藤薬局・管理薬剤師の中島です。
第二波を見据えた対策も重要な
COVID-19(新型コロナウイルス)感染症
漢方で予防できるのでしょうか
漢方医学では病氣の前段階のことを
「未病(みびょう)」と呼び、
「未病の治療」が最も重視されています。
新型コロナウイルス非感染者
および
無症状病原体保有者は、
漢方医学的には「未病」に当たるため、
漢方医学が得意とする領域となります
誤解されやすいのですが、
そもそも漢方薬には、
細菌やウイルスを殺す作用は
ありません
漢方治療はウイルスそのものではなく、
ウイルスを攻撃する生体防御能を向上させることを
目的とします
細菌やウイルス感染により、
人が生き延びていくために必要な
身体システムが不調を起こしたとき、
身体の「治る力」に作用するのが
漢方薬の役割です
どのように「治る力」に作用するかというと、
概ね以下の4つに分けられると考えられています。
(1)免疫を高め、炎症を抑える
COVID-19で引き起こされる主な病態です。
漢方薬は免疫賦活薬・抗炎症薬として、
免疫系に介入して一早く
免疫システムを立ち上げます。
炎症の役目が終わると、
漢方薬は過剰な炎症を素早く鎮め、
荒廃した組織を修復します。
(2)循環障害を改善
動脈系と静脈系の間にある微小血管の循環障害(瘀血:おけつ)があれば
駆瘀血剤(くおけつざい)で循環を改善し、
血が足りない(血虚:けっきょ)ときは
補血剤(ほけつざい)で補います。
(3)水分の分布を正常化
水分の分布異常(水滞:すいたい)があれば、
利水剤(りすいざい)で余った場所から不足した場所に水を移動させ、
水不足(陰虚:いんきょ)がひどければ
滋陰剤(じいんざい)で潤します。
(4)冷えの改善
加齢、運動不足などで褐色脂肪細胞が不足し、
深部体温が下がった場合、身体を温めます。
以上のことから、
感染前に漢方薬を投与しておくことで、
免疫システムが立ち上がるまでの時間を短縮し、さらに過剰になった炎症を抑制し、
COVID-19重症化予防につながると推測されています。
何はともあれ、
生体防御能=「氣」を益すためには、
日々の「養生」が何より大切です
普段以上に
快食
(身体を冷やさないように冷たい飲食物を避ける・暴飲暴食を避けるなど)
快眠
(睡眠時間の確保)
快便
(便秘を避ける)
を心がけた上で、漢方薬を服用しましょう
それではまた