“闇食い”たち。池田エライザは上司サカザキ(近藤公園)と日々役目を果たしていた。ところが、“闇生み”ヤマ(仲野太賀)によって犯罪増加の危機に直面。平和な世を守るために全力でヤツに立ち向かうエライザであった。

立派な“太眉女優”なのだ。池田エライザは。

しかし、映像作品では強い印象が残らない人でもあった。
『ReLIFEリライフ』(17)『トリガール!』(17)『となりの怪物くん』(18)『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18)『ルームロンダリング』(18)『映画 賭ケグルイ』(19)など話題作に出演し主要キャラに扮するもさほどに目立たぬように思えた。


だがしかし、前述通りルックス的には素敵な女優である。身長170cmのモデル出身だけあって引いた画の立ち姿もサマになって美しい。

そして、南方系によくある丸みを帯びた輪郭、鼻、目に親しみを覚える。

 *指先までもが美しい(太眉隠したらイカン!)*
そんな彼女が主役の回だが、池田を愛でるには満足できるのではなかろうか。

 *ここはどうしたってテンション高めでしょ♡*

芝居はまあそこそこだが、熱度の低い女子といったキャラが似合う人と見做されているのか、今回も日常はテンション低めの役であった。

 *うえっ・・・*
 *なんかすごいの来ちゃった*

 *(笑)*

しかも、低めの声でボソッとつぶやくなど聞き取りにくい発声である。のに、表情はとても柔らかで癒し系とでも言うべき愛らしさが全開だ。眺める我々も自然と笑みがこぼれてくる。


 *いちいち可愛いw*

 

お目付け役の近藤公園『ウォーターボーイズ』(01)以来、個人的に気になるバイプレイヤーだ。

 *右端*

 

柳ゆり菜がゲスト出演。

 *ちょっと痩せたか?*

 

物語はSFチックで非現実だし、エンディングも不分明で面白くなかったが、自分は本ドラマでやっと彼女の魅力に邂逅できた思いがする。いや、太眉の実力は認めてはいたがw


 *シズ?*

そんなこんなで観て良かったと思わしむるエライザ回であった。



さて、第1話を観た時は、オープニングの顔写真で池田がトリを務めるのかと思っていたが、回が進むと隠し玉のように大トリみたいな女優が起用されていたことが判明。

橋本愛その人である。

 

 

『あのコの夢を見たんです。』
第12話 「リアル?」
梗概

高校時代、クラスで目立たぬ冴えなかった山里亮太(仲野太賀)は、妄想ノートにクラスの人気女子・橋本愛と、文化祭の出し物の演劇でW主演を張る物語を書き込んでいた。普段は話しかけられてもまともに返答すらできない亮太でも、物語の中では彼女と堂々と渡り合っている。しかしある日、彼は自分の知らぬ間にノートにストーリーが追加されていることに気付き戸惑う。実は愛が人気者なのは彼の妄想内でのキャラ。現実は彼女もまたクラスで省かれている孤独な日陰者だったのだ。だが、彼女は今の現実を打破すべく彼を促して二人で決起する。

何たる僥倖。TVドラマ『35歳の少女』につづき本ドラマでも橋本愛に遭遇するとは。年末ビッグセール。一歩先んじたお年玉。みたいなものかw


近年は映画女優として活躍していた橋本である。ここにきて大河ドラマやNHKドラマに頻繁に顔を出すようになり、昨年のTVドラマ『同期のサクラ』以降民放でも遭遇率が高くなってきた今日この頃なのだ。それが此度の間髪おかずの連打に結実したのか。
何はともあれ喜ばしいことである。

 *大河ドラマ『西郷どん』*
 *大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』*

 *NHK『パレートの誤算~ケースワーカー殺人事件』*

 *NHK『長閑の庭』*

で、今回のエピソードは今までとは打って変わって複雑な構造。単なる夢オチかと訝ったがそうではなかった。


従来なら自分より上位者的ポジションの女性と妄想世界で共演するのが常であった。であるが、今回は学級カーストで自分と同レベルの冴えない女子を密かに想っており、彼女を妄想世界のヒロインに仕立て上げていたのだ!

だから、巻頭の教室内のシークエンスと、場面転換した次の図書室でのシークエンスは、一見すると時系列順のようでいて、実のところ妄想から現実へとシフトチェンヂしていたのであった。

教室の朗らかに輝く愛は虚構。

図書委員と思しき橋本が現実の地味子。

それを見分ける手立ては、彼女が眼鏡を着用しているか否かである。

クライマックスを含む最後のシークエンスでは、虚構と現実のボーダーが溶解して虚実ないまぜとなり、どこからどこまでが亮太の脳内世界か現実世界かが不分明になる。

 *眼鏡アリから、*

 *眼鏡が吹っ飛び、*

 *眼鏡無しへ*

 *彼女の眼鏡を拾い上げた?*

 *二人の妄想ワールド炸裂だっ*

 *Eラインが美しい*

 *机上には愛の眼鏡が*

が、それは亮太と愛の合作による妄想ワールドであることが示唆される。二人は協力し合って脳内世界を創作し共有しあう。シンパシーを感じあう。

 *片手に愛の眼鏡を*

二人の物語が完成し、愛と握手を交わす亮太は、彼女の眼鏡をそっと差し出すのだ。


なるほど。山里亮太の妄想ノートの原初的風景が最終話で開陳される運びとなっていたとは。


その来歴を証する小道具として利用されるのも愛の眼鏡だ。
高校時代の亮太の眼鏡のフレームは赤くないが、愛の眼鏡は赤いフレームなのである。


自分には青春など無い、と卑下していた高校時代。だが、あの日の夢のような出来事を胸に今日まで生きてきた。一瞬とは言えまさしく青春の煌めき以外何物でもなかったのだ。
その忘れ難き刻印が、彼の今日的トレードマーク=赤縁眼鏡に他ならない。

