長らくご無沙汰をしております。
みなさま、お変わりございませんでしょうか?
長らくブログを放置しておりましたが、どうしてもこれだけは
書いておきたかった助成金制度の変更に関する記事です。
なかなかお一人様のときのように
たっぷりと時間をかけて文章を読み込んだり精査できないので
ざっくりとした内容となってしまいましたが、
これが今書ける精一杯かな。
誰かの何かにお役に立てるといいなあ。
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不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会が
昨年(25年)5月~8月に厚労省の主催で開催され、
変更案が取りまとめられました。
概要については以下の厚生労働省のサイトでどうぞ。
「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書について
もうすでに、皆様よくご存じだとは思いますが
大きな変更点としては
・対象となる女性患者に年齢制限(43歳未満)が設けられた
・現在10回の助成が6回へ減らされた
というものです。
私自身も不妊治療をしていた当事者として
固唾を飲んでこの検討会の行方を見守っておりました。
皆様どのような感想をもったのかなと
誰のものとはなく、ブログの記事を読ませていただきましたが
残念ながら私と同じ着目点で検討会の在り方を
見ていらっしゃる方を探すことができませんでした。
不妊治療の当事者の意見としては
大きく分けると二つの意見に集約されていたように思います。
・減額は許せん!なんで不妊治療の助成だけ減らされるんでしょう!
と年齢制限、回数減による減額の事実に憤る方
(不妊治療の助成だけが減額されているわけではないですけどね。
生活保護費の減額、児童扶養手当の減額、年金の減額など、
すでにいろいろ減額されていますし。)
・年齢制限、回数の減は仕方ないと受け止める方
私自身、この助成制度の変更案についてはおおむね賛成です。
公費で賄う以上やはり費用対効果の高い人たちに
助成すべきだと思いますし、治療回数が多い反復不成功の方には
治療を見直す(辞める)きっかけも必要だと思うからです。
でもね、私はこの検討会のそもそものところが
違うんじゃないかと思って
腹が立って腹が立って仕方がありませんでした。
なぜ、この助成制度利用者が制度開始から増大しているのか?
なぜ、40歳を超えた助成制度利用者が多いのか?
私自身思うのは、治療に際し医師が
IVFの治療がとても確率の低いものだということを
きちんと患者に説明していないことが一番の理由だと思うのです。
あなたの主治医は、不妊治療の治療成績について
きちんと数字で根拠を示し、あなたが理解できる言葉で
丁寧に説明してくれましたか?
不成功で治療周期が重なっていったときに
治療継続の意思確認をきちんとしてくださいましたか?
「次はいつ来て」という指示だけであったりしていないでしょうか?
検討会の資料によれば
IVFでは妊娠して出産に至ることができるのは
比較的若い方でも20パーセント程度。
40歳で7.7パーセント。45歳では0.6パーセントだそうです。
助成制度が6回に制限された、その6回の根拠は
IVFの治療によって妊娠できた9割の患者が
治療周期6回の間に妊娠しているからだそうです。
私自身、今までこの治療周期が意味するものは、
移植6回と認識していたのですが
今回の検討会の議事録を見てこの治療周期は、
誘発、採卵、移植を不成功を含めて数えた周期なのだと
はじめて知りました。
刺激で5-6個卵が採れる方なら1-2回の採卵で
採れた卵で妊娠できるということなんですよね。
このような患者自身が治療を続ける、辞めるという
重要な判断をするのに必要な判断材料を隠しておいて
40歳以上で不妊治療を繰り返すおバカな患者
(私も当然その一人です)が増えてきたから
助成金打ち切りましょーって。
そりゃ、ねーだろー。
今回の検討会でも治療成績の公表については
慎重に取り扱うべきということでノータッチでした。
患者がおバカで数字を正しく理解できそうもないから
説明しなくてもいいんですって。
どこの世界に相手が理解できないから説明を省いて
良い商売があるのかな。
生命保険の約款とか、金融商品の目論見書とか
読んでも理解できないものいっぱいあるけど。
でもどれも必須になってるね?
あのね。別に難しいパーセンテージなんか出してくれなくていいのよ。
生の数字を出してくれればいいんじゃない?
昨年1年、何人の患者が治療をして
何人の患者が妊娠して紹介状書いて出産病院へ転院したか。
欲を言えば年代別でね。それだけで十分だよ。
各開業医の数字出すのが難しいなら、登録機関全体でもいいじゃん。
治療総周期とか妊娠率とか出産率とか
理解させようと思うから無理があるんだよう。
生の数字出せーーーっ。
ナマぁぁぁぁぁぁーーーっ。
こんな当事者の不認識の中で治療が行われているのは
日本だけじゃないのかな。
日本人患者はお人好しすぎるんじゃないかな。
もっと当事者として声を出さなきゃいけないのに
患者サイドの代表として招聘され参加したらしいNPO法人の方が
このことについて触れていないのが残念でした。
ま、この検討会は最初から落としどころが
決まっていたわけですから
患者代表として参加したNPO法人には
それ以外のところで患者の利益となることを
引き出してもらいたかったなあ。
なんか、単なるガス抜きとして利用された感たっぷりです。
また、今回の検討会の議事録では、登録機関の中でも
治療周期が少ない(=患者が少ない)施設が多数あることや
その施設の治療成績がよろしくないことも
検討会の議論に上っていました。
患者サイドとしては、治療するクリニックを選ぶのに
重要な情報なのにね。何も対策はされないようです。
事情が許せば、患者のたくさんいる専門クリニックで
治療をするほうがよさそうです。
お時間のある方は、検討会の概要だけでなく
議事録も読んでみると、どの委員がどんな立ち位置なのか
わかって理解が深まります。
参考:厚生労働省不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会(議事録)