7期最終回です! 寂しい!!!
今期も本当に素晴らしかったです……。
夏目くんの周囲にいる色々な人たちとその関係がぐっと深まって見える物語で、夏目くんの世界が広がっていること、前に進んでいることを実感できる期でした。

そして7期最終話の今回!
今までの物語を踏まえたうえでそれをゆっくり着地させて、さらに続いていくこの先に目を向けるような……。
1期、3期、5期の最終回もそんな感じでしたけど、今回も、これぞ夏目友人帳の最終回! と思える美しいお話でした。

ここからネタバレ感想です。

夕焼けの美しさ
オレンジから紫に変わっていく夕焼け、本当に綺麗でしたね!
オリガミが見せてくれる旅の風景ももちろん綺麗なんですけど(流星すごかった!)、ありふれた夕焼けもまた、遜色なく美しく思える風景でした。

きっとそれは、美しいものを一緒に見ることの温かさも含んでいるからなんだと思います。
夕焼け以外のいつもの風景も、夏目くんは「穏やかで、俺には輝いて見える風景」と言っていて……周囲の風景をそう思えることそのものが、夏目くんがここで良い時間を過ごせていることの証左ですよね。

そしてそれは多分、オリガミも一緒だったんじゃないかな。
最後の夢、あの夕焼けの中で夏目くんと先生と対面したのは、オリガミにとって夏目くんが見せてくれたあの風景が、一緒にいた時間の象徴だったからじゃないでしょうか。

そもそもオリガミ、必ずしも風景の美しさだけを求めて旅をしている風ではないですしね。
ポストやお花屋さんを気にしていたり、「長い髪がさらりとゆれてさ、にこやかで」「そうだな」という西村くん夏目くんの会話を気にしていたり……。
人が何を考えているのかにも、かなり興味津々です。

本来の姿を怖がられるのがつらいから折り紙にこもっているけど、本当はもっと人と近づきたいのかなぁ。

オリガミとのすれ違い
さて、そんなオリガミの恐る恐るのアプローチは夏目くんにスムーズに伝わらず、むしろオリガミを狙う妖怪のしわざ!? と警戒心を抱かせてしまいます。

姿を見せようとしたり花を描く練習をしたり、真相を知ってから見返すと、ああ、夏目くんのこと好きになってくれて、何かしたくなったんだなっていうのが分かって、嬉しいやらもどかしいやら。

踊り場のシーン、夏目くんの影が窓に映るの芸が細かいですよね。
そして、なんとなくそれを目で追っていると窓にオリガミの影がさすという演出……上手いけどちょっと怖い!

そして先生、夏目くんにびっくりされちゃったことをたぶんオリガミから聞いたのに、それを夏目くんには伝えません。
でもそのお陰で、夏目くんはちゃんと自分でそれに気づけたことを伝えられたんですよね。

先生がどういうつもりで言わなかったのかはわかりませんが……すれ違うならそれはそれで二人の関係だっていうスタンスも先生っぽいですし、でもどこかで、夏目くんが自分でちゃんと歩み寄れるって信じてくれていたなら良いな。

本当に、夏目くんがちゃんと気付けて、それを伝えられて、「驚いてごめんな」「もう驚かない」を伝えられて良かった……!

すれ違ったままお別れしてしまったレイコさんと蒼子ちゃんを見た後だと特にね!

「ながいかみがさらりとゆれて、にこやかであればよかったのに」って言うところを見ると、怖がられてしまったことはやはり気にしているようですけども……。
でも最後は一緒に夕焼けを見て、「きれいなゆうひをありがとう」と言ってくれて、美しい花の絵を贈ってくれて……夏目くんも「またいつか」と言えている、こういう関係を築けたことのありがたさと温かさが沁みます。

ごきげんな先生
今回、先生のごきげん度が高くてかわいいですね!

