ムダは悪か?
9月23日に秋分の日をむかえ、ちょうど昼と夜の長さが同じになりましたね。 ここで、陰と陽が入れ替わるタイミングのようです。 暑さもだいぶ和らいできましたね。 さて、そんな陰陽のタイミングで、対極する2つの関係について書きたいと思います。 以前にも書きましたが、2極と見えるものについては、どちらかが正しいということではなく、バランスよく、両方の考え方を交互に入れ替えることが大切です。 例えば、教育の問題。 ・あるべき姿にするような教育 ・あるがままを大切にする教育 どちらかを選ぼうとする悪い癖が出ます。 どちらも大事です。 バランスが必要なのです。 仕事についても、 ・成果主義(KPI, KGIを追う) ・理念主義(美意識、世に尽くす) どちらかでは、ないのです。 そんな感じで、ムダについても考えてみます。 トヨタの生産方式では、徹底的にムダの削減に取り組みます。 ムダが多いほど、つくるのに時間がかかり、負担が増え、残業が増えたりします。 徹底的にムダを削ぎ落すことによって、動きも楽になり、短時間で必要な作業を終えることが出来るのです。 ですから、仕事においては、ムダが極限まで少ないのが理想です。 一方で、人生はどうでしょうか? 人生は、まったく逆です。 ムダが多いほど良いのです。 海を眺めてボーッとする、焚火を眺めて過ごす。 コーヒーをゆっくり飲みながら、外で読書をする。 このように、時間の流れを楽しむのです。 それは、ムダな時間が多いほど良いのです。 ぎっしりと予定を詰め込んで、生き急がなくてもよいのです。 先日、ある人が話していることを聞いて、なるほどと思ったことがあります。 人間は、寝ている時が本来の姿で、寝るために起きて色々なことをしている。 眠っていることがデフォルトだというのです。 脳が無い生物(クラゲ、海綿動物)にも、睡眠のような無反応状態が存在します。 脳が睡眠を生み出しているのではないのです。 したがって、生物は脳を持つ前から睡眠をするという生理機能を持っていたことになるのです。 そう考えると、覚醒する(起きる)ことが後から進化していったということになります。 まるで、陰陽が逆転するような考えです。 話しが飛びましたが、本来、人間は働かずにボーッとしているのがデフォルトです。 しかしながら、腹が減るので、狩りをしていました。 腹が満たされるだけの食料を確保していたのです。 現代においても、腹を満たすために働いているわけです。 それだけでなく、さらに贅沢をするために、余計に稼いでいるわけです。 便利な世の中になる程、必要な物が増えてきます。 働かないのがデフォルトとすると、なるべく働く時間を短くしたいものです。 短時間で、大きく儲けるのが理想になります。 ところが、日本人は勤勉な性格もあり、また一所懸命に働く姿が美しいと思う宗教的な特色があり、夜遅くまで残業している姿が、会社に奉仕、貢献していると勘違いしています。 短い時間で成果をMAXにするのが良いのです。 今、日本はその真逆を突き進んでいます。 ですから、GDPもどんどん後退しているのです。 1時間あたりのGDPも、世界18位(2023年)なのです。 生産性が低いのです。 少子高齢化が進んでいるから、生産性が上がらないと言っている人も居ますが、日本人ほど高齢になっても働いている民族はないのです。 <年齢別就業率 国別比較>(2023年) このグラフは、55歳~64歳までの人の働いている率と、65歳~69歳までの働いている率です。 日本は、高齢になっても高い率で働いているのです。 日本は、長時間労働をして、高齢になっても働いているにも関わらず、生産性が低いといった、極めておかしな状況にあるのです。 ということで、労働生産性が低過ぎるので、ムダの削減に取り組まなければならないのです。 そして、労働時間を短縮して、できるだけムダを楽しむ人生に切り替えなければならないのです。 政府の進める「働き方改革」では、単純に労働時間が短縮されました。 成果が出ていないのに、労働時間が強制的に短くなったのです。 ますます、GDPが下がっていく要因とも言えるのです。 成果を出すためには、ロボットをもっと多く導入すべきです。 特に、トヨタでも一番カイゼンがし易いムダと言われる「物を運ぶ」ことに関しては、ロボットで運ばせれば良いのです。 ロボットと言っても、磁石の動線を床に貼って、そこを走る運搬車で良いのです。 そういう所からムダ削減を図らないから、人手不足に陥り、外から応援者を雇うことになるのです。 何がムダか、分かっていないとカイゼンが出来ません。 悪のムダと、善のムダ。 この理解から始めましょう。