皆様、あけましておめでとうございます。
本年初の投稿です。
講演やセミナーをやっていると、質疑応答で一番多い質問は、「トヨタは、部下のモチベーションを上げるのに、どのようなことをやっていますか?」です。
よく聞くと、「仕事が出来ていない」、「納期を守れない」などの事が起こっているそうです。
多くの上司の方が、仕事が思った通りに進まないのは、部下のモチベーションが低いからだと思っています。
私は、そう考えません。
仕事が進まないのは、上司のマネージングが悪いからです。
部下のモチベーションの高い低いに関わらず、仕事というものはキッチリやり遂げないとなりません。
部下のモチベーションの低さのせいにしている時点で、上司失格です。
モチベーションが低い原因は、ほぼ一つです。
仕事が面白くないのです。
仕事が面白くない原因は、上司が面白くさせていないからです。
毎日、同じ事を繰り返してマンネリ化していたり、目標やゴールが見えなかったり、育てようとしていなかったり、職場が荒れていたりしているのです。
すべて、上司が悪いのです。
仕事を続けていれば、出来るようになる喜びを感じる時期があります。
様々な困難にぶつかっても、職場で一致団結して乗り越えた時は、アドレナリンも出ます。
そうやって、どんどん出来るようになることで、もっともっとという気持ちが出ます。
それが、モチベーションです。
上司が少し工夫して、ハードルが少し高い目標を掲げて、信頼して任せ、アドバイスをしたり教育をしたりして高度な事が出来るようになっていくように仕向けるのです。
個人競技ではなく、チームで達成できるような体制が必要です。
多くの上司が、「部下のモチベーションを上げる」ということを勘違いし、目標のハードルを下げて仕事を簡単にしたり、部下がやりたくないと言えば許したり、何でもOKと言ってしまう優しい上司を演じようとします。
優しさを勘違いしているのです。
モチベーションを上げようとするのではなく、仕事を面白くしようとすれば、結果としてモチベーションが上がるのです。
要は、モチベーションが高いから仕事をキッチリするのではなく、仕事が面白くてたまらないからモチベーションも高く、仕事をどんどん精錬させるのです。
「もっと燃えろー!」と叫んでも、火は大きくなりません。
優しく大事に火を大きくしないとならないのです。
薪を適切な時に、適切な量を入れないとなりません。🔥
叫ぶだけでは、何も変化しません。
それと同じ事です。
子供も同じです。
「勉強しなさい!」と叫んでも、なかなかしません。
勉強の楽しさが分っていないからです。
自分で楽しくなるような工夫を、親が仕掛けないといけません。
「この間のテスト、90点だったね。いつも70点くらいなのに、何か勉強方法を変えたの?」と聞いてみて下さい。
「え?何も変えてないけど...。」
「あっ、そういえば、先生の話しをしっかり聞いていたかも」
「そっか、先生の話しをしっかり聞いたら、テストの点が上がるんだー」 と、気付くのです。
自分で気付くように仕向けるのです。
トヨタでは、「改善が楽しくて仕方ない」、「いつもワクワクする職場」を目指して、日々マネージャーや職制は努力をしています。
どんどん楽になることを、楽しみながらやる。
そういう人を増やそうとしています。
上司の皆さんは、仕事が楽しくなるような事を考えて下さい。
2025年は、皆でワクワクする年にしたいですね