2014年から始めたローカルCMプロダクション。
それまでやっていたのは大阪で3DCGとデジタル合成。半分はTVCM向けだが素材提供だけである。
鳥取でまず何が出来るのか考えた。
当時ほとんどのローカルCMは静止画ベースだった。A4程度の紙に出力したデザイン画とナレーション原稿をTV局に持ち込むだけだ。
後はテレビ局がカメラで撮影し、局アナがナレーション読んで、勝手にBGM入れられてスポンサーチェックも無しで放送される(聞いた話だが…)
その静止画デザイン、イラストレーターで作られたものがほとんど。
であれば、パーツを分解してアフターイフェクトでモーショングラフィックス出来るではないか!
という商売を始めた。ナレーションは局アナに読んでもらったものをCDやMDで貰ってBGMはフリー素材のCDを購入。
データに書き出したものをベーカム収録できるプロダクションに持ち込んで完パケにしてもらっていた。
完パケ前の動画チェックはDVデッキに収録してVHSにダビング。
全ては独自に考えたもので、どこかがやっていたものを真似したものではなかった。
その後、中古のVTRを購入して自前で完パケできるように。
そしてナレーションもネット経由で自前で調達。
動画撮影は外注していたが、何かできないかとホームシアターを大改造してクロマキースタジオに大変身!
カメラもDVカメラからRGBカメラ、HVX200・・・とグレードアップ。
当初のクロマキーはRGBカメラの出力をベーカムに収録し単体クロマキーヤー使ってマスクを抽出。中画とマスクを別々にDVデッキに収録してPCに取り込むという面倒なことをやっていた。DVの画像をそのままAEのキーヤーで抜くより奇麗だった。
HVX200を導入してからはロケにも出かけるようになったが、撮影自体をどこからも習ったことが無かったので、三脚据えて大人しい撮影ばかりである。
そのうち人物がらみとかも増えてきて、照明や特機などにも凝りだしたがすべて独学だ。
ちょうど世の中がデジタル一眼の動画に注目するようになり、古いビデオ技術があまり役に立たなくなった時期でもあり良かったのかもしれない。
なので、いち早くデジタルシネカメラを導入すると、山陰で初となった。
山陰レベルで言えば、自前のクロマキースタジオ、ジブアーム、リモートヘッド、レールドリー、グライドカム、XDCAM完パケ、デジタルシネカメラ、LEDライト…など初物導入だったかもしれない(笑)
まぁ大阪でイマジカなど先端の現場を見てきた影響もある。
とはいえ、ローカルCMはナショナルスポンサーのCM制作費に比べると1/100くらい?と思えるくらいの低予算。
その中で、これだけの機材?と思われるだろうが、そのあたりも独自のコストダウンで、時期を見て価格が下がったところで導入するとか知恵を絞っている。
また、CM制作においてもいかに効率よく合理的にやるかを常に考えている。
例えば編集に関して、大阪では立ち合い編集がメインだが、うちではお任せ編集のみとした。そのことによって何件も同時に入ってきても同時進行で編集することが出来た。
編集をメインとするため、撮影に関しては短時間で出来るものしか受けない。実質撮影が1~2時間。移動や設営撤収含めて3~4時間といった感じだ。そうすることで拘束時間を短くして編集に割り当てられる。また、ロケは体力を大きく奪われるのであまりメインにしたくなかった。
その点スタジオクロマキーは移動もないし、セッティングも最小限。体力の消耗は少ない。更に合成など特殊編集にウエイトが置かれるので費用的に付加価値の高い仕事として受けられる。
など、一般の映像プロダクションとは全く違う進化をしてきている。
今年63歳。体力的にワンマンオペレーションのロケは厳しくなってきた。
編集やスタジオ撮影はまだまだいけそうだ(笑)
いつまで現役が続けられるか…
90歳になってアフターイフェクト使ってるのもカッコいいかな(笑)
