超大型地雷映画『四月は君の嘘』で大爆死 | 徒然逍遥 ~電子版~

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こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。


再来年のNHK朝の連ドラ100作目のヒロインに抜擢された広瀬すず。
そこで朝ドラ主役就任記念。『チア☆ダン』に続くすずちゃん特集だ!


『四月は君の嘘』 (‘16) 122分
梗概
幼少時に天才的ピアニストとして期待された高校生・有馬公生山﨑賢人は母親壇れい)の死をきっかけにピアノ演奏ができなくなってしまう。

ある日、隣家の同級生・澤部椿石井杏奈の友人宮園かをり広瀬すずと知り会う。かをりは自由奔放な演奏が持ち味のバイオリニスト。公生を無理やりコンテストの伴奏者にしてしまう。彼女に翻弄されながらも徐々にピアノ演奏に挑戦するようになる。だが、かをりは生命が危ぶまれる病を負っていた。


原作少女漫画あり。恐らくだが、原作ファンからは絶不評だったのではなかろうか。
開始から30~40分程度で観続けるのが苦痛になってたまらなかった。


AD/HDっぽいヒロインの言動は天真爛漫を通り越して幼児的。

トラウマ抱えた主人公はぐずぐずし過ぎて処置なしだし。

あまりにも浮いた存在の彼らに感情移入が困難。

自分がこの系統の映画を観て目頭を熱くしないなんて我ながら信じられない。退屈。呆れ。脱力。苦笑い。の連続だった。観終わって心底「金返せ」と力なくつぶやくばかりである。


どこがどうだったとか指摘できるレベルじゃない。根底から間違っているんじゃないのか。原作の翻案からやり直すべき。これじゃ作者やファンに対してあまりにも失礼だろう。


キャスティングも人気俳優を起用の安直路線。ミスキャストであることは確かだ。いや失礼。この脚本では誰が起用されてもミスキャストの可能性大。


主役のお二人は気の毒な限りである。両者の演技が空回りし過ぎて痛々しい。台詞も不自然でやりづらかったろう。普段ならもっと等身大のキャラを自然に演じられるはずだろうに。


すずちゃんは常に発声トーンが普段以上に高い。これだけで違和感ばりばり。そのうえ変な台詞。可哀そう過ぎる。彼女の演技力が完全に削がれた。


山﨑は徹頭徹尾うじうじしっぱなし。屋上で丸くなって泣いてるなんてどこまで女々しい奴かっ。逆にちょっと笑えたが。こんなキャラをあてがわれて大変でしたね。
しかし『orange-オレンジ-』でも似たような母子関係。未だに母親の呪縛に囚われ続けているようで…。

『orange-オレンジ-』はSFファンタジーだったのか:参照


多分二人とも脚本にそって忠実に演じたんだと想像する。演出にもきちんと答え応じたんだろう。だからこそあんなキャラになっちゃんたんだと思う。不自然な演技になっちゃったんだと思う。

演出と脚本の成果(怒) 付け入る隙を与えないほどの突っ込みどころ大集積作品に仕上がった。


あ、凄過ぎて記憶から消去したい場面をひとつ。
杏奈嬢が山﨑に、ヒロインは中川大志扮するナイスガイが好きなんだから。と、三~四回繰り返す。

あまりにも不自然過ぎる台詞アンド演技のリピートにこっちが挙動不審に。

脚本の超絶的稚拙さをさらけ出していた。演出もこれでOK出したんだろうから救いようがない。


そして最大の迷場面にあごが外れそうになる。
ピアノコンクール出場までこぎつけた主人公。かをりは何やら大手術の真っ最中。演奏していると彼女の幻影が出現。バイオリンの伴奏を始める。もちろん会場内の観客には見えない。主人公の主観である。ここまではまあ許容範囲。


が、彼女の姿に驚く主人公以上に驚く自分がいた。

すずちゃんが微笑みながら足元からス~っと消えてゆくではないか!なに、これ?これ、なに?あゝ、すずちゃんが…。もうパニック状態である。


B級ホラーやファンタジーものでもないのにこんな処理はないだろう。いつの時代のセンスなのか。感動を生むとでも思ったのか。思ったんだろうな。残念なことに。呆れたことに。


ところで、すずちゃんて『ちはやふる』や本作のような青春ラブストーリーの活動過多的ヒロインよりも『海街diary』『怒り』のような落ち着いた芝居の方がより良いパフォーマンスを発揮するんじゃないか。

『チア☆ダン』も落ち着きのない活発な場面より怪我で出場できずに笑い泣きになるところとか、天海祐希と対峙するシリアスな芝居の方がしっくりくる感じがしたし。


それはさておき、彼女のバイオリン演奏はなかなかサマになっていた。当然吹き替えも併用しているだろうがそれなりに努力を重ねたと思われる。俳優って偉いもんだ。


メインキャラでは中川が自然体の演技ができていた。これは彼の力量といふよりも人物造形が自然だったんだろう。だが彼自身もポテンシャル高そうな気配がする。『RE Lifeリライフ』『きょうのキラ君』でも好演してたし。
自分も『RE Life リライフ』してみたいか?

純愛路線の王道か『きょうのキラ君』


板谷由夏の出番が多くてこれは結構なことだった。


まとめ。

どんな俳優もてこずる高難度(?)の脚本、演出による作品。

120分の無駄遣いで大爆死というよりむしろ不発?あえて観るなら期待値低く設定してから臨むべし。
せっかくのすずちゃん特集も残念な作品チョイスで了。


本日も最後までお読み下さりありがとうございました。

*キャストは良かったよ*

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