今回は西村くん回です!
相変わらずいいやつ全開な西村くん、そして月夜の美しさと妖艶さと、そして温かさとちょっとの切なさのある、夏目友人帳らしいエピソード。
ここからネタバレです。

西村くん
にっ西村くんそれさぁ!
さすがに夏目くんじゃないと思うんだよね!?
っていうか動きが人間じゃないよね!?
それがOKなら、本物の夏目くんの奇妙さくらいそりゃ全然許容範囲だわ!

でも西村くん、別に変なところが見えてないわけじゃないんですよね。
ただなんでも前向きに受け入れてしまっているだけで。

「お前ほんと変わってるな」

それをそんな明るさと懐っこさで言えるのはすごいよ……。

「人形の指かな、こっわ」なんて言う普通の感性を持ちながらもちゃんと指を拾って、「夏目がこんなに気にしてるくらいだから、大事なものなんだろ」と言えて、夏目くん(じゃないけど!)の新たな一面を知ることを「もう一度友達になった気分だ」と表現する西村くん。

端から見れば、何だかわからないものに付きまとわれている状況でずっと不穏なんですけど、西村くんのおかげで、全編通してどこか微笑ましく温かい空気を感じます。

ところで西村くんのエピソードといえば6期6話の「西村と北本」ですね。

転校初日の教室で最初に声をかけてくれた西村くん。
最初は夏目くんの上っ面の笑顔を見て「特に興味を持てるやつではなかった」とか言っていたのに、夏目くんが本音を見せてくれるたびに面白がって、仲良くなっていく過程が描かれていました。

そんな彼にとっては、夏目くん(違うけど!)が色々な面を見せてくれるこの何夜かは、すごく楽しかったのかもしれません。

「おれはさ、どっちも嫌いじゃないんだぜ」
人が見せる二面性を、どっちも好きになってくれるいいやつです。

人形
人形ちゃん、もうちょっと真面目に擬態してくれないと夏目くんの評判が心配だよ!
たまたま相手が西村くんだからよかったようなものの!

星めぐりの歌、切なくて綺麗で妖艶で、ちょっとかわいらしくて素晴らしいですね。
夏目くんの声で歌ってくれてありがとう!!!

捉えどころがなくて、人間の感情とはやっぱり少しずれている感じがするんですけど、ちゃんと感情豊かなのが見えて、それもまたかわいらしいです。

西村くんに「きっと大事にされてる物なんだろうな」と言われた時の表情なぁ……。
「よく頭をなでてくれた」の時の微笑みと。

「あっちもきっと忘れてしまったから、迎えにこないんだろう」

切ない……でも、すごく大事にされてたと思うよ!
最後まで、ちゃんと窓の見える椅子に座らせてもらってさ。
その部屋にずっといたのは、今も迎えを待ってるからなのかな。

西村くんに対しても、「お前、名前は?」の時点でかなり情が移ってきてますよね。
西村くんが規格外にいいやつだからっていうのももちろんですけど、人形ちゃんも元々、人の好意を受け取れる子だったんだろうなと思います。
別に食う気はなかったんじゃないかと思うよ先生……。

そして、夜のお散歩のシーンの美しさ!
月明りと花びらと、交わされる会話と歌声と。
西村くんの「夜のにおいがする」に対して、ちゃんとにおいをかぐ人形ちゃんかわいらしいです。

で、人形の本体も可愛いんですよね。
廃屋に落ちてる人形なんてそれだけで普通怖いと思うんですけど、西村くんが全然怖がっていないことを反映してなのか、ほとんど不気味さを感じさせない容姿をしています。
動き出した時はちょっと……だいぶ怖かったけどね!

人形を自分の着ている服で拭いちゃうの、男の子って感じです。
「ガラス玉」の目を指で拭ってあげるところ、良いですね。
頭なでてくれてありがとう……。

最後はカラスに狙われないところに隠れてしまったようだけど、歌の記憶が残っているように、西村くんとの月夜の記憶も、大事なものとして残ると良いな。

本物の夏目くん
カラスと話してたのは本物の夏目くんだったんですね。
本物もまぁちょっと変わっています。

廃屋で西村くんを助けに来たときの「西村!」という声の安心感すごいね。
あ、これは本物だ、ちゃんと実体のある声だ! と思います。
本物はちゃんと左手が見えているのも描写が細かいですね。

人形と別れた後、本物の夏目くんと西村くんとで夜を歩くところ、西村くんに鼻唄のことを聞かれて「さぁ、何だったかな」と応える夏目くん。

夢でも見たんじゃないか、みたいな誤魔化し方はしないんですね。
自分の見たものを現実だと思ってもらえない苦しさは、たぶん誰より知っているから。

「いつか西村にも話してやりたいけど
いつまでも変わらず、あんな風に笑っていてほしいって…」

夏目くんから西村くんへは、ずっと隠しごとがあるんですよね。
ばれたら関係が変わってしまうかも、と恐れる隠しごと。

学校の夏目くんとも夜の夏目くんとも違う、本当のことを話したい気持ちと、受け入れてもらえるかという不安の間に揺れる、むき出しの夏目くん。
それを先生に話す時の、「先生?」のどこか心細そうな甘えたような声と、ただ「さあな」と流す先生がまた良いです。


今回、月の描写がとても丁寧で、ここから読み取れる情報もありました。

最初は上弦の月(7.5夜くらい)、最後は満月(15夜くらい)。
今回のお話はどうやらだいたい一週間のできごとです。

そしてこれに合わせて、人形ちゃんの来訪時刻が少しずつ遅くなっていくのもわかります。

月の出の時刻というのは月齢によって変わるもので、上弦の月(満ちていく途中の半月)は昼頃に出て夜中頃に沈み、満月は日没の頃に出て夜明けの頃に沈みます。
毎日月を見ていると、月の出も月の入りも、一日に50分くらいずつ遅くなっていくものなんですよ。

余談ですが、十五夜は日没の頃に出てきて、その二日後の十七夜は、夜になってすぐ「立って待っていれば出てくる」から「立待月(たちまちづき)」、十八夜は座って待つから「居待月」、十九夜は寝て待つくらい遅いから「寝待月」「臥待月」という別名があります。

最初の来訪の時は、西にむけて傾き始めた向きの上弦の月が見えています。

18時(上弦の月の南中時刻)にまっすぐ立った状態から1時間に15°弱ずつ右に傾くので、うーん…目分量ですが、19時と20時の間ってところでしょうか。


同じ窓から同じ位置に月が見えるためには、ここから一日50分くらいずつ、人形ちゃんの来訪時間が遅くなっていく必要があります。

一週間経つと350分、初日と最終日の来訪時刻の差は6時間弱になる計算ですね。

実際、初日の西村くんは帰宅直後で、次は私服に着替えていて、さらにはお菓子を持って待っていて、次には勉強しながら寝落ちていて、最後は勉強も終えて寝転がってマンガを読んでいて……と、だんだんと時間帯が深くなっていくのが匂わされています。
そりゃ寝不足にもなる!

本物夏目くんのラストシーンは沈みかけの満月が見えていて、これはもうほとんど明け方ですね。
秋は日の出が遅いので、まだ明るくはならないでしょうが。

 

月をテーマにしたエピソードで、そんなところの丁寧さも嬉しい回でした。

その他
・あっ辻くんだ! 久しぶりな気がする!
・眠そうな西村くんを心配する北本くん。この間は逆だったけど、どちらも友人想いです。
・教室の窓の外にちらっといる先生。

・その町、ちゃんとコンビニあるんだね!

 

 

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