最初の夢の直後のごきげんのところ、ものすごくごきげん。
「ステキな夢」って表現も良いですよね、夢を100%喜んでくれている感じが。
夏目くん、先生と一緒に綺麗な景色見られて良かったね……。

竜田揚げの歌もかわいい。
オリガミに猫パンチしようとする先生を阻止する夏目くんも、猫飼い感あってかわいい。

あと、ポストとお花屋さんの話をしている時に、先生とオリガミが会話をするんじゃなくて、先生が通訳して夏目くんに答えさせているのも優しいです。
通訳しながら、先生が楽しそうな顔をしているのも嬉しい。

それから、旅は一人でするのかという夏目くんの問いに「あたりまえだ、私の心は自由なのだ」と答えるところ。
夏目くんも(我々も)一人だと寂しいんじゃ、と思ってしまうんですけど、それもまた別に絶対の価値観ではないんですよね。
先生はおもしろおかしくなんでも楽しめるし、もし寂しさを感じる時があっても、きっとその辺の妖怪と飲み友達になるんでしょうし。

そんな自由な心で、夏目くんのそばにいることを選んでくれている今がまた愛おしいです。

中級が夏目くんのこと「楽しきおもちゃ」扱いしてるのもね!

藤原夫妻や犬の会や同級生たち
庭に作った花壇とか、多軌さんに友達ができているとか、ここまでの物語がちゃんと生きてるの良いですね!
花壇を褒められて嬉しそうな顔する夏目くんかわいい。

西村くんや北本くんや田沼くんや笹田さんが、いつもの日常を夏目くんと一緒に過ごしてくれているのも嬉しい。

犬の会への「うるさーい! でていけー!」「イエッサー!」のところ(イエッサーって退散するの楽しい)で、心配した滋さん塔子さんに夏目くんが言い訳するんですけど、なんか言い訳が……成長してる気がする……。

5期1話「変わらぬ姿」でご飯をすっぽかしてしまった時は「急にジョギングがしたくなって」なんて言い訳をしていて、理解されることを諦めている感じがあった気がするんですけど、今回は「先生が虫を見つけて騒いだので」と、ちゃんと心配させないような言い訳ができています。一歩前進、えらいね!

本当は嘘をつかなくて良くなるともっと良いのかもしれませんが、今回、オリガミが描いた花を「見せられないかな」と言えたところを見ると、もしかしたら次の一歩への気持ちも、少しずつ大きくなっているのかもしれません。

話すことによって、心配させてしまったり踏み込み方を迷ったり……今まさに田沼くんと歩んでいるような紆余曲折はすごく大変でしょうけど、その大変さへの懸念よりも、「この美しいものを一緒に見たい」という優しい気持ちがストレートに出てくるのは、やっぱり夏目くんの成長だと思います。

しっかりと焼き付けた風景を、いつか話せる日が来るのかな。

名前と友人
名前を聞いて「気安く答えてはならないと教えられている」と言われてしまう夏目くん。
名前を聞いて友人になる、という様式をレイコさんからちゃんと継いでる感じがして嬉しいです。
というか、夏目くんがそういう捉え方をしているというのが、レイコさんのつないだ縁がちゃんと友人関係だということの証明に思えて。

レイコさん、旅妖怪とはどういう関係だったんでしょうね。
お礼のお酒を持ってきたり儚さを嘆いたり、好意的な雰囲気はあるような気がする!

いつか終わる時間
今この時間が美しくて穏やかで大好きであるほど、いつか終わることを意識してしまう夏目くん。
相変わらず高校生にしては達観しすぎです。さんざん色んなものを見てきたからなぁ……。
でもそれに悲観的にならず、今を大事に焼き付けようとするのは強いところです。

そして、一期一会を否応なく突きつけられる中、先生との関係は救いです。

「お前を見届けて友人帳をいただくことだろうが」
「ああ、それか」

この「ああ、それか」の声音が良いんですよね……。
この時間が先生にとっては一瞬の戯れなのはもちろん知っているけど、普段そんなこと気にする必要もないくらい、先生との日常が当たり前になっているのが滲んでいて。

夏目くんと先生には一期一会に気負うことなく、ずっとタイヤキかおだんごかで戦っていてほしい。

その他
・土手のシーンを見ると、1期エンディングの夏夕空を思い出します。
・お礼のお酒もらえてよかったね先生。
・近づいてくる凧ちょっと怖いんですけど、絶妙な面白さもあるのがデザインの妙です。
・おはようやおやすみをちゃんと言うシーンが多いの良いですよね。オリガミにもちゃんと挨拶する夏目くん良い子。
・今日はおだんご気分な夏目くん、男子高校生の買い食い(プラスアルファ)を支えられるくらいのお小遣いもらえているのが察せられて嬉しい。
・土手で多軌さんと会話するシーン、夏目くんと多軌さんの身長差が見えていいですね。

夏目友人帳漆、本当に本当にありがとうございました!!
8期を今から楽しみに待っています!

 

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