あの日のプチ青春に源流を見出し得るのが妄想ノートというわけだ。


久方振りにあのコの夢を見た。あのコは今、どこで、何をしているのか。
これはたとえ年齢を重ねた男性諸氏であっても、心地良いような痛痒いような得も言われぬ感情が胸にこみ上げてくる類の自問だろう。

 *手を取り合って、*

 *スローモーションで、*

 *駆け行く若人ら、*

 *これぞ、*

 *青春!*
 

こんな自分であっても忘れ難き女子が存在する。幼稚園から中学まで同窓であり、高校は異なるも部活動で定期的に顔を合わす女子だった。
橋本愛同様切れ長で眼光鋭い目元で、個人的好みとは異質のルックスであったが、何故か惹かれるところがあり、40歳くらいまで毎年2回は夢に出てきた。マジで。
あのコも今では自分と同い年ゆえ、えらく歳をとったのだろうなあ、などとしみじみ想う昨今だ・・・。


閑話休題


橋本愛である。
『アバター』(11)でも超地味子に扮したが、今回はそこまでではなく、彼女がただ眼鏡をかけただけの省かれっ子だった。


よって、決して醜女ではなく、不美人とも言い切れない容姿である。して、瘦せぎすですらりと背が高く、まるでモデルさんのようなのだ。そんな女子でも半分いじめみたいな標的になり得るのか。わからない。

だが、彼女のように中途半端に美人系に分類されるコよりも、決して美人ではなくとも可愛い系のコの方が人気あるのかもしれないが。


得心できずとも兎に角そういう設定なので仕方なくお話に付き合ってみた。
文化祭の出し物で扮する宇宙海賊の船長役というSFチックな役どころも似合うではないか。舞台経験者だけあって、演劇に即した芝居と発声がリアルである。本物である。


しかも、立ち姿がいちいち決まる。さすが“Seventeen”のモデル出身だけあってちょっとしたポーズもカッコよく妙に玄人っぽいのが微笑ましい。


演技だって安心安定だ。眼鏡っ子の時のオーラはどこか自信なさげで弱弱しい。声色もいつものようにドスが効いた声ではなくむしろ可愛らしさを感じるし。


もう彼女の芝居にくぎ付けだ。良かった。観られて良かった。と、独り頷くのであった。

 *左手には愛の眼鏡*

 

笑顔も相変わらず“破顔”とか“相好を崩す”といった表現がピタリとはまる迫力あり。


眉をひそめれば“顰に倣う”という故事を連想する。ちょっと魅力的な表情だ。

 *眉を顰めるどころか、*
 *泣いてるじゃん!*

 *しかも、号泣*

視線の動きや手指の動きまでも隙が無い。ここは昨年のTVドラマ『同期のサクラ』で実証済み。


さらには、待ってました!とばかりに怒声を発する姿も披露するなど、おなじみのキレた芝居も付いてくるサービスが嬉しかった。

 *特別じゃないヤツなんかいるかっ*


ただし、彼女のアップはソフトフォーカスで撮ってもあまり似合わないと思うのだが。どうだろう。

ま、そんなこんなで、橋本愛の回に満足できる脚本と芝居だった。

そして、どうしても加えておきたいのは、仲野太賀の芝居巧者ぶり。超ハイスペックな役者であることを思い知らされた。脱帽。

 *ポージングも決まる*


 

さてさて、この第11・12話の監督は大九明子『勝手にふるえてろ』(17)の監督だ。現在『私をくいとめて』が公開中。
これは能年玲奈(“のん”とかいう名は絶対に認めない)主演だが、橋本愛が共演で、連ドラ『あまちゃん』以来7年振りの顔合わせでちょっとした話題になっている。

       下矢印


 

ちなみに、第1話や第7話その他を担当しているのは枝優花監督。ここ高崎市出身である。第7話のヒロイン・大友花恋と同郷だ。ちょいと贔屓目になってしまう自分がいる。
『少女邂逅』(18)では市内でのロケショットが多数観られた。

 *お馴染みの“高崎電気館”前にて*
 

第2・3話担当の松本花奈監督は『21世紀の女の子』(19)で「愛はどこにも消えない」のエピソードを監督。主演は橋本愛だった。

 *山田杏奈の太眉に惚れたw*
 

となると、本ドラマは女性監督が全話を受け持ったということになる。

時に実験的挑戦的なシリーズ「ドラマ24」はやはり侮れない深夜枠だったのだ。
 

本日も最後までお読み下さりありがとうございました。

 